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3. 悪気は無いこと『だけ』は伝わってくるところ (3)
2012.03.13 Tue
「ッッッッ!!!!!」
ギャ~~~!! とか、ワァ~~~!! とか、絶叫マシンに付き物の悲鳴を上げることも出来ず、亮は固く目を瞑ったまま、ただ時が過ぎるのを待ち続けた。
途中、体がブワンと放り出されそうな感覚になったり、グルングルンと回転したり、でも亮は目を開けていないから、何が起こっているか分からない。
いや、分かりたくもない。
(は…早くっ…)
飛びそうになる意識の中、亮が心の中でがんばってお祈りした声が通じたのか、ガタン、と急にコースターの動きがゆっくりになった。
終わった? これで終わり? やっと解放された……と、ホッとした亮が目を開けた瞬間。
「ッ…!」
そこは最初にコースターに乗り込んだ場所ではなく、地上数十メートルの景色が広がっている。レールの先がない。いや、ないわけではなくて、ほぼ垂直に下に向かって伸びているから、視界に入らないだけだ。
そんな位置に、コースターが停車している。
な…何で? と亮が思ったのは、一瞬のことだった。
その答えを脳が導き出す前に、コースターはゆっくりと傾き、そしてそのレールに沿って、加速しながら滑り落ちて行ったのだ。
「※@☆%$*△&★¥!!!???」
一瞬ホッとした後だったから、余計にヤバかった。目も開けていたし。
亮は、言葉にならない悲鳴を上げ、そのままの形で固まった。
そんな亮に、もちろん構うことなく、ジェットコースターは決められたコースを勢いよく走り続け、ようやく終点に辿り着いた。
「ふー、おもしろかったぁ」
安全バーが上がり、みんなが怖かっただのおもしろかっただの感想を言いながら降りていくが、亮は立ち上がることもままならない。
次のお客のためにも早く降りなければ、と思うのだが、体が思うように動かないのだ。
「亮? 大丈夫?」
先に降りた隣の睦月が、固まったままの亮を不思議そうに振り返った。
それから少しだけ片眉を上げ、亮の腕を掴んで無理やり立ち上がらせると、ジェットコースターから引き摺り下ろした。次のお客が邪魔そうに亮を見ていたから。
「亮、こんなんでそんななってたら、他の、乗れないよ?」
「乗らなくていい…」
亮はグッタリしながら、睦月の後に付いていく。
冗談抜きで、もう帰りたい気分だ。
「でも前に約束したじゃん!」
「な…何を?」
「前、観覧車乗ったじゃん。あんとき、次来たときは、他のも乗るってゆった!」
「うっ…」
言われてみれば。
以前、和衣が学園祭の女装コンテストで獲得した旅行券で、睦月と2人でちょっとばかしいいホテルに泊まったのだが、途中で、遊園地の観覧車に2人で乗ったのだ。
あのときは、時間的にも…とか、今日の目的はいいホテルに泊まることだし…とか何とか適当な理由を付けて、観覧車以外のアトラクションは免れたのだが、そのとき、次は他のにも乗るのだと約束したのだ。
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ギャ~~~!! とか、ワァ~~~!! とか、絶叫マシンに付き物の悲鳴を上げることも出来ず、亮は固く目を瞑ったまま、ただ時が過ぎるのを待ち続けた。
途中、体がブワンと放り出されそうな感覚になったり、グルングルンと回転したり、でも亮は目を開けていないから、何が起こっているか分からない。
いや、分かりたくもない。
(は…早くっ…)
飛びそうになる意識の中、亮が心の中でがんばってお祈りした声が通じたのか、ガタン、と急にコースターの動きがゆっくりになった。
終わった? これで終わり? やっと解放された……と、ホッとした亮が目を開けた瞬間。
「ッ…!」
そこは最初にコースターに乗り込んだ場所ではなく、地上数十メートルの景色が広がっている。レールの先がない。いや、ないわけではなくて、ほぼ垂直に下に向かって伸びているから、視界に入らないだけだ。
そんな位置に、コースターが停車している。
な…何で? と亮が思ったのは、一瞬のことだった。
その答えを脳が導き出す前に、コースターはゆっくりと傾き、そしてそのレールに沿って、加速しながら滑り落ちて行ったのだ。
「※@☆%$*△&★¥!!!???」
一瞬ホッとした後だったから、余計にヤバかった。目も開けていたし。
亮は、言葉にならない悲鳴を上げ、そのままの形で固まった。
そんな亮に、もちろん構うことなく、ジェットコースターは決められたコースを勢いよく走り続け、ようやく終点に辿り着いた。
「ふー、おもしろかったぁ」
安全バーが上がり、みんなが怖かっただのおもしろかっただの感想を言いながら降りていくが、亮は立ち上がることもままならない。
次のお客のためにも早く降りなければ、と思うのだが、体が思うように動かないのだ。
「亮? 大丈夫?」
先に降りた隣の睦月が、固まったままの亮を不思議そうに振り返った。
それから少しだけ片眉を上げ、亮の腕を掴んで無理やり立ち上がらせると、ジェットコースターから引き摺り下ろした。次のお客が邪魔そうに亮を見ていたから。
「亮、こんなんでそんななってたら、他の、乗れないよ?」
「乗らなくていい…」
亮はグッタリしながら、睦月の後に付いていく。
冗談抜きで、もう帰りたい気分だ。
「でも前に約束したじゃん!」
「な…何を?」
「前、観覧車乗ったじゃん。あんとき、次来たときは、他のも乗るってゆった!」
「うっ…」
言われてみれば。
以前、和衣が学園祭の女装コンテストで獲得した旅行券で、睦月と2人でちょっとばかしいいホテルに泊まったのだが、途中で、遊園地の観覧車に2人で乗ったのだ。
あのときは、時間的にも…とか、今日の目的はいいホテルに泊まることだし…とか何とか適当な理由を付けて、観覧車以外のアトラクションは免れたのだが、そのとき、次は他のにも乗るのだと約束したのだ。
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COMMENT-FORM
ちよ ⇒ そういえば…
'観覧車'や'遊園地で蒼褪める'…で
'観覧車、蒼'、繋がりで(繋がってる!?)思い出した、
蒼ちゃんと郁タンの観覧車デートのお話。
のぞき読みして…、ニヤニヤ三昧です。
(こちらも大好きなお話だからね!)
あぁ…、恋三昧のカプと遭遇出来る遊園地…行ってみたい。
もちろん、勇者むっちゃんのお姿も…見てみたい(*^.^*)
'観覧車、蒼'、繋がりで(繋がってる!?)思い出した、
蒼ちゃんと郁タンの観覧車デートのお話。
のぞき読みして…、ニヤニヤ三昧です。
(こちらも大好きなお話だからね!)
あぁ…、恋三昧のカプと遭遇出来る遊園地…行ってみたい。
もちろん、勇者むっちゃんのお姿も…見てみたい(*^.^*)
- |2012.03.13
- |Tue
- |08:26
- |URL
- |EDIT|
けいったん ⇒
約束は、守らなきゃね!
特に 恋人である むっちゃんの約束は 絶対に!(`・д・´)9m ビシッ!!
そうでしょ? ねぇ~亮 ♪
ねぇ... 亮...ちょっ 亮ったら~!?(o'ノ0')ノお───ぃ!...(`OωO´)。o○
「※@☆%$*△&★¥!!!???」ってかぁーー!
ヾ(≧▽≦)ノあははは!...byebye☆
特に 恋人である むっちゃんの約束は 絶対に!(`・д・´)9m ビシッ!!
そうでしょ? ねぇ~亮 ♪
ねぇ... 亮...ちょっ 亮ったら~!?(o'ノ0')ノお───ぃ!...(`OωO´)。o○
「※@☆%$*△&★¥!!!???」ってかぁーー!
ヾ(≧▽≦)ノあははは!...byebye☆
- |2012.03.13
- |Tue
- |13:15
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
確かに『蒼』繋がり!
蒼ちゃんも、絶叫マシンとか苦手そうだなぁー…(笑)
でも郁タンは、それが分かってて、無茶はしないでしょうね(^_^;)
実際にこの子たちが遊園地いたら、むっちゃん、あんまりにも絶叫マシンばっか乗るから、係の人も顔とか覚えそう…。
絶叫マシン15回の記録を破れる猛者なら、むっちゃんがきっと一緒に行ってくれると思います!
コメントありがとうございました!
蒼ちゃんも、絶叫マシンとか苦手そうだなぁー…(笑)
でも郁タンは、それが分かってて、無茶はしないでしょうね(^_^;)
実際にこの子たちが遊園地いたら、むっちゃん、あんまりにも絶叫マシンばっか乗るから、係の人も顔とか覚えそう…。
絶叫マシン15回の記録を破れる猛者なら、むっちゃんがきっと一緒に行ってくれると思います!
コメントありがとうございました!
- |2012.03.13
- |Tue
- |22:02
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
むっちゃん、自分に都合のいいことは忘れないタイプです(笑)
前の約束は『観覧車以外のにも乗る』てことだったのに、いつの間にか、『絶叫マシンにいっぱい乗る』てことになってますんで(^_^;)
今の亮タンには、誰の声も届いてないかも…。
(`OωO´)。o○ ←魂抜けちゃってる…!!
私は絶叫マシン乗ると、一言も発せられないタイプです。
目を瞑って、ひたすら無言。
そんなに得意ではないけれど、このお話書きながら、亮タンよりはマシだな…て思ってました(笑)
コメントありがとうございました!
前の約束は『観覧車以外のにも乗る』てことだったのに、いつの間にか、『絶叫マシンにいっぱい乗る』てことになってますんで(^_^;)
今の亮タンには、誰の声も届いてないかも…。
(`OωO´)。o○ ←魂抜けちゃってる…!!
私は絶叫マシン乗ると、一言も発せられないタイプです。
目を瞑って、ひたすら無言。
そんなに得意ではないけれど、このお話書きながら、亮タンよりはマシだな…て思ってました(笑)
コメントありがとうございました!
- |2012.03.13
- |Tue
- |22:05
- |URL
- |EDIT|