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暴君王子のおっしゃることには! (41)
2012.06.11 Mon
一伽 と 航平
「ねぇ航平くん、侑仁の連絡先教えてー」
「あぁん?」
閉店後の店内、相変わらずダラダラと掃除をしていた一伽が、思い出したように航平に声を掛けた。
ちょうど、『ちゃんと掃除しろ!』と一伽を蹴っ飛ばそうとしていた航平は、不意打ちを食らってバランスを崩し、面倒くさそうに、そして嫌そうに聞き返した。
「だからー、侑仁の連絡先教えてよ」
「…………、…はぁっ?」
もう1度、航平は聞き返した。
不機嫌そうとかでなく、分かっていてわざととかでなく、もちろん聞こえなかったからでもなく、本気で意味が分からなかったから。
「何航平くん、俺の話聞く気あんの?」
さすがに2回も聞き返されて、一伽はちょっと気を悪くしたように、唇を尖らせた。
「いや、聞いてたけど…、は? 侑仁の連絡先? 何急に。侑仁て、あの侑仁だよな?」
「その侑仁じゃなかったら、航平くんに連絡先なんか聞くと思う?」
そう言われてもまだ、航平は変な顔をしている。
雪乃に言われて、お世話になったお礼を侑仁に言うため、航平に侑仁の連絡先を聞こうとしただけなのに、何なの、この反応。
「いや…だってお前が自分から男の連絡先を聞きたがるなんて、そんなのあり得ねぇじゃん!」
「…………。航平くん、俺のこと何だと思ってんの?」
人聞きの悪い…と一伽は憤慨しているが、どちらかというと、航平の言い分のほうが間違いではない。
男が嫌いなのではなく、単純に女の子が好きだから、世の中の男があまり目に入っていない一伽の携帯電話には、航平や志信といった仕事上での繋がりがある人間や、光宏などのごく一部の男しか、連絡先なんて入っていないのだ。
「昨日、侑仁から服借りたから、返そうと思って。航平くんにお願いしようと思ったんだけど、ユキちゃんが、ちゃんとお礼言ったほうがいいよ、て言うから」
「侑仁から服?」
事実のままを話せば、航平はさらに不可解そうな顔をしたが、一伽は、続きを話すのを少し躊躇った。
だって、どうして侑仁から服を借りたのかを話そうとすれば、クラブでの(一伽が覚えていなかった)いろいろなことを話さなければならなくなるからだ。
このことが航平にバレたら、次からクラブに(ましてや奢りで)連れて行ってもらえなくなる!
「まぁいいじゃん! 俺は侑仁に服返したいの! 連絡先教えてよ!」
服は航平に返してもらおうと思ったけれど、いろいろ詮索されそうなので、自分で返しに行く。
そうだとしても、侑仁への礼はまぁいいとしても、でもちゃんと侑仁に口止めしておかないと…と思ったら、やっぱり連絡先は聞いておかなければ。
「まぁいいけど…」
航平はまだ少し訝しみながらも、携帯電話の赤外線機能で侑仁のメールアドレスと電話番号を送ってくれた。
「つか侑仁てさー、マジでリーマンなの? 俺、実はまだ信じてないんだけど」
「何で信じねぇんだよ」
受信した侑仁の連絡先がアドレス帳に登録されているか確認しながら、一伽は、侑仁のことを話題に上らせてみる。
別に侑仁のことをそれほど知りたいというわけではないが、やっぱり侑仁がサラリーマンだということだけは信じられないので。
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「ねぇ航平くん、侑仁の連絡先教えてー」
「あぁん?」
閉店後の店内、相変わらずダラダラと掃除をしていた一伽が、思い出したように航平に声を掛けた。
ちょうど、『ちゃんと掃除しろ!』と一伽を蹴っ飛ばそうとしていた航平は、不意打ちを食らってバランスを崩し、面倒くさそうに、そして嫌そうに聞き返した。
「だからー、侑仁の連絡先教えてよ」
「…………、…はぁっ?」
もう1度、航平は聞き返した。
不機嫌そうとかでなく、分かっていてわざととかでなく、もちろん聞こえなかったからでもなく、本気で意味が分からなかったから。
「何航平くん、俺の話聞く気あんの?」
さすがに2回も聞き返されて、一伽はちょっと気を悪くしたように、唇を尖らせた。
「いや、聞いてたけど…、は? 侑仁の連絡先? 何急に。侑仁て、あの侑仁だよな?」
「その侑仁じゃなかったら、航平くんに連絡先なんか聞くと思う?」
そう言われてもまだ、航平は変な顔をしている。
雪乃に言われて、お世話になったお礼を侑仁に言うため、航平に侑仁の連絡先を聞こうとしただけなのに、何なの、この反応。
「いや…だってお前が自分から男の連絡先を聞きたがるなんて、そんなのあり得ねぇじゃん!」
「…………。航平くん、俺のこと何だと思ってんの?」
人聞きの悪い…と一伽は憤慨しているが、どちらかというと、航平の言い分のほうが間違いではない。
男が嫌いなのではなく、単純に女の子が好きだから、世の中の男があまり目に入っていない一伽の携帯電話には、航平や志信といった仕事上での繋がりがある人間や、光宏などのごく一部の男しか、連絡先なんて入っていないのだ。
「昨日、侑仁から服借りたから、返そうと思って。航平くんにお願いしようと思ったんだけど、ユキちゃんが、ちゃんとお礼言ったほうがいいよ、て言うから」
「侑仁から服?」
事実のままを話せば、航平はさらに不可解そうな顔をしたが、一伽は、続きを話すのを少し躊躇った。
だって、どうして侑仁から服を借りたのかを話そうとすれば、クラブでの(一伽が覚えていなかった)いろいろなことを話さなければならなくなるからだ。
このことが航平にバレたら、次からクラブに(ましてや奢りで)連れて行ってもらえなくなる!
「まぁいいじゃん! 俺は侑仁に服返したいの! 連絡先教えてよ!」
服は航平に返してもらおうと思ったけれど、いろいろ詮索されそうなので、自分で返しに行く。
そうだとしても、侑仁への礼はまぁいいとしても、でもちゃんと侑仁に口止めしておかないと…と思ったら、やっぱり連絡先は聞いておかなければ。
「まぁいいけど…」
航平はまだ少し訝しみながらも、携帯電話の赤外線機能で侑仁のメールアドレスと電話番号を送ってくれた。
「つか侑仁てさー、マジでリーマンなの? 俺、実はまだ信じてないんだけど」
「何で信じねぇんだよ」
受信した侑仁の連絡先がアドレス帳に登録されているか確認しながら、一伽は、侑仁のことを話題に上らせてみる。
別に侑仁のことをそれほど知りたいというわけではないが、やっぱり侑仁がサラリーマンだということだけは信じられないので。
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