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暴君王子のおっしゃることには! (157)
2012.10.05 Fri
「…ねぇいっちゃん」
「何?」
もう結論が出たし、雪乃のハーブティーのおかげか、頭をたくさん使ったせいか、何だかちょっと眠くなってきたから、もう寝かせてくれてもいいんだけど…。
「いっちゃんの好きな人て……侑仁さん?」
「………………はぇっ!?」
雪乃の思い掛けない言葉に、一伽の落ち掛けていた目蓋が、バチッとまた開いた。
だって今、雪乃の口から、『侑仁』という名前が出て来たような…。
「え…、ユキちゃん、今何言った?」
「ん? だから、いっちゃんの好きな人て、侑仁さんなの? て。…つか、そうなんだね」
またしても一伽は、はっきりと『そうだ』と答える前に、反応だけで雪乃に答えを知られてしまった。
そんな…鋭い雪乃なんて、雪乃じゃないみたいだから、何か嫌だ。
「だとしたら何? 大体ユキちゃん、侑仁のことなんか知らないでしょ?」
「侑仁さんのことは知らないけど、でも前にいっちゃんが侑仁さんのこと話してくれたとき、好きなんだろうな、て思ったよ?」
「……」
そういえば、ずっとずっと前だけれど、一伽が侑仁にメールしようとしていたのを雪乃に見られたとき、そんなこと言われたことあったっけ。
「ユキちゃん、そんなこと覚えてたの?」
「今話してたら、何か思い出した」
「忘れてよ」
余計なこと思い出して…と一伽は、頬を膨らませながら、足をパタパタさせた。
「やっぱりいっちゃん、侑仁さんのこと好きなんだ」
「いーじゃん、別に。…つか、俺が男のこと好きになったとか、バカだとか思ってる?」
「そんなこと思ってないよ。でも……好きなのに、ホントに諦めちゃうの?」
「だってしょうがないじゃん。侑仁はホモじゃないんだし」
前に航平にも言ったけれど、女の子大好きな一伽が男である侑仁を好きになったのと同じように、侑仁までもが一伽のことを好きになるなんて可能性……絶対にない。
いや、世の中に絶対ということはあり得ないかもしれないけれど、0.1%の可能性なら、絶対にないも同然だ。
「告って、キモがられて、もう会えなくなるか、告んないで友だちのまま側にいるか、告んないけどもう会わないか……この3つしかないと思うんだよね、俺」
「そうかな」
「そうだよ。で、この中で1番マシなのは、告んないで友だちでいるのでしょ?」
「いっちゃんの考えてること……よく分かんない」
光宏の気持ち、全然分かっていなかった雪乃に言われたくないかもだけど、どうして一伽の選択肢の中には、一伽の告白に侑仁がOKするというのがないんだろう。
本当に全然そんな可能性、ないの?
「分かんなくていいよ。ユキちゃんは、光宏と仲良くやってれば、それでいいんだよ。ユキちゃん凹むと面倒くさいから」
「何それ。てか、だからだよ!」
「…何?」
なぜか急に言葉に力の籠った雪乃に、一伽は訝しげに視線を向けた。
まだ寝ないのかな。
「俺ね、みっくんとお付き合いすることになるまでに、いっちゃんにいっぱいお世話になったじゃない?」
「そうだね、すげぇ大変だった」
「でしょ? …て、そんなキッパリ言わないでよ、ちょっとは『そんなことないよ』とか言ってよ」
「…何ノリ突っ込みしてんの? だって本当に大変だったもの」
「まぁまぁまぁ、それはともかく。俺、すごくお世話になってでしょ? だからね、俺もいっちゃんの力になりたい……て言ったらおこがましいかもだけど、いっちゃんのこと、応援したいよ?」
雪乃は、先ほどよりもさらに、一伽のほうにずり寄ってくる。
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「何?」
もう結論が出たし、雪乃のハーブティーのおかげか、頭をたくさん使ったせいか、何だかちょっと眠くなってきたから、もう寝かせてくれてもいいんだけど…。
「いっちゃんの好きな人て……侑仁さん?」
「………………はぇっ!?」
雪乃の思い掛けない言葉に、一伽の落ち掛けていた目蓋が、バチッとまた開いた。
だって今、雪乃の口から、『侑仁』という名前が出て来たような…。
「え…、ユキちゃん、今何言った?」
「ん? だから、いっちゃんの好きな人て、侑仁さんなの? て。…つか、そうなんだね」
またしても一伽は、はっきりと『そうだ』と答える前に、反応だけで雪乃に答えを知られてしまった。
そんな…鋭い雪乃なんて、雪乃じゃないみたいだから、何か嫌だ。
「だとしたら何? 大体ユキちゃん、侑仁のことなんか知らないでしょ?」
「侑仁さんのことは知らないけど、でも前にいっちゃんが侑仁さんのこと話してくれたとき、好きなんだろうな、て思ったよ?」
「……」
そういえば、ずっとずっと前だけれど、一伽が侑仁にメールしようとしていたのを雪乃に見られたとき、そんなこと言われたことあったっけ。
「ユキちゃん、そんなこと覚えてたの?」
「今話してたら、何か思い出した」
「忘れてよ」
余計なこと思い出して…と一伽は、頬を膨らませながら、足をパタパタさせた。
「やっぱりいっちゃん、侑仁さんのこと好きなんだ」
「いーじゃん、別に。…つか、俺が男のこと好きになったとか、バカだとか思ってる?」
「そんなこと思ってないよ。でも……好きなのに、ホントに諦めちゃうの?」
「だってしょうがないじゃん。侑仁はホモじゃないんだし」
前に航平にも言ったけれど、女の子大好きな一伽が男である侑仁を好きになったのと同じように、侑仁までもが一伽のことを好きになるなんて可能性……絶対にない。
いや、世の中に絶対ということはあり得ないかもしれないけれど、0.1%の可能性なら、絶対にないも同然だ。
「告って、キモがられて、もう会えなくなるか、告んないで友だちのまま側にいるか、告んないけどもう会わないか……この3つしかないと思うんだよね、俺」
「そうかな」
「そうだよ。で、この中で1番マシなのは、告んないで友だちでいるのでしょ?」
「いっちゃんの考えてること……よく分かんない」
光宏の気持ち、全然分かっていなかった雪乃に言われたくないかもだけど、どうして一伽の選択肢の中には、一伽の告白に侑仁がOKするというのがないんだろう。
本当に全然そんな可能性、ないの?
「分かんなくていいよ。ユキちゃんは、光宏と仲良くやってれば、それでいいんだよ。ユキちゃん凹むと面倒くさいから」
「何それ。てか、だからだよ!」
「…何?」
なぜか急に言葉に力の籠った雪乃に、一伽は訝しげに視線を向けた。
まだ寝ないのかな。
「俺ね、みっくんとお付き合いすることになるまでに、いっちゃんにいっぱいお世話になったじゃない?」
「そうだね、すげぇ大変だった」
「でしょ? …て、そんなキッパリ言わないでよ、ちょっとは『そんなことないよ』とか言ってよ」
「…何ノリ突っ込みしてんの? だって本当に大変だったもの」
「まぁまぁまぁ、それはともかく。俺、すごくお世話になってでしょ? だからね、俺もいっちゃんの力になりたい……て言ったらおこがましいかもだけど、いっちゃんのこと、応援したいよ?」
雪乃は、先ほどよりもさらに、一伽のほうにずり寄ってくる。
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COMMENT-FORM
ちよ ⇒
なんと!w(*゜o゜*)w
ユキちゃんは、ずっとずっと前から気付いていたのね!?
いっちゃん、頑なまでに諦めモードですが、
ユキちゃんの癒しパワーとか、
紅茶マスターとしての知恵袋とか(←これって必要?)、
同性とのお付き合い経験ありの先輩としてとか…、
もう、何でもいいから、ありったけの力を出し尽くして
いっちゃんのこと、応援してあげて~
ユキちゃんは、ずっとずっと前から気付いていたのね!?
いっちゃん、頑なまでに諦めモードですが、
ユキちゃんの癒しパワーとか、
紅茶マスターとしての知恵袋とか(←これって必要?)、
同性とのお付き合い経験ありの先輩としてとか…、
もう、何でもいいから、ありったけの力を出し尽くして
いっちゃんのこと、応援してあげて~
- |2012.10.05
- |Fri
- |08:22
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
ユキちゃん、自分のことには相当鈍感ですが、いっちゃんのことは、密かにいろいろ気付いてます(笑)
まぁ、自分のことに鈍感な人ばかりですが…(^_^;)
果たしてユキちゃんは、いっちゃんの頑なな心を融かすことが出来るのでしょうか。
ユキちゃん本人は、紅茶マスターである自分に、何だかすごく誇りを持ってるんで、そのパワーも含めて、応援してもらいましょう! (笑)
コメントありがとうございました!
まぁ、自分のことに鈍感な人ばかりですが…(^_^;)
果たしてユキちゃんは、いっちゃんの頑なな心を融かすことが出来るのでしょうか。
ユキちゃん本人は、紅茶マスターである自分に、何だかすごく誇りを持ってるんで、そのパワーも含めて、応援してもらいましょう! (笑)
コメントありがとうございました!
- |2012.10.05
- |Fri
- |23:20
- |URL
- |EDIT|