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暴君王子のおっしゃることには! (37)
2012.06.07 Thu
(つか…光宏が本気で気の毒になって来た…)
何度も言うが、雪乃が好きなのは、スーパーのイケメン店員だ。
光宏に尽くしているように見えるけれど、雪乃の好きな相手は光宏でなくて、スーパーの店員さん。
しかし、気の毒な光宏は、そんな雪乃に惚れ込んでいるのである。
つまり光宏は毎晩、好きになった相手が家にやって来て、おいしいて言われたい! とがんばって作った料理を食べている一方で、雪乃の気持ちが自分にはないことを、毎回自覚させられているのだ。
それって一体、何の苦行だろう。
「光宏ってドMだな」
どうせ雪乃のことだから、光宏の気持なんか知る由もなく、イケメン店員に会えた嬉しさを延々と光宏に語っているに違いない。
完全にドMでなければ、こんな状況、耐えられないと思う。
「ぅ? いっちゃん、何か言った?」
今度はこれ作ろう! とクックブックを広げていた雪乃が顔を上げた。
一伽がチラッと見た限りでは、光宏の好きそうな料理だ。
「…ユキちゃんは、鈍感なうえに能天気だね、て言った」
「ちょっ、何それ!」
ひどい言われように、雪乃はキャンキャン喚くが、一伽は相手にしない。
雪乃と光宏、両方の気持ちを知っているけれど、どちらの肩を持つ気もないし、どちらかの味方になろうとも思っていない一伽は、鈍感な雪乃に、それ以上のことは言わないのだ。
(ホント…光宏、かわいそ)
光宏のことをかわいそうだと思いつつ、救いの手を差し伸べるでもなく、どちらかというと、その状況にウキウキしている一伽は、生粋のドSだろう。
誰も口に出しては言えないが。
雪乃 と 光宏
(今日の俺は、世界で一番ツイてるーーーーー!!!!!)
まったく大げさなことを思いながら、雪乃は買い物袋をブンブン振り回しながら、光宏の家へと急いでいた。
一目惚れした店員さんに会いたいがために、雪乃が足繁く通い詰めている、光宏の家の近所のスーパー。
出来ることなら毎日でも行きたいけれど、そうすると、光宏にも一伽にも、ストーカー臭いからやめろと言われるので、週に3日までと決めている。
通い始めて4回目の買い物で、運よく彼のレジの列に並ぶことが出来たので、ここぞとばかりに彼を眺め、声を聞き、名札から『山下』という名前を知った。
いつもは、その山下さんを眺められるだけでハッピー、彼のレジの列に並べたらMAX幸せなのだが、今日は何と、その彼と話をすることが出来たのである。
雪乃がバカみたいに浮かれるのも無理はない。
ちなみに話をしたと言っても、何か仲良くなれるような会話をしたわけではなく、光宏から頼まれたココアがどこにあるか分からず雪乃がオロオロしていたら、山下さんが声を掛けてくれたのだ。
それは店の従業員としてごく当たり前の行動だし、雪乃も自分だけが特別ではないことは十分に分かっているのだが、それでもこの喜びは何物にも代えがたい。
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何度も言うが、雪乃が好きなのは、スーパーのイケメン店員だ。
光宏に尽くしているように見えるけれど、雪乃の好きな相手は光宏でなくて、スーパーの店員さん。
しかし、気の毒な光宏は、そんな雪乃に惚れ込んでいるのである。
つまり光宏は毎晩、好きになった相手が家にやって来て、おいしいて言われたい! とがんばって作った料理を食べている一方で、雪乃の気持ちが自分にはないことを、毎回自覚させられているのだ。
それって一体、何の苦行だろう。
「光宏ってドMだな」
どうせ雪乃のことだから、光宏の気持なんか知る由もなく、イケメン店員に会えた嬉しさを延々と光宏に語っているに違いない。
完全にドMでなければ、こんな状況、耐えられないと思う。
「ぅ? いっちゃん、何か言った?」
今度はこれ作ろう! とクックブックを広げていた雪乃が顔を上げた。
一伽がチラッと見た限りでは、光宏の好きそうな料理だ。
「…ユキちゃんは、鈍感なうえに能天気だね、て言った」
「ちょっ、何それ!」
ひどい言われように、雪乃はキャンキャン喚くが、一伽は相手にしない。
雪乃と光宏、両方の気持ちを知っているけれど、どちらの肩を持つ気もないし、どちらかの味方になろうとも思っていない一伽は、鈍感な雪乃に、それ以上のことは言わないのだ。
(ホント…光宏、かわいそ)
光宏のことをかわいそうだと思いつつ、救いの手を差し伸べるでもなく、どちらかというと、その状況にウキウキしている一伽は、生粋のドSだろう。
誰も口に出しては言えないが。
雪乃 と 光宏
(今日の俺は、世界で一番ツイてるーーーーー!!!!!)
まったく大げさなことを思いながら、雪乃は買い物袋をブンブン振り回しながら、光宏の家へと急いでいた。
一目惚れした店員さんに会いたいがために、雪乃が足繁く通い詰めている、光宏の家の近所のスーパー。
出来ることなら毎日でも行きたいけれど、そうすると、光宏にも一伽にも、ストーカー臭いからやめろと言われるので、週に3日までと決めている。
通い始めて4回目の買い物で、運よく彼のレジの列に並ぶことが出来たので、ここぞとばかりに彼を眺め、声を聞き、名札から『山下』という名前を知った。
いつもは、その山下さんを眺められるだけでハッピー、彼のレジの列に並べたらMAX幸せなのだが、今日は何と、その彼と話をすることが出来たのである。
雪乃がバカみたいに浮かれるのも無理はない。
ちなみに話をしたと言っても、何か仲良くなれるような会話をしたわけではなく、光宏から頼まれたココアがどこにあるか分からず雪乃がオロオロしていたら、山下さんが声を掛けてくれたのだ。
それは店の従業員としてごく当たり前の行動だし、雪乃も自分だけが特別ではないことは十分に分かっているのだが、それでもこの喜びは何物にも代えがたい。
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