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暴君王子のおっしゃることには! (140)
2012.09.18 Tue
「…10日? 2週間くらい前? かな」
「そんなに最近? マジで?」
「つか…、リコちゃん、侑仁に告ったの、ニナちゃんたちにメールしたでしょ? それ聞いて…」
リコが侑仁に告白したことを知って、それによって一伽はようやく自分の気持ちに気が付いたのだ。
さすがにそれを本人に言ったら、怒りそうだ…。
「ニナから聞いたの? アタシが侑仁に告ったって。そういえば一伽くん、アタシがフラれたのも知ってたよね?」
「…ニナちゃんから、リコちゃんが侑仁に告ったの聞いて、でもわざわざそんなメール寄越すくらいだから、きっと侑仁、オッケーしたんだなぁ、て話してたの」
「そしたら、フラれてました、て?」
「その後、侑仁に会うことあって…、断った、て聞いた」
「侑仁から聞いたんだ? じゃあ、もう少し考えて、て言ったのも聞いたの?」
「実は…」
意外にもリコは、一伽の話を聞いても怒り出さなかった。
笑顔を見せていたけれど、その横顔は少し寂しそうだった。
「…侑仁に、もっかい返事聞いたの?」
「今日ね。ダメだったけど」
「ダメ…だったんだ」
「じゃなきゃ、一伽くんトコ来ない」
でしょ? とリコに顔を覗き込まれ、一伽は返事に困ったが、小さく頷いた。
「つか、一伽くんでダメなら、アタシなんかダメに決まってるけど」
「そんなこと…」
「だってアタシ、性格悪いし、好きになってもらえる要素ないじゃん?」
「…………」
一伽は、リコに突っ掛かられてばかりだったから、リコに対して決していい印象は持っていないけれど、まさかリコが自分でそれに気付いているとは思っていなかったから、ちょっとビックリした。
「性格キツイし、すぐ感情的になるし、独占欲も結構あるし、…こんなんじゃダメでしょ」
「ダメかどうかは分かんないけど…、でもリコちゃん、侑仁の前ではいい子だったよね」
「ふっ…、一伽くん、すごいハッキリ言うんだね」
ここまでの会話で、ある程度ズバッと言ってもリコが怒らなかったので、平気かな、と思って言ってみたら、やっぱり平気だった。
もう開き直っているのかもしれない。
「そりゃ好きになってほしいもん、いい子ぶるっしょ」
「まぁそうだけど…。でも、そんなのバレるじゃん?」
「分かってる。男だって、そんなにバカじゃないもんね。でも何か、必死になり過ぎちゃった」
…そっか、分かってたのか。
一伽は、ただ単にリコのことを、裏表があって、あざとい性格なのだとばかり思っていたけれど、きっと本当は周りが思っているほど、自分で言うほど、リコはヒドイ性格の持ち主ではないのだろう。
…ただ、素直になれなかったり、周りが見えなくなってしまったりすることが多いだけで。
「でも…、それでもリコちゃんのほうが、望みがあるよ」
「何で」
「だってリコちゃんは女の子で、俺は男だ」
それは決定的なことだと思う。
侑仁が男も女も同じように好きなら、一伽にだって多少の望みはあるけれど、そうではないから、一伽のほうが絶望的だ。
前に航平にも言ったけれど、女の子大好きな一伽が、なぜか侑仁だけは男だけれど好きになってしまったのと同じように、侑仁も一伽のことを好きになるなんて……やっぱりない。
「そっか…。侑仁が男好きだとか、聞かないもんね」
「でしょ? 性格とかなら直しようがあるけど、性別は……まぁ変えられないことはないけど、俺、そこまでする気ないし」
侑仁だって、別にそういうことは望んでいないだろう。
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「そんなに最近? マジで?」
「つか…、リコちゃん、侑仁に告ったの、ニナちゃんたちにメールしたでしょ? それ聞いて…」
リコが侑仁に告白したことを知って、それによって一伽はようやく自分の気持ちに気が付いたのだ。
さすがにそれを本人に言ったら、怒りそうだ…。
「ニナから聞いたの? アタシが侑仁に告ったって。そういえば一伽くん、アタシがフラれたのも知ってたよね?」
「…ニナちゃんから、リコちゃんが侑仁に告ったの聞いて、でもわざわざそんなメール寄越すくらいだから、きっと侑仁、オッケーしたんだなぁ、て話してたの」
「そしたら、フラれてました、て?」
「その後、侑仁に会うことあって…、断った、て聞いた」
「侑仁から聞いたんだ? じゃあ、もう少し考えて、て言ったのも聞いたの?」
「実は…」
意外にもリコは、一伽の話を聞いても怒り出さなかった。
笑顔を見せていたけれど、その横顔は少し寂しそうだった。
「…侑仁に、もっかい返事聞いたの?」
「今日ね。ダメだったけど」
「ダメ…だったんだ」
「じゃなきゃ、一伽くんトコ来ない」
でしょ? とリコに顔を覗き込まれ、一伽は返事に困ったが、小さく頷いた。
「つか、一伽くんでダメなら、アタシなんかダメに決まってるけど」
「そんなこと…」
「だってアタシ、性格悪いし、好きになってもらえる要素ないじゃん?」
「…………」
一伽は、リコに突っ掛かられてばかりだったから、リコに対して決していい印象は持っていないけれど、まさかリコが自分でそれに気付いているとは思っていなかったから、ちょっとビックリした。
「性格キツイし、すぐ感情的になるし、独占欲も結構あるし、…こんなんじゃダメでしょ」
「ダメかどうかは分かんないけど…、でもリコちゃん、侑仁の前ではいい子だったよね」
「ふっ…、一伽くん、すごいハッキリ言うんだね」
ここまでの会話で、ある程度ズバッと言ってもリコが怒らなかったので、平気かな、と思って言ってみたら、やっぱり平気だった。
もう開き直っているのかもしれない。
「そりゃ好きになってほしいもん、いい子ぶるっしょ」
「まぁそうだけど…。でも、そんなのバレるじゃん?」
「分かってる。男だって、そんなにバカじゃないもんね。でも何か、必死になり過ぎちゃった」
…そっか、分かってたのか。
一伽は、ただ単にリコのことを、裏表があって、あざとい性格なのだとばかり思っていたけれど、きっと本当は周りが思っているほど、自分で言うほど、リコはヒドイ性格の持ち主ではないのだろう。
…ただ、素直になれなかったり、周りが見えなくなってしまったりすることが多いだけで。
「でも…、それでもリコちゃんのほうが、望みがあるよ」
「何で」
「だってリコちゃんは女の子で、俺は男だ」
それは決定的なことだと思う。
侑仁が男も女も同じように好きなら、一伽にだって多少の望みはあるけれど、そうではないから、一伽のほうが絶望的だ。
前に航平にも言ったけれど、女の子大好きな一伽が、なぜか侑仁だけは男だけれど好きになってしまったのと同じように、侑仁も一伽のことを好きになるなんて……やっぱりない。
「そっか…。侑仁が男好きだとか、聞かないもんね」
「でしょ? 性格とかなら直しようがあるけど、性別は……まぁ変えられないことはないけど、俺、そこまでする気ないし」
侑仁だって、別にそういうことは望んでいないだろう。
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COMMENT-FORM
ちよ ⇒ 侑仁くんは…
リコちゃんに何て言ってお断りしたんだろう。
リコちゃんは納得出来ないまま、いっちゃんのトコ来たみたいけど…
無自覚の侑仁くんには、何か荒療治が必要かな?
リコちゃんは納得出来ないまま、いっちゃんのトコ来たみたいけど…
無自覚の侑仁くんには、何か荒療治が必要かな?
- |2012.09.18
- |Tue
- |08:53
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
怖いばかりではないリコちゃん。
でも、やっぱりまだちょっと納得してない感じでしょうか。
侑仁さん…!!
> 無自覚の侑仁くんには、何か荒療治が必要かな?
荒療治というより、お仕置きでしょうか(^_^;)
しっかりしろっ! と言ってやりたいですよね。
ところで、いつもながら、本当にありがとうございます!!
何でそんな見当違いのところに行っちゃうんだろう…。
さっそく確認します。
ご迷惑をお掛けしました。
コメントありがとうございました!
でも、やっぱりまだちょっと納得してない感じでしょうか。
侑仁さん…!!
> 無自覚の侑仁くんには、何か荒療治が必要かな?
荒療治というより、お仕置きでしょうか(^_^;)
しっかりしろっ! と言ってやりたいですよね。
ところで、いつもながら、本当にありがとうございます!!
何でそんな見当違いのところに行っちゃうんだろう…。
さっそく確認します。
ご迷惑をお掛けしました。
コメントありがとうございました!
- |2012.09.18
- |Tue
- |21:47
- |URL
- |EDIT|