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暴君王子のおっしゃることには! (35)
2012.06.05 Tue
「ユキちゃんは、俺と一緒に住んでる吸血鬼なんだけど、あの子ちょっとバカだから、知らない人の血なんか吸えない! とか言って、いっつも腹ペコでさぁ。しょうがないから、時々俺の血吸わせてあげてんの」
「は? マジで? 吸血鬼なのに?」
「吸血鬼なのに。ユキちゃん、俺以外にも血を吸わせてくれる人間が何人かいるみたいなんだけど、それでも、週に1, 2回は吸わせてやってたかな?」
一伽みたいにナンパ上手で、キープの女の子がいっぱいいるのも何だけれど、そのユキちゃんはユキちゃんで、随分と鈍くさそうな感じ…。
吸血鬼て、こんなに極端な連中ばっかなの?
「血吸われた後ってすっげぇ腹減るから、今まで結構飲んでたんだけど、最近ユキちゃんに血を吸わせなくてもよくなってさぁ、だから俺も、そんなに飲まなくても平気かな、て思ってたんだけど…」
意外とダメだった……と、一伽はテーブルに突っ伏した。
しかも、『グゥ~~~~』と派手な音を立てたのは、間違いなく一伽の腹だろう。
「え…おい、マジかよ。今からでも遅くないから、キープの子に連絡して、血吸わせてもらえよっ」
いくら一伽でも、腹の音までコントロールは出来ないだろうから、本当に腹が減っているのだろう。最初は冗談のように言っていただけだったのが、本格的に空腹に近づいてきたのかもしれない。
こんなところでぶっ倒れて、この間のように吸血されたら堪らない…と、侑仁は慌てて提案する。
「…お前、バカ?」
しかし一伽は、突っ伏した状態から少しだけ顔を上げて、侑仁を睨んだ
体勢的に、ただの上目遣いにしかなっていなくて、全然怖くないけれど、『バカ』とか言われれば、腹は立つわけで。
「何でだよ」
「ここお前んちなのに、どうやって来てもらうんだよ。どっかで会うつったって、この格好でどうすんだって…。外出る格好じゃねぇし。つか、キープて言うな」
一伽はのっそりと体を起こした。
もしかして、この間のようにぶっ倒れる寸前なのだろうか。
「侑仁…、血吸うのが無理なら、服貸してよ。ちゃんとしたの。外出れるヤツ」
「え、吸いに行くの?」
「行くよっ、腹減ってんだからっ」
「逆ギレすんなよ、何か俺がすげぇ悪いヤツみてぇじゃん」
「別に侑仁が悪いとか言ってないじゃん。いーから服っ!」
声を荒げる一伽に急かされて、侑仁は急いで服を取りに行った。
一伽には悪いけど、侑仁だって血を吸われたくないから、一伽にどうにか出来る力があるのなら、自分でどうにかしてもらいたいのが正直な気持ちだ。
服まで貸すつもりはなかったが、血を吸われることを思ったら、そのほうがまだマシだ…と、侑仁は一伽に服を渡せば、今ばかりは一伽も、裾が長いと文句を言うこともなく、出て行った。
一伽 と 雪乃
一伽が連絡なしに一晩くらい帰って来ないことは今までにもあったから、雪乃はそんなに気に留めていなかったのだが、帰って来た一伽が、明らかに自分の好みでなく、サイズも微妙に合っていない服を着ていたので、寝起きの一伽に尋ねたら、事の次第を聞かされた。
「ふぅん? それでいっちゃん、その侑仁て人から服借りたまま、返しに行くの忘れたの?」
「忘れた、ていうか……何かもう眠くて…」
どうあっても侑仁は血を吸わせてくれそうもないし、腹は空いているしで、無理やり侑仁から洋服を借りた一伽は、急いでご飯をしに行ったのだが、血を吸い終わった後は、睡魔に負けてしまったのだ。
早く寝たい…とコウモリ姿で飛んでいたら、帰巣本能なのか、つい、自分の家に帰って来ていた。
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「は? マジで? 吸血鬼なのに?」
「吸血鬼なのに。ユキちゃん、俺以外にも血を吸わせてくれる人間が何人かいるみたいなんだけど、それでも、週に1, 2回は吸わせてやってたかな?」
一伽みたいにナンパ上手で、キープの女の子がいっぱいいるのも何だけれど、そのユキちゃんはユキちゃんで、随分と鈍くさそうな感じ…。
吸血鬼て、こんなに極端な連中ばっかなの?
「血吸われた後ってすっげぇ腹減るから、今まで結構飲んでたんだけど、最近ユキちゃんに血を吸わせなくてもよくなってさぁ、だから俺も、そんなに飲まなくても平気かな、て思ってたんだけど…」
意外とダメだった……と、一伽はテーブルに突っ伏した。
しかも、『グゥ~~~~』と派手な音を立てたのは、間違いなく一伽の腹だろう。
「え…おい、マジかよ。今からでも遅くないから、キープの子に連絡して、血吸わせてもらえよっ」
いくら一伽でも、腹の音までコントロールは出来ないだろうから、本当に腹が減っているのだろう。最初は冗談のように言っていただけだったのが、本格的に空腹に近づいてきたのかもしれない。
こんなところでぶっ倒れて、この間のように吸血されたら堪らない…と、侑仁は慌てて提案する。
「…お前、バカ?」
しかし一伽は、突っ伏した状態から少しだけ顔を上げて、侑仁を睨んだ
体勢的に、ただの上目遣いにしかなっていなくて、全然怖くないけれど、『バカ』とか言われれば、腹は立つわけで。
「何でだよ」
「ここお前んちなのに、どうやって来てもらうんだよ。どっかで会うつったって、この格好でどうすんだって…。外出る格好じゃねぇし。つか、キープて言うな」
一伽はのっそりと体を起こした。
もしかして、この間のようにぶっ倒れる寸前なのだろうか。
「侑仁…、血吸うのが無理なら、服貸してよ。ちゃんとしたの。外出れるヤツ」
「え、吸いに行くの?」
「行くよっ、腹減ってんだからっ」
「逆ギレすんなよ、何か俺がすげぇ悪いヤツみてぇじゃん」
「別に侑仁が悪いとか言ってないじゃん。いーから服っ!」
声を荒げる一伽に急かされて、侑仁は急いで服を取りに行った。
一伽には悪いけど、侑仁だって血を吸われたくないから、一伽にどうにか出来る力があるのなら、自分でどうにかしてもらいたいのが正直な気持ちだ。
服まで貸すつもりはなかったが、血を吸われることを思ったら、そのほうがまだマシだ…と、侑仁は一伽に服を渡せば、今ばかりは一伽も、裾が長いと文句を言うこともなく、出て行った。
一伽 と 雪乃
一伽が連絡なしに一晩くらい帰って来ないことは今までにもあったから、雪乃はそんなに気に留めていなかったのだが、帰って来た一伽が、明らかに自分の好みでなく、サイズも微妙に合っていない服を着ていたので、寝起きの一伽に尋ねたら、事の次第を聞かされた。
「ふぅん? それでいっちゃん、その侑仁て人から服借りたまま、返しに行くの忘れたの?」
「忘れた、ていうか……何かもう眠くて…」
どうあっても侑仁は血を吸わせてくれそうもないし、腹は空いているしで、無理やり侑仁から洋服を借りた一伽は、急いでご飯をしに行ったのだが、血を吸い終わった後は、睡魔に負けてしまったのだ。
早く寝たい…とコウモリ姿で飛んでいたら、帰巣本能なのか、つい、自分の家に帰って来ていた。
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