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暴君王子のおっしゃることには! (61)
2012.07.01 Sun
「…お前、一伽に、いざというとき血吸わせてくれ、て言われて、そんなことするメリットがないとか言っただろ?」
「あぁうん、言ったかも。え、何で航平が知ってんの?」
「一伽がみんな喋るから! アイツ、一応お前のその話には納得してて、だったら、何か尽くさないと、て思ったみたいで」
「え、俺に? 一伽が俺に尽くすの?」
侑仁の中の一伽のイメージからして、一伽が人に尽くしている姿なんて、まったく想像が付かないのだが…。
でも侑仁にしても、本気で一伽に血を吸わせる見返りを求めていたわけではなくて、どちらかというと、血を吸われたくないからそう言ったようなものなのだが。
「でも絶対に何も出来ないじゃん? だから俺らも一応気ぃ遣って、いろいろ諦めさそうとしたんだけど、全然言うこと聞かないし、そんで、尽くすにしても、お前に彼女いるなら、やっぱりあんま行かないほうがいいだろ、てなって」
そこまで説明されて、ようやく侑仁は、一伽から来た2通のメールの意味を理解した。
というか、ここまで説明されなければ分からないことを、たったあれだけのメールで済まそうとされても…。
「つかアイツ、そんなに俺んち来たいの?」
確かに一伽は侑仁の家をかなり気に入っている様子だったが、そうまでして来たがるほどのことだろうか。
一伽は女の子が大好きなんだし、そんな無理に尽くそうとしてまで侑仁の家に来なくたって、血を飲ませてくれるかわいい女の子の家にでも行ったほうがいいような気もするのだが。
「お前んちに行けば、クーラーのある涼しい部屋で、何もせずただ寛げる」
「はい~?」
以前、航平が一伽から聞いた、侑仁の家に行きたい理由を話してやれば、やはり侑仁も呆れたように声を上げる。
当たり前だ。
「え、でもそれ、どうしても俺んちじゃないとダメなの? 別に誰んちでもよくね? それこそ女の子の家でもさ」
「それは俺もそう思う。でも一伽が言うには、女の子の家に行ったら、絶対にヤッちまうから、ダメなんだって。何もしないで寛ぎたいから」
「いや、そんなのアイツの気持ちの問題じゃん。しかも、何もしないで寛ぐなら、全然尽くす気ねぇし」
航平がすべてを白状すれば、侑仁は尤もなことを主張する。
さすがにここまで話を聞いて、侑仁も素直に、彼女はいないなんてメールを返信しはしないだろう。となると、そのとばっちりは、やはり航平が食うのか…。
「つかさ、アイツって結局、涼みたいの? それとも血が飲みたいの? どっちなの? どっちもなの?」
「あぁ?」
航平が暗い気持ちに陥りつつあったら、しかし侑仁は、航平が思っていたほどの反応を返してこない。
もっとこう…ふざけんなよ! みたいな感じで来ると思っていたのに。
「どっちて…、お前の血はいざってときなんだから、涼みたいだけなんじゃね?」
飽く迄も一伽が吸血したいのは女の子の血だから、侑仁の家に寛ぎに行って、毎回血までごちそうになろうとは思っていない様子だった。
というか、話を聞いていくうち、むしろ涼みたい気持ちのほうが強い気さえした。
「ふぅん。涼みたいだけなら、別にいっか、来ても」
「えぇっ!?」
航平の話を聞いて侑仁が結論を出すと、航平は腰を抜かさんばかりに仰天した。
侑仁は逆に、航平のその様子に驚いてしまう。
「何航平、どうしたの」
「おま…一伽が家に来てもいいの? 嘘だろ。嫌だろ?」
「いや、そんなに積極的に来てほしいとは思わないけど、血を吸われるんじゃないなら、別に来たって構わないよ?」
「マジか…!」
侑仁としては、それは素直な気持ちだったのだが、航平を驚愕させるには十分すぎたようで、彼は今日一番の驚いた顔をして固まった。
「航平、すごい顔してるね。そんなにビックリするほどのこと?」
「そりゃビックリするだろ! お前、アイツが家に来るんだぞ!? それ嫌じゃない、て何だよ!」
キョトンとする侑仁に、航平は興奮気味に捲し立ててくる。そんな本気で全力拒否する航平が何だかおかしく思えてきて、侑仁は思わず笑ってしまった。
侑仁だって、特別一伽に来てほしいわけではないけれど、航平もそこまで拒まなくても…。
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「あぁうん、言ったかも。え、何で航平が知ってんの?」
「一伽がみんな喋るから! アイツ、一応お前のその話には納得してて、だったら、何か尽くさないと、て思ったみたいで」
「え、俺に? 一伽が俺に尽くすの?」
侑仁の中の一伽のイメージからして、一伽が人に尽くしている姿なんて、まったく想像が付かないのだが…。
でも侑仁にしても、本気で一伽に血を吸わせる見返りを求めていたわけではなくて、どちらかというと、血を吸われたくないからそう言ったようなものなのだが。
「でも絶対に何も出来ないじゃん? だから俺らも一応気ぃ遣って、いろいろ諦めさそうとしたんだけど、全然言うこと聞かないし、そんで、尽くすにしても、お前に彼女いるなら、やっぱりあんま行かないほうがいいだろ、てなって」
そこまで説明されて、ようやく侑仁は、一伽から来た2通のメールの意味を理解した。
というか、ここまで説明されなければ分からないことを、たったあれだけのメールで済まそうとされても…。
「つかアイツ、そんなに俺んち来たいの?」
確かに一伽は侑仁の家をかなり気に入っている様子だったが、そうまでして来たがるほどのことだろうか。
一伽は女の子が大好きなんだし、そんな無理に尽くそうとしてまで侑仁の家に来なくたって、血を飲ませてくれるかわいい女の子の家にでも行ったほうがいいような気もするのだが。
「お前んちに行けば、クーラーのある涼しい部屋で、何もせずただ寛げる」
「はい~?」
以前、航平が一伽から聞いた、侑仁の家に行きたい理由を話してやれば、やはり侑仁も呆れたように声を上げる。
当たり前だ。
「え、でもそれ、どうしても俺んちじゃないとダメなの? 別に誰んちでもよくね? それこそ女の子の家でもさ」
「それは俺もそう思う。でも一伽が言うには、女の子の家に行ったら、絶対にヤッちまうから、ダメなんだって。何もしないで寛ぎたいから」
「いや、そんなのアイツの気持ちの問題じゃん。しかも、何もしないで寛ぐなら、全然尽くす気ねぇし」
航平がすべてを白状すれば、侑仁は尤もなことを主張する。
さすがにここまで話を聞いて、侑仁も素直に、彼女はいないなんてメールを返信しはしないだろう。となると、そのとばっちりは、やはり航平が食うのか…。
「つかさ、アイツって結局、涼みたいの? それとも血が飲みたいの? どっちなの? どっちもなの?」
「あぁ?」
航平が暗い気持ちに陥りつつあったら、しかし侑仁は、航平が思っていたほどの反応を返してこない。
もっとこう…ふざけんなよ! みたいな感じで来ると思っていたのに。
「どっちて…、お前の血はいざってときなんだから、涼みたいだけなんじゃね?」
飽く迄も一伽が吸血したいのは女の子の血だから、侑仁の家に寛ぎに行って、毎回血までごちそうになろうとは思っていない様子だった。
というか、話を聞いていくうち、むしろ涼みたい気持ちのほうが強い気さえした。
「ふぅん。涼みたいだけなら、別にいっか、来ても」
「えぇっ!?」
航平の話を聞いて侑仁が結論を出すと、航平は腰を抜かさんばかりに仰天した。
侑仁は逆に、航平のその様子に驚いてしまう。
「何航平、どうしたの」
「おま…一伽が家に来てもいいの? 嘘だろ。嫌だろ?」
「いや、そんなに積極的に来てほしいとは思わないけど、血を吸われるんじゃないなら、別に来たって構わないよ?」
「マジか…!」
侑仁としては、それは素直な気持ちだったのだが、航平を驚愕させるには十分すぎたようで、彼は今日一番の驚いた顔をして固まった。
「航平、すごい顔してるね。そんなにビックリするほどのこと?」
「そりゃビックリするだろ! お前、アイツが家に来るんだぞ!? それ嫌じゃない、て何だよ!」
キョトンとする侑仁に、航平は興奮気味に捲し立ててくる。そんな本気で全力拒否する航平が何だかおかしく思えてきて、侑仁は思わず笑ってしまった。
侑仁だって、特別一伽に来てほしいわけではないけれど、航平もそこまで拒まなくても…。
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COMMENT-FORM
けいったん ⇒
Σ(゚Д゚ノ)ノ おおぉぉぉぉ~!
いっちゃんが、家に来るのを拒否らないの!?
あの噛み合わない会話に疲れないの!?
”しもべ”の如く扱き使われても構わないの!?
侑仁、君って 希少価値的な人だわ♪
神様、仏様、侑仁様~(・人・)チーン!...byebye☆
いっちゃんが、家に来るのを拒否らないの!?
あの噛み合わない会話に疲れないの!?
”しもべ”の如く扱き使われても構わないの!?
侑仁、君って 希少価値的な人だわ♪
神様、仏様、侑仁様~(・人・)チーン!...byebye☆
- |2012.07.01
- |Sun
- |15:43
- |URL
- |EDIT|
ちよ ⇒ いっちゃんを…
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
や、びっくりさせるとは思ってたんですが。
けいったんさんのこと、大変驚かせてしまったようで…。
> いっちゃんが、家に来るのを拒否らないの!?
> あの噛み合わない会話に疲れないの!?
> ”しもべ”の如く扱き使われても構わないの!?
段々言うことが…(笑)
侑仁さん自身、自分がしもべのごとく扱われてるとは思ってないみたいですよ。
家に1人でなのは寂しいし、来たいなら来れば? てスタンスです。
> 神様、仏様、侑仁様~(・人・)チーン!...byebye☆
いっちゃんが、↑このくらい思ってくれてたらいいんですけどね…(^_^;)
コメントありがとうございました!
けいったんさんのこと、大変驚かせてしまったようで…。
> いっちゃんが、家に来るのを拒否らないの!?
> あの噛み合わない会話に疲れないの!?
> ”しもべ”の如く扱き使われても構わないの!?
段々言うことが…(笑)
侑仁さん自身、自分がしもべのごとく扱われてるとは思ってないみたいですよ。
家に1人でなのは寂しいし、来たいなら来れば? てスタンスです。
> 神様、仏様、侑仁様~(・人・)チーン!...byebye☆
いっちゃんが、↑このくらい思ってくれてたらいいんですけどね…(^_^;)
コメントありがとうございました!
- |2012.07.01
- |Sun
- |19:25
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
とりあえず血さえ吸われなければ、てことですが。
侑仁さん、まだまだいっちゃんのこと、侮ってますよね~(笑)
手ぶらで来て涼むだけ涼んでいくのも何だけど、尽くされたら尽くされたで、絶対に逆にひどい目に遭うのは目に見えているので、やっぱり来ないのが一番でしょうか…(^_^;)
コメントありがとうございました!
侑仁さん、まだまだいっちゃんのこと、侮ってますよね~(笑)
手ぶらで来て涼むだけ涼んでいくのも何だけど、尽くされたら尽くされたで、絶対に逆にひどい目に遭うのは目に見えているので、やっぱり来ないのが一番でしょうか…(^_^;)
コメントありがとうございました!
- |2012.07.01
- |Sun
- |19:37
- |URL
- |EDIT|