スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
暴君王子のおっしゃることには! (115)
2012.08.24 Fri
侑仁、バカだな。
リコは悪い子ではないかもしれないけれど、侑仁と一緒にいるときのような振る舞いを、誰の前でもしているわけではないのに。
…でも、エリーやニナはすごく悩んでいるけれど、何の魅力もない女の子なんていないから、リコにはリコのいいところがあって、侑仁はそこを好きになったに違いない。
リコのいいところは、侑仁だけが知っていればいいのだ。
(あーあ、これでホントにもう、侑仁の家に行けなくなっちゃうな…)
リコにあんなこと言われた後、侑仁の家には行けないと思っていたけれど、志信の家であんな目に遭った後、やっぱり侑仁のところがいいな、て思って、コッソリだったら大丈夫かな、とか考えたけれど、これで完全にダメになってしまった…。
「いっちゃーん。リコに侑仁取られたからって、そんなに落ち込まないでよー」
「いや、別に落ち込んでないから」
元気出して? と愛らしく微笑んでいるエリーはかわいい。
いつもだったら、こんなかわいい子と一緒にお酒飲んで、楽しくて仕方がないはずなのに、今日はどうしてか、全然そんな気分にならない。いや、楽しいことは楽しいんだけれど、心から楽しめない。
(あうー、何か、もよっとする…)
もやっと、ていうか……何かやっぱり、もよっとする感じ…。
何でだろう。こんなおしゃれなお店、性に合わないのかな。
「おい、寝るなー、一伽ー」
…海晴の声が、遠くに聞こえる。
海晴てば、飲み過ぎるなとか、侑仁みたいなこと言うの。
「でも、こないだcarazeでもリコ、めっちゃ必死だったもんね。これで報われたの?」
「さぁ。でも少なくてもこれでウチラ、いちいち突っ掛られないでしょ、リコに」
「お前ら、何かしょっちゅうリコに絡まれてたよな」
肘掛けに体を預けたまま目を閉じていると、3人の会話が聞こえてくる。
「絡まれなくなるのはいいけど、リコが侑仁と付き合うのは、何かムカつくー」
「何でだよ。エリーてそんなにリコのこと嫌いだっけ?」
「嫌いじゃないけど、リコが侑仁と付き合うのはムカつくのー。だってエリー、リコから結構ヒドイこととか言われたのよ。なのにいちいち、侑仁に告ったとかメール来るし」
大人しめのエリーにしては珍しく、リコに対してはいろいろと不満があるようだ。
エリーがリコに何を言われたか知らないが、初対面の一伽に対しても、あれだけ言ってくるリコだ。接触の機会の多いエリーは、きっといろいろあったに違いない。
一伽から見ても、リコとエリーの性格が合うとは思えないし。
「エリー、侑仁は絶対リコよりいっちゃんのほうがいいと思うー」
「まだンなこと言ってんのかよ」
「エリーはずっと、侑仁といっちゃんのこと押してるよね?」
「だってニナもそう思うでしょ?」
先ほど一伽の言葉に納得されたふうのエリーだったが、意外と信念は強かったようで、再びそう主張し始めた。
エリーにしたら、侑仁がリコと付き合うのはムカつくけれど、一伽だったらオッケーらしい。
…ていうか、一伽が寝てると思って、勝手なこと言って。
何回も言っているけれど、別に一伽は侑仁とは何もないし、好きとかじゃないし、いや嫌いなわけじゃないけど、そういうんじゃなくて…。
「でも一伽は、めっちゃ女の子大好き~! て感じじゃん? 侑仁だって、男が好きとか聞いたことねぇし」
そうそう海晴、いいこと言う……と一伽は夢うつつに思う。
一伽は女の子が好きなの。だから侑仁のことは嫌いじゃないけれど、特別にそういうふうに好きになんかならないの。侑仁だってそうなら、なおさら。
「でも、にもかかわらず! みたいなトコはあるでしょ?」
「あ?」
「女の子は好きだけど、侑仁だけは別、みたいな。侑仁だってそうでしょー? 酔い潰れても、海晴は床に放置だけど、いっちゃんならちゃんとお家に連れて帰るもん」
back next
リコは悪い子ではないかもしれないけれど、侑仁と一緒にいるときのような振る舞いを、誰の前でもしているわけではないのに。
…でも、エリーやニナはすごく悩んでいるけれど、何の魅力もない女の子なんていないから、リコにはリコのいいところがあって、侑仁はそこを好きになったに違いない。
リコのいいところは、侑仁だけが知っていればいいのだ。
(あーあ、これでホントにもう、侑仁の家に行けなくなっちゃうな…)
リコにあんなこと言われた後、侑仁の家には行けないと思っていたけれど、志信の家であんな目に遭った後、やっぱり侑仁のところがいいな、て思って、コッソリだったら大丈夫かな、とか考えたけれど、これで完全にダメになってしまった…。
「いっちゃーん。リコに侑仁取られたからって、そんなに落ち込まないでよー」
「いや、別に落ち込んでないから」
元気出して? と愛らしく微笑んでいるエリーはかわいい。
いつもだったら、こんなかわいい子と一緒にお酒飲んで、楽しくて仕方がないはずなのに、今日はどうしてか、全然そんな気分にならない。いや、楽しいことは楽しいんだけれど、心から楽しめない。
(あうー、何か、もよっとする…)
もやっと、ていうか……何かやっぱり、もよっとする感じ…。
何でだろう。こんなおしゃれなお店、性に合わないのかな。
「おい、寝るなー、一伽ー」
…海晴の声が、遠くに聞こえる。
海晴てば、飲み過ぎるなとか、侑仁みたいなこと言うの。
「でも、こないだcarazeでもリコ、めっちゃ必死だったもんね。これで報われたの?」
「さぁ。でも少なくてもこれでウチラ、いちいち突っ掛られないでしょ、リコに」
「お前ら、何かしょっちゅうリコに絡まれてたよな」
肘掛けに体を預けたまま目を閉じていると、3人の会話が聞こえてくる。
「絡まれなくなるのはいいけど、リコが侑仁と付き合うのは、何かムカつくー」
「何でだよ。エリーてそんなにリコのこと嫌いだっけ?」
「嫌いじゃないけど、リコが侑仁と付き合うのはムカつくのー。だってエリー、リコから結構ヒドイこととか言われたのよ。なのにいちいち、侑仁に告ったとかメール来るし」
大人しめのエリーにしては珍しく、リコに対してはいろいろと不満があるようだ。
エリーがリコに何を言われたか知らないが、初対面の一伽に対しても、あれだけ言ってくるリコだ。接触の機会の多いエリーは、きっといろいろあったに違いない。
一伽から見ても、リコとエリーの性格が合うとは思えないし。
「エリー、侑仁は絶対リコよりいっちゃんのほうがいいと思うー」
「まだンなこと言ってんのかよ」
「エリーはずっと、侑仁といっちゃんのこと押してるよね?」
「だってニナもそう思うでしょ?」
先ほど一伽の言葉に納得されたふうのエリーだったが、意外と信念は強かったようで、再びそう主張し始めた。
エリーにしたら、侑仁がリコと付き合うのはムカつくけれど、一伽だったらオッケーらしい。
…ていうか、一伽が寝てると思って、勝手なこと言って。
何回も言っているけれど、別に一伽は侑仁とは何もないし、好きとかじゃないし、いや嫌いなわけじゃないけど、そういうんじゃなくて…。
「でも一伽は、めっちゃ女の子大好き~! て感じじゃん? 侑仁だって、男が好きとか聞いたことねぇし」
そうそう海晴、いいこと言う……と一伽は夢うつつに思う。
一伽は女の子が好きなの。だから侑仁のことは嫌いじゃないけれど、特別にそういうふうに好きになんかならないの。侑仁だってそうなら、なおさら。
「でも、にもかかわらず! みたいなトコはあるでしょ?」
「あ?」
「女の子は好きだけど、侑仁だけは別、みたいな。侑仁だってそうでしょー? 酔い潰れても、海晴は床に放置だけど、いっちゃんならちゃんとお家に連れて帰るもん」
back next
- 関連記事
-
- 暴君王子のおっしゃることには! (116) (2012/08/25)
- 暴君王子のおっしゃることには! (115) (2012/08/24)
- 暴君王子のおっしゃることには! (114) (2012/08/23)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:暴君王子のおっしゃることには!
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
ちよ ⇒ いっちゃん、絶賛・もよっと中…
たくさん悩んで早くもよっとが解消されるといいね。
きっと自分の気持ちに気付いたら靄が晴れてスッキリすると思うよ。
あ、いっちゃんの今の場合は、もよが晴れる…?
きっと自分の気持ちに気付いたら靄が晴れてスッキリすると思うよ。
あ、いっちゃんの今の場合は、もよが晴れる…?
- |2012.08.24
- |Fri
- |08:34
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
いっぱい悩んで、おっきくなるのです(`´)
でもいっちゃんの場合、自分の気持ちに気付いたら気付いたで、女の子じゃないのに何で~!? とさらにグルグルしそうな気もしますが…(^_^;)
果たしていっちゃんの「もよ」が晴れる日は来るんでしょうか…!?
それと、いつものことながら、いろいろと気付いてくださって、ありがとうございます!
自分でも書いているとき、頭に思い浮かべている人と違う名前を打ったりと、指先にまで神経が行き渡っていない毎日です…涙
コメントありがとうございました!
でもいっちゃんの場合、自分の気持ちに気付いたら気付いたで、女の子じゃないのに何で~!? とさらにグルグルしそうな気もしますが…(^_^;)
果たしていっちゃんの「もよ」が晴れる日は来るんでしょうか…!?
それと、いつものことながら、いろいろと気付いてくださって、ありがとうございます!
自分でも書いているとき、頭に思い浮かべている人と違う名前を打ったりと、指先にまで神経が行き渡っていない毎日です…涙
コメントありがとうございました!
- |2012.08.24
- |Fri
- |21:42
- |URL
- |EDIT|