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暴君王子のおっしゃることには! (159)
2012.10.07 Sun
「だって、侑仁さんのことが好きなのに、まだ会ったこともない人とお付き合いしたいとか言うなんて、そんなの変じゃん」
「変でもいいもん」
「でもいっちゃん、俺が山下さんのことカッコイイて言ってたころ、好きならもっと積極的に行かなきゃダメじゃん、みたいなこと言ってたのに」
「……」
雪乃にそう返されて、一伽は返事が出来ずに、枕に顔を押し付けた。
確かに、雪乃が山下さんのことで騒いでいたころ、カッコいいだの会えて嬉しいだの言っているわりに、彼女がいるかどうかも知らなければ、まともに話したことすらもない状態だったから、付き合いたいならそんなんじゃダメじゃん! とキレたことはある。
いやでもあのときは、雪乃が山下さんのことを好きだと言っているくせに、光宏の家に通いまくっていたから、光宏が不憫に思えたからで…。
「ねぇねぇ、侑仁さんの態度はどんな感じなの? いっちゃんのこと、完全に友だちとしてしか見てない感じ? 俺、そういうの感じ取るの苦手だけどさ、いっちゃんは敏感でしょ?」
「そんなの分かんないよ、自分のことなんて。侑仁、俺のこと好きて思ってるかも……とかつったら、俺、超自意識過剰じゃん」
そりゃ、相手が自分に寄せる感情が、好意なのか嫌悪なのかのくらいは嗅ぎ分けられるけれど、その好意が、愛情なのか友情なのかは、なかなか判断が難しい。
それは、自分の勘違いだったら恥ずかしいし…、と思う気持ちがあるからかもしれないけれど。
「あ、航平さんは?」
「は? 航平くんが何? 俺、航平くんとなんか絶対に付き合わないかんね?」
「違うってば…。そうじゃなくて。航平さんて侑仁さんのお友だちなんでしょ? 航平さんは、侑仁さんといっちゃんのこと、何も言わないの? 侑仁さんのこととかさ」
先ほど、お付き合いしたら? という相手の名前に、いきなり美也子の名前を出された一伽は、今度は航平が候補に挙げられたのかと思って身構えたが、そうではなかったらしい。
「航平くんの言うことは、あんま当てになんないからダメ」
「何で? 当てになんない、てどういうこと?」
「だって航平くん、……航平くんだけじゃなくて、海晴とかエリーちゃんとかもだけど、何かみんなして、侑仁が俺のこと特別扱いしてる、みたいなこと言うの」
「ホラ! やっぱりちょっとは脈ありなんじゃん!」
『海晴』とか『エリーちゃん』とかが誰なのかは分からないが、少しは期待が持てる状況なのだと知り、雪乃の声は明るくなった。
でも実際は、そんなにいいものではない(だからこそ一伽は、航平の言うことは当てにならない、と言ったのだ)。
「ないもん。だって侑仁、自分でそんなことない、て言ったんだもん」
「え、いっちゃんに?」
「航平くんに。航平くんもさ、侑仁は俺のこと好きそうに見えるて言うの。でもね、航平くんが言うには、侑仁はそのこと認めてないんだって。つまりは、俺のこと友だちとしてしか思ってない、てことでしょ?」
この間の航平の言葉を思い出して、一伽はちょっと落ち込んだ。
あのときは、最初に航平が、侑仁も一伽のことが好き、みたいなことを言ったから、それに期待した分だけ、余計にガックリしたのだ。
「でもさ、周りから見たら、侑仁さん、いっちゃんのこと好きそうに見えるんでしょ? だったらもうちょっとがんばれば、何とかなるんじゃない!?」
雪乃が、まるで自分のことのように浮かれ出す。
一伽のような図太さなんかまるでないのに、こんなのときのポジティブさは、一伽以上だ。一伽はこっそり、能天気…と思う。
「どうにもなんないよ、ユキちゃん」
「そんなことないって! さっきまでのいっちゃんの話聞いてたら、超絶望的な感じなのかと思ってたけど、全然まったく望みがないわけじゃないんじゃん、ねぇ」
あんまりにも一伽のほうに寄ってき過ぎて、とうとう雪乃は一伽のふとんのほうに乗り込んできてしまった。
季節は真夏から初秋に移りはしたものの、こうやってくっ付いて寝るには、まだ十分に暑いのに(というか、一伽は雪乃と同じふとんに寄り添って寝たくなんかない)。
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「変でもいいもん」
「でもいっちゃん、俺が山下さんのことカッコイイて言ってたころ、好きならもっと積極的に行かなきゃダメじゃん、みたいなこと言ってたのに」
「……」
雪乃にそう返されて、一伽は返事が出来ずに、枕に顔を押し付けた。
確かに、雪乃が山下さんのことで騒いでいたころ、カッコいいだの会えて嬉しいだの言っているわりに、彼女がいるかどうかも知らなければ、まともに話したことすらもない状態だったから、付き合いたいならそんなんじゃダメじゃん! とキレたことはある。
いやでもあのときは、雪乃が山下さんのことを好きだと言っているくせに、光宏の家に通いまくっていたから、光宏が不憫に思えたからで…。
「ねぇねぇ、侑仁さんの態度はどんな感じなの? いっちゃんのこと、完全に友だちとしてしか見てない感じ? 俺、そういうの感じ取るの苦手だけどさ、いっちゃんは敏感でしょ?」
「そんなの分かんないよ、自分のことなんて。侑仁、俺のこと好きて思ってるかも……とかつったら、俺、超自意識過剰じゃん」
そりゃ、相手が自分に寄せる感情が、好意なのか嫌悪なのかのくらいは嗅ぎ分けられるけれど、その好意が、愛情なのか友情なのかは、なかなか判断が難しい。
それは、自分の勘違いだったら恥ずかしいし…、と思う気持ちがあるからかもしれないけれど。
「あ、航平さんは?」
「は? 航平くんが何? 俺、航平くんとなんか絶対に付き合わないかんね?」
「違うってば…。そうじゃなくて。航平さんて侑仁さんのお友だちなんでしょ? 航平さんは、侑仁さんといっちゃんのこと、何も言わないの? 侑仁さんのこととかさ」
先ほど、お付き合いしたら? という相手の名前に、いきなり美也子の名前を出された一伽は、今度は航平が候補に挙げられたのかと思って身構えたが、そうではなかったらしい。
「航平くんの言うことは、あんま当てになんないからダメ」
「何で? 当てになんない、てどういうこと?」
「だって航平くん、……航平くんだけじゃなくて、海晴とかエリーちゃんとかもだけど、何かみんなして、侑仁が俺のこと特別扱いしてる、みたいなこと言うの」
「ホラ! やっぱりちょっとは脈ありなんじゃん!」
『海晴』とか『エリーちゃん』とかが誰なのかは分からないが、少しは期待が持てる状況なのだと知り、雪乃の声は明るくなった。
でも実際は、そんなにいいものではない(だからこそ一伽は、航平の言うことは当てにならない、と言ったのだ)。
「ないもん。だって侑仁、自分でそんなことない、て言ったんだもん」
「え、いっちゃんに?」
「航平くんに。航平くんもさ、侑仁は俺のこと好きそうに見えるて言うの。でもね、航平くんが言うには、侑仁はそのこと認めてないんだって。つまりは、俺のこと友だちとしてしか思ってない、てことでしょ?」
この間の航平の言葉を思い出して、一伽はちょっと落ち込んだ。
あのときは、最初に航平が、侑仁も一伽のことが好き、みたいなことを言ったから、それに期待した分だけ、余計にガックリしたのだ。
「でもさ、周りから見たら、侑仁さん、いっちゃんのこと好きそうに見えるんでしょ? だったらもうちょっとがんばれば、何とかなるんじゃない!?」
雪乃が、まるで自分のことのように浮かれ出す。
一伽のような図太さなんかまるでないのに、こんなのときのポジティブさは、一伽以上だ。一伽はこっそり、能天気…と思う。
「どうにもなんないよ、ユキちゃん」
「そんなことないって! さっきまでのいっちゃんの話聞いてたら、超絶望的な感じなのかと思ってたけど、全然まったく望みがないわけじゃないんじゃん、ねぇ」
あんまりにも一伽のほうに寄ってき過ぎて、とうとう雪乃は一伽のふとんのほうに乗り込んできてしまった。
季節は真夏から初秋に移りはしたものの、こうやってくっ付いて寝るには、まだ十分に暑いのに(というか、一伽は雪乃と同じふとんに寄り添って寝たくなんかない)。
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けいったん ⇒
ユキちゃん、頑張れ!
侑仁の事に関しては ネガティブいっちゃんが、その気になるまでね(*^-')b
しかし いっちゃんは 手強いからなぁ~
もう一押し出来る何かが あればね。
[゚.+:。 考ぇ㊥ 。:+.゚]◎´(エ)`*q))ンー・・・...byebye☆
侑仁の事に関しては ネガティブいっちゃんが、その気になるまでね(*^-')b
しかし いっちゃんは 手強いからなぁ~
もう一押し出来る何かが あればね。
[゚.+:。 考ぇ㊥ 。:+.゚]◎´(エ)`*q))ンー・・・...byebye☆
- |2012.10.07
- |Sun
- |11:24
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
ただでさえややこしいいっちゃんを救えるのは、やっぱりユキちゃんしかいないですよね!
超図太い性格のいっちゃんも、なぜか侑仁さんのことに関しては、スーパーネガティブですからね…(^_^;)
手強いいっちゃんを、どうにか説得させてほしいものですね(>_<)
コメントありがとうございました!
超図太い性格のいっちゃんも、なぜか侑仁さんのことに関しては、スーパーネガティブですからね…(^_^;)
手強いいっちゃんを、どうにか説得させてほしいものですね(>_<)
コメントありがとうございました!
- |2012.10.07
- |Sun
- |22:18
- |URL
- |EDIT|