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暴君王子のおっしゃることには! (124)
2012.09.02 Sun
「お前、あれか? 一伽がいるから、リコのこと断ったのか?」
「は? 航平、さっきから何言ってんの?」
「何て……お前こそ何とぼけてんだよ!」
「はぁ?」
今日の航平は、まったくもって意味が分からない。
何か遠回しに侑仁に伝えたいんだろうなぁ…ということは分かるんだけれど、遠回し過ぎて、全然伝わってこない。
「だからお前、一伽のこと好きなんだろ?」
「俺が? 何で? 酔い潰れたの、泊めたから?」
わざわざ航平がこんなふうに言ってくる『好き』の意味が、いわゆる『LIKE』ということでないのは、侑仁にも分かる。
しかし今のところ、航平と一伽のことでした話といえば、酔い潰れたのを泊めたことくらいで、それで航平がそう言うのなら、侑仁は四六時中、いろんな人に恋していなければならない。
「お前、アイツ以外で、男にそこまで優しくないだろ?」
「そんなことねぇよ」
「なら俺が潰れても、お前、自分ちに泊めて、面倒見るか?」
「えー? だって航平、俺よりずっと酒強いじゃん。航平が潰れるくらいなら、とっくの昔に俺が潰れてるよ!」
自分がそこまで泥酔していたら、相手が航平だろうが一伽だろうが、面倒を見るのは勘弁願いたい。
事実、大昔だが、航平のヤケ酒に付き合って飲んでいたら、侑仁のほうが先にダウンして、航平に介抱してもらったことがあるくらいなのに。
「でも前に海晴が潰れたとき、お前、床に放置してただろ! 一伽もそうだったか?」
「海晴は俺んちで飲んでたときでしょー? リビングで飲んでて潰れちゃったからそのままにしただけで、外で潰れたの連れて帰ってきたら、ベッドまで連れてくよ。リビングからベッドまでなん距離ないから、外から来たなら、ベッドまで行ったって手間なんか一緒じゃん。でしょ?」
「ま…まぁ…」
航平にしたら、結構鋭いことを言ったつもりでいたのに、あっさりと侑仁に返されて、つい納得させられてしまった。
確かに、酔っ払いの世話なんて面倒くさいから、帰ってきたらそのまま床に投げ出したくもなるが、リビングからベッドまでの距離なんて高が知れているから、そこまで来たのなら、ベッドまで連れて行ったって、そう変わらないか…。
「でもお前、その、海晴が潰れた一伽連れて来て泊めたとき、次の日、お前も仕事休んだんだろ? 一伽のために!」
「だって、アイツ寝てて全然起きねぇんだもん。いくら何でも、家空けるのに、寝てるの放置して置いてけないよ。信用してないわけじゃないけど、何かあったらヤダし」
「そりゃまぁ…」
確かに航平も、他人を家に残して仕事に行くのは、ちょっと気が引ける。
まぁ、侑仁くらい気心の知れた相手なら考えないでもないが……でもやっぱり嫌かも。
「けどお前、最初に一伽に会ったとき、襲い掛かられたとか言ってたじゃん。なのに、何でその後もそんなに面倒見がいいんだよ」
「その後って……それ、航平が一伽のこと、連れてくるだけ連れて来て、放置してった日のこと?」
「ぅ…、いや、それだけじゃなくて、あの、その後いろいろ…、結局一伽、しょっちゅうお前んちに行ってんだろ?」
航平が一伽をクラブに連れて行ったあの日のことは、航平にとって分が悪いから置いておいて、しかし侑仁は、一伽が家に押し掛けるなんて大変だと忠告したにもかかわらず、侑仁は嫌がりもせずに、一伽を家に招いているのだ。
最初の印象も、2度目の出会いでもいい思いはしていないはずなのに、どうして。
「何でそんなにしょっちゅう一伽を家に呼べんだよ」
「えー? 別に一伽だけじゃないよ? 俺、結構しょっちゅう、いろんな友だち家に呼んでるよ? 航平だって、よく俺んち来るじゃん」
「お…おぅ、そうだな…」
それは確かにそうだった。
こう見えて侑仁は意外と寂しがり屋というか、1人でいるのが好きでないから、友人たちを家に招くか、みんなと外に遊びに出掛けていることは多い(1人暮らしを始めたころは、寂しすぎて無理…と本気で言っていた男だ)。
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「は? 航平、さっきから何言ってんの?」
「何て……お前こそ何とぼけてんだよ!」
「はぁ?」
今日の航平は、まったくもって意味が分からない。
何か遠回しに侑仁に伝えたいんだろうなぁ…ということは分かるんだけれど、遠回し過ぎて、全然伝わってこない。
「だからお前、一伽のこと好きなんだろ?」
「俺が? 何で? 酔い潰れたの、泊めたから?」
わざわざ航平がこんなふうに言ってくる『好き』の意味が、いわゆる『LIKE』ということでないのは、侑仁にも分かる。
しかし今のところ、航平と一伽のことでした話といえば、酔い潰れたのを泊めたことくらいで、それで航平がそう言うのなら、侑仁は四六時中、いろんな人に恋していなければならない。
「お前、アイツ以外で、男にそこまで優しくないだろ?」
「そんなことねぇよ」
「なら俺が潰れても、お前、自分ちに泊めて、面倒見るか?」
「えー? だって航平、俺よりずっと酒強いじゃん。航平が潰れるくらいなら、とっくの昔に俺が潰れてるよ!」
自分がそこまで泥酔していたら、相手が航平だろうが一伽だろうが、面倒を見るのは勘弁願いたい。
事実、大昔だが、航平のヤケ酒に付き合って飲んでいたら、侑仁のほうが先にダウンして、航平に介抱してもらったことがあるくらいなのに。
「でも前に海晴が潰れたとき、お前、床に放置してただろ! 一伽もそうだったか?」
「海晴は俺んちで飲んでたときでしょー? リビングで飲んでて潰れちゃったからそのままにしただけで、外で潰れたの連れて帰ってきたら、ベッドまで連れてくよ。リビングからベッドまでなん距離ないから、外から来たなら、ベッドまで行ったって手間なんか一緒じゃん。でしょ?」
「ま…まぁ…」
航平にしたら、結構鋭いことを言ったつもりでいたのに、あっさりと侑仁に返されて、つい納得させられてしまった。
確かに、酔っ払いの世話なんて面倒くさいから、帰ってきたらそのまま床に投げ出したくもなるが、リビングからベッドまでの距離なんて高が知れているから、そこまで来たのなら、ベッドまで連れて行ったって、そう変わらないか…。
「でもお前、その、海晴が潰れた一伽連れて来て泊めたとき、次の日、お前も仕事休んだんだろ? 一伽のために!」
「だって、アイツ寝てて全然起きねぇんだもん。いくら何でも、家空けるのに、寝てるの放置して置いてけないよ。信用してないわけじゃないけど、何かあったらヤダし」
「そりゃまぁ…」
確かに航平も、他人を家に残して仕事に行くのは、ちょっと気が引ける。
まぁ、侑仁くらい気心の知れた相手なら考えないでもないが……でもやっぱり嫌かも。
「けどお前、最初に一伽に会ったとき、襲い掛かられたとか言ってたじゃん。なのに、何でその後もそんなに面倒見がいいんだよ」
「その後って……それ、航平が一伽のこと、連れてくるだけ連れて来て、放置してった日のこと?」
「ぅ…、いや、それだけじゃなくて、あの、その後いろいろ…、結局一伽、しょっちゅうお前んちに行ってんだろ?」
航平が一伽をクラブに連れて行ったあの日のことは、航平にとって分が悪いから置いておいて、しかし侑仁は、一伽が家に押し掛けるなんて大変だと忠告したにもかかわらず、侑仁は嫌がりもせずに、一伽を家に招いているのだ。
最初の印象も、2度目の出会いでもいい思いはしていないはずなのに、どうして。
「何でそんなにしょっちゅう一伽を家に呼べんだよ」
「えー? 別に一伽だけじゃないよ? 俺、結構しょっちゅう、いろんな友だち家に呼んでるよ? 航平だって、よく俺んち来るじゃん」
「お…おぅ、そうだな…」
それは確かにそうだった。
こう見えて侑仁は意外と寂しがり屋というか、1人でいるのが好きでないから、友人たちを家に招くか、みんなと外に遊びに出掛けていることは多い(1人暮らしを始めたころは、寂しすぎて無理…と本気で言っていた男だ)。
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