スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
2. テンションが上がると奇声を発するところ (6)
2012.03.10 Sat
亮が内心穏やかならぬ気持ちで潤の背中を見送っていたら、その横をさっと何かが通り抜けて行った気がした――――次の瞬間。
「イテッ」
建物を角を曲がろうとした潤が、変な声を上げて、カクッと前につんのめった。
亮には最初、何が起こったのか分からなかった。しかし少し後ろから聞こえた睦月のバカ笑いと、潤の頭に着いた雪を見て、ようやく事の次第を悟った。
睦月が潤に向かって、雪玉をぶつけたのだ。
「てめっ」
「ひゃはー!」
当然潤は怒りを露わにするが、テンションの上がり切った睦月は、潤が部屋に戻るのを引き止められたことに喜んでいて、そんなことまるで気付いていない。
「むっちゃん、ゴメンなさい、でしょ!?」
「にゃっ!」
ゲラゲラ笑っている睦月の頭を押さえ付けて、亮は無理やり睦月の頭を下げさせた。
何となく、潤だけは敵に回してはいけない、と本能がそう諭しているのだ。
「ゴメ…なさぁいっ」
怒られた子どもが拗ねて仕方なく謝るのと同じ口調で、睦月はようやく潤に謝罪の言葉を口にした。
その仕草に、潤は怒る気力もすっかり失せて、「勝手にやってろよ」と言って、今度こそ立ち去っていった。
「あ~あ、潤くん行っちゃった…」
「睦月が怒らせたからだよ」
「ぬぅ~~~~……ちゃんと謝ったもんっ」
「ブッ!」
いきなり目の前が白くなった、と思ったら、顔面が痛いような冷たいような感覚が走った。
亮は今度こそ、すぐに何だか分かった。睦月が、持っていた雪だるまを亮の顔面にぶつけたのだ。
まったく、何度やっても懲りないらしい。
「睦月っ!」
「ぎゃはー!」
あぁもう。
これだけの暴挙を働いておきながら、どうしてそんな無邪気な笑顔でいられるんだろう。これじゃあ、怒るに怒れない。
…いや、こういうときにちゃんと怒らないから、睦月がこうなってしまったのか。
「りょお~」
笑いながら集合玄関のほうに逃げ去った睦月が、建物の陰からひょこっと顔を覗かせた。
まさか、この期に及んで何か仕出かす気か? と亮は一瞬身構えたのだが。
「ゴメンね、亮」
意外にも素直に、そして誰かに言わされるのでなく、睦月はしおらしく亮に謝って来た。
「…」
あぁ、結局こうやって亮はまた、睦月のことを許してしまうのだ。
だってしょうがない。
雪が降っただけで、こんなにテンションを上げちゃう睦月のことを、愛しちゃってるんだから。
「…部屋戻ろっか、むっちゃん。寒いし」
「戻ろう戻ろう。明日また雪だるま作るために、今日はもう寝よう」
「まだ朝だよ。しかも明日の予報、雪じゃねぇし」
「ぎゃひっ」
「だから何それっ!」
back next
「イテッ」
建物を角を曲がろうとした潤が、変な声を上げて、カクッと前につんのめった。
亮には最初、何が起こったのか分からなかった。しかし少し後ろから聞こえた睦月のバカ笑いと、潤の頭に着いた雪を見て、ようやく事の次第を悟った。
睦月が潤に向かって、雪玉をぶつけたのだ。
「てめっ」
「ひゃはー!」
当然潤は怒りを露わにするが、テンションの上がり切った睦月は、潤が部屋に戻るのを引き止められたことに喜んでいて、そんなことまるで気付いていない。
「むっちゃん、ゴメンなさい、でしょ!?」
「にゃっ!」
ゲラゲラ笑っている睦月の頭を押さえ付けて、亮は無理やり睦月の頭を下げさせた。
何となく、潤だけは敵に回してはいけない、と本能がそう諭しているのだ。
「ゴメ…なさぁいっ」
怒られた子どもが拗ねて仕方なく謝るのと同じ口調で、睦月はようやく潤に謝罪の言葉を口にした。
その仕草に、潤は怒る気力もすっかり失せて、「勝手にやってろよ」と言って、今度こそ立ち去っていった。
「あ~あ、潤くん行っちゃった…」
「睦月が怒らせたからだよ」
「ぬぅ~~~~……ちゃんと謝ったもんっ」
「ブッ!」
いきなり目の前が白くなった、と思ったら、顔面が痛いような冷たいような感覚が走った。
亮は今度こそ、すぐに何だか分かった。睦月が、持っていた雪だるまを亮の顔面にぶつけたのだ。
まったく、何度やっても懲りないらしい。
「睦月っ!」
「ぎゃはー!」
あぁもう。
これだけの暴挙を働いておきながら、どうしてそんな無邪気な笑顔でいられるんだろう。これじゃあ、怒るに怒れない。
…いや、こういうときにちゃんと怒らないから、睦月がこうなってしまったのか。
「りょお~」
笑いながら集合玄関のほうに逃げ去った睦月が、建物の陰からひょこっと顔を覗かせた。
まさか、この期に及んで何か仕出かす気か? と亮は一瞬身構えたのだが。
「ゴメンね、亮」
意外にも素直に、そして誰かに言わされるのでなく、睦月はしおらしく亮に謝って来た。
「…」
あぁ、結局こうやって亮はまた、睦月のことを許してしまうのだ。
だってしょうがない。
雪が降っただけで、こんなにテンションを上げちゃう睦月のことを、愛しちゃってるんだから。
「…部屋戻ろっか、むっちゃん。寒いし」
「戻ろう戻ろう。明日また雪だるま作るために、今日はもう寝よう」
「まだ朝だよ。しかも明日の予報、雪じゃねぇし」
「ぎゃひっ」
「だから何それっ!」
back next
- 関連記事
-
- 3. 悪気は無いこと『だけ』は伝わってくるところ (1) (2012/03/11)
- 2. テンションが上がると奇声を発するところ (6) (2012/03/10)
- 2. テンションが上がると奇声を発するところ (5) (2012/03/09)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:Baby Baby Baby Love
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
けいったん ⇒
いやぁ~奇声って 色々とあるもんだと、今回のむっちゃんに 教えて貰いましたね(笑)
それに 奇声だけで その瞬間の顔の表情や その時の気持ちが、分かるもんだなと(⌒^⌒)b うふっ
今 言える事はひとつ... (゚ω゚)b
亮は むっちゃんに限りなく甘くて優しいってことね~♪
むっちゃんが亮に これだけ愛されてるのを気づいているのかは 別の問題として・・・
(´xωx`)ヾ(i|・▽・ ;)ノいっ、今のは、ほんのジョークジョーク・・・byebye☆
それに 奇声だけで その瞬間の顔の表情や その時の気持ちが、分かるもんだなと(⌒^⌒)b うふっ
今 言える事はひとつ... (゚ω゚)b
亮は むっちゃんに限りなく甘くて優しいってことね~♪
むっちゃんが亮に これだけ愛されてるのを気づいているのかは 別の問題として・・・
(´xωx`)ヾ(i|・▽・ ;)ノいっ、今のは、ほんのジョークジョーク・・・byebye☆
- |2012.03.10
- |Sat
- |10:08
- |URL
- |EDIT|
りんこ ⇒ 可愛いなあ~もう!
むっちゃんは男子ですよね?
と、亮くんに確認したくなるほど可愛すぎるでしょ~
なんだか着ぐるみ着て雪原走らせたら世界一似合いそうだわ
可愛すぎるむっちゃんを愛しちゃうのもわかるよ、亮くん。
と、亮くんに確認したくなるほど可愛すぎるでしょ~
なんだか着ぐるみ着て雪原走らせたら世界一似合いそうだわ
可愛すぎるむっちゃんを愛しちゃうのもわかるよ、亮くん。
- |2012.03.10
- |Sat
- |17:45
- |URL
- |EDIT|
ちよ ⇒ み~んなハッピー♪\(>∀<)/♪
普段は人見知りなむっちゃんが、無邪気で自由奔放でいられるのは、
心から許せる亮タンがいるからかな。
そんな、ありのままのむっちゃんを一人占めして、
お世話(ちょっぴり大変だけど…)するのが、まんざらでもない亮タン。
で、そんなお二人さんを、柱| (ΦωΦ)ガン見してニヤニヤしているのが私…
みんなハッピーでなによりです。
心から許せる亮タンがいるからかな。
そんな、ありのままのむっちゃんを一人占めして、
お世話(ちょっぴり大変だけど…)するのが、まんざらでもない亮タン。
で、そんなお二人さんを、柱| (ΦωΦ)ガン見してニヤニヤしているのが私…
みんなハッピーでなによりです。
- |2012.03.10
- |Sat
- |19:34
- |URL
- |EDIT|
音夜 ⇒ ぎゃひw
雪積もればテンションは上がります←あんまし雪降らない場所に生息人のコメです。如月様のトコは大変だろうけど;
むっちゃんも可愛い。和くんも可愛いし、迷ってます(なにが?)
亮くんがむっちゃんに振り回されるのがなんとも情けないけれどリアルな男子でww 愛されっ子なむっちゃんは子猫みたいで、この二人のじゃれあいが嫌味ないからクスッと和ましてもらってます。
潤くん、クールやなぁ
むっちゃんも可愛い。和くんも可愛いし、迷ってます(なにが?)
亮くんがむっちゃんに振り回されるのがなんとも情けないけれどリアルな男子でww 愛されっ子なむっちゃんは子猫みたいで、この二人のじゃれあいが嫌味ないからクスッと和ましてもらってます。
潤くん、クールやなぁ
- |2012.03.10
- |Sat
- |22:13
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
最初書いてるときは、もっといろいろ言ってたんですが、ちょっとこれ以上言ったら、本気で変な人に…て思って、途中で規制しました(笑)
でも、とにかく雪降って嬉しくて嬉しくて仕方ないむっちゃんが伝わったのなら嬉しいです(*^_^*)
ゆっちさんは、過保護だけれど、厳しくもあるお父さん(お母さん)タイプですが、亮タンの場合は、厳しくしたいんだけど、やっぱりただ単に甘いだけになってしまうという…(笑)
それを照れることなく受け入れているむっちゃん、亮タンの大きな愛に気付いているんでしょうか…!?
コメントありがとうございました!
でも、とにかく雪降って嬉しくて嬉しくて仕方ないむっちゃんが伝わったのなら嬉しいです(*^_^*)
ゆっちさんは、過保護だけれど、厳しくもあるお父さん(お母さん)タイプですが、亮タンの場合は、厳しくしたいんだけど、やっぱりただ単に甘いだけになってしまうという…(笑)
それを照れることなく受け入れているむっちゃん、亮タンの大きな愛に気付いているんでしょうか…!?
コメントありがとうございました!
- |2012.03.11
- |Sun
- |00:05
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >りんこさん
むっちゃん書いてて時々、私、女子として負けてる…? て思うことも…。 でもこんなにかわいいくせに、「かわいい」て言われるのが大っ嫌いというむっちゃん。その時点で十分かわいいですけどね。
> なんだか着ぐるみ着て雪原走らせたら世界一似合いそうだわ
た…確かにそれはかわいい!!
でも誰がお願いするかが問題ですね。むっちゃんがご機嫌斜めになるのは間違いなさそうなんで…(^_^;)
コメントありがとうございました!
> なんだか着ぐるみ着て雪原走らせたら世界一似合いそうだわ
た…確かにそれはかわいい!!
でも誰がお願いするかが問題ですね。むっちゃんがご機嫌斜めになるのは間違いなさそうなんで…(^_^;)
コメントありがとうございました!
- |2012.03.11
- |Sun
- |00:08
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
亮タンも潤くんも、雪玉ぶつけられて散々ですが(^_^;)、ちよさんの仰るとおり、ありのままのむっちゃんを独占できたから、満更でもないですよね。
あ、潤くんだけは、散々なだけですが(笑)
物陰からガン見……いいですね!!
私もぜひご一緒させてくださ~い!!
きっとむっちゃん、雪に夢中で全然気付かないと思うんでヽ(^o^)丿
コメントありがとうございました!
あ、潤くんだけは、散々なだけですが(笑)
物陰からガン見……いいですね!!
私もぜひご一緒させてくださ~い!!
きっとむっちゃん、雪に夢中で全然気付かないと思うんでヽ(^o^)丿
コメントありがとうございました!
- |2012.03.11
- |Sun
- |00:13
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >音夜さん
今日(日付変わっちゃったんで、昨日ですが…)、雪降りました~。
もうホント、雪はごちそうさまです。まだ2m以上、雪があるので(^_^;)
> むっちゃんも可愛い。和くんも可愛いし、迷ってます(なにが?)
この気持ち、分かります!!
書いてるとき、何でこの2人、こんなにかわいいんだろう、てよく思います。
リアルにこんなかわいい大学生男子、いないんでしょうか(笑)
むっちゃんもカズちゃんも、実際に一緒にいたら大変なことは多そうですが、そばで見るだけなら、和みますよね(*^_^*)
潤くんは珍しくクールキャラです。
今後、ヘタレキャラにならないよう(ヘタレ好きなんで…)、気を付けながらまた登場させたいと思います。
コメントありがとうございました!
もうホント、雪はごちそうさまです。まだ2m以上、雪があるので(^_^;)
> むっちゃんも可愛い。和くんも可愛いし、迷ってます(なにが?)
この気持ち、分かります!!
書いてるとき、何でこの2人、こんなにかわいいんだろう、てよく思います。
リアルにこんなかわいい大学生男子、いないんでしょうか(笑)
むっちゃんもカズちゃんも、実際に一緒にいたら大変なことは多そうですが、そばで見るだけなら、和みますよね(*^_^*)
潤くんは珍しくクールキャラです。
今後、ヘタレキャラにならないよう(ヘタレ好きなんで…)、気を付けながらまた登場させたいと思います。
コメントありがとうございました!
- |2012.03.11
- |Sun
- |00:17
- |URL
- |EDIT|