スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
Honey Bunny Baby! (3)
2012.02.09 Thu
「カズちゃん、次行かないの? でも、1人で帰すほうが心配じゃない?」
確かに和衣が次に行けそうもないことは眞織にも分かるが、こんなに酔っ払っている和衣を1人で寮まで帰すほうが、よっぽど心配な気がする。
しかし愛菜はニッコリ笑うと、その笑みを和衣でも眞織でもなく、和衣の隣にいた祐介に向けた。
「だいじょーぶ、カズちゃんは、祐介くんが一緒に帰るからっ」
「ぅん?」
こんな状態の和衣を放っておけないのは祐介も同じで、もちろん一緒に帰るつもりだったけれど、それは祐介が心の中で思っていたことであって、誰にも言っていないのに、どうして愛菜はそんなにしたり顔で言ってくるんだろう。
何となく見透かされているような気がして、祐介は愛菜から目を逸らした。
「あ、そっか。じゃ、祐介くんも次行かないね?」
「まぁ…うん」
愛菜の言葉に素直に納得した眞織に、祐介も素直に頷くしかない。
どうもこの2人の元気の良さは、自分の妹たちを彷彿とさせて、何となく居心地が悪い。
「じゃあね~、カズちゃん」
「…ん」
それぞれに身支度をした連中が、順に席を立っていく。
和衣がすっかり酔っ払っているのは誰の目にも明らかなので、無理に次の会に誘おうとする者もおらず、和衣は少しホッとした。
「和衣、立てる?」
「…ん」
あんまりにも無理そうなら、金は掛かるがタクシーを呼んでもらおうと思ったが、和衣は目をこすりながらも、コクンと頷いた。
「祐介…お金…」
「え、何が?」
「おかいけー…」
酔っ払っていても、そういうことには生真面目な和衣は、ノロノロとカバンの中を漁っている。
和衣の分のお会計は、きっと誰かが立て替えてくれたに違いないが、何となくその誰かは祐介かなーと思ったので。
「後でいいよ。立てるならもう帰ろ?」
「んー…じゃ、後でちゃんとゆってね…?」
和衣は掴んだ財布をカバンの中に戻すと、今度はコートに手を伸ばす。
しかし、本人は素早くやっているつもりだろうが、一つひとつの動作が緩慢で、身支度を整えるまでには相当時間が掛かりそう…と、祐介は、うまくコートのボタンを留められないでいる和衣に代わって、丁寧にボタンを留めてやると、マフラーも巻いてあげた。
「ゆぅ…ゴメンね…?」
「何が?」
「俺、すご…酔っ払…」
迷惑は誰にも掛けたくないが、特に祐介には迷惑なんて掛けたくなくて、気を付けていたはずなのに、結局この有り様だ。
情けなくて、何だか泣けてくる。
back next
確かに和衣が次に行けそうもないことは眞織にも分かるが、こんなに酔っ払っている和衣を1人で寮まで帰すほうが、よっぽど心配な気がする。
しかし愛菜はニッコリ笑うと、その笑みを和衣でも眞織でもなく、和衣の隣にいた祐介に向けた。
「だいじょーぶ、カズちゃんは、祐介くんが一緒に帰るからっ」
「ぅん?」
こんな状態の和衣を放っておけないのは祐介も同じで、もちろん一緒に帰るつもりだったけれど、それは祐介が心の中で思っていたことであって、誰にも言っていないのに、どうして愛菜はそんなにしたり顔で言ってくるんだろう。
何となく見透かされているような気がして、祐介は愛菜から目を逸らした。
「あ、そっか。じゃ、祐介くんも次行かないね?」
「まぁ…うん」
愛菜の言葉に素直に納得した眞織に、祐介も素直に頷くしかない。
どうもこの2人の元気の良さは、自分の妹たちを彷彿とさせて、何となく居心地が悪い。
「じゃあね~、カズちゃん」
「…ん」
それぞれに身支度をした連中が、順に席を立っていく。
和衣がすっかり酔っ払っているのは誰の目にも明らかなので、無理に次の会に誘おうとする者もおらず、和衣は少しホッとした。
「和衣、立てる?」
「…ん」
あんまりにも無理そうなら、金は掛かるがタクシーを呼んでもらおうと思ったが、和衣は目をこすりながらも、コクンと頷いた。
「祐介…お金…」
「え、何が?」
「おかいけー…」
酔っ払っていても、そういうことには生真面目な和衣は、ノロノロとカバンの中を漁っている。
和衣の分のお会計は、きっと誰かが立て替えてくれたに違いないが、何となくその誰かは祐介かなーと思ったので。
「後でいいよ。立てるならもう帰ろ?」
「んー…じゃ、後でちゃんとゆってね…?」
和衣は掴んだ財布をカバンの中に戻すと、今度はコートに手を伸ばす。
しかし、本人は素早くやっているつもりだろうが、一つひとつの動作が緩慢で、身支度を整えるまでには相当時間が掛かりそう…と、祐介は、うまくコートのボタンを留められないでいる和衣に代わって、丁寧にボタンを留めてやると、マフラーも巻いてあげた。
「ゆぅ…ゴメンね…?」
「何が?」
「俺、すご…酔っ払…」
迷惑は誰にも掛けたくないが、特に祐介には迷惑なんて掛けたくなくて、気を付けていたはずなのに、結局この有り様だ。
情けなくて、何だか泣けてくる。
back next
- 関連記事
-
- Honey Bunny Baby! (4) (2012/02/10)
- Honey Bunny Baby! (3) (2012/02/09)
- Honey Bunny Baby! (2) (2012/02/08)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:Baby Baby Baby Love
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
ちよ ⇒ 準レギュラ ー?愛菜ちゃん&眞織ちゃん!
このお2人さん、いいスパイス振り撒き&いいコンビで大好き~。
意識がある時に酔っ払っている自分を介抱してもらうのって、情けないよね~。
わかる、わかる。
私は、最初の一杯でいつもお酒の神様に見放されちゃうので、
お連れさんにお世話になることあるもん…Σ(°д°lll)
まぁ、カズちゃんは気にしないで、寮までの帰り道、ラブラブしちゃえ!
ゆっちさんが許してくれるよ。
意識がある時に酔っ払っている自分を介抱してもらうのって、情けないよね~。
わかる、わかる。
私は、最初の一杯でいつもお酒の神様に見放されちゃうので、
お連れさんにお世話になることあるもん…Σ(°д°lll)
まぁ、カズちゃんは気にしないで、寮までの帰り道、ラブラブしちゃえ!
ゆっちさんが許してくれるよ。
- |2012.02.09
- |Thu
- |18:38
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
女子大好きの私としては、ついついこの2人を書いてしまいます(笑)
愛菜ちゃんと眞織ちゃんは、私の女子の理想を詰め込んだ2人なんで。。。
気に入っていただけたら、嬉しいです!
> 私は、最初の一杯でいつもお酒の神様に見放されちゃうので、
> お連れさんにお世話になることあるもん…Σ(°д°lll)
ちよさん、お酒弱いんですね。
女子は、ちょっとお酒が弱いくらいが、かわいくていいんですよ!
私はお酒大好きなので、ついたくさん飲んでしまいがちです…(しかも、女の子が飲むみたいなかわいいヤツは飲めない…)
ゆっちさんの前で酔っ払っちゃったカズちゃんを書くのは初ですが、『酔った勢い』てことで、カズちゃんを暴走させたいと思います!!
コメントありがとうございました!
愛菜ちゃんと眞織ちゃんは、私の女子の理想を詰め込んだ2人なんで。。。
気に入っていただけたら、嬉しいです!
> 私は、最初の一杯でいつもお酒の神様に見放されちゃうので、
> お連れさんにお世話になることあるもん…Σ(°д°lll)
ちよさん、お酒弱いんですね。
女子は、ちょっとお酒が弱いくらいが、かわいくていいんですよ!
私はお酒大好きなので、ついたくさん飲んでしまいがちです…(しかも、女の子が飲むみたいなかわいいヤツは飲めない…)
ゆっちさんの前で酔っ払っちゃったカズちゃんを書くのは初ですが、『酔った勢い』てことで、カズちゃんを暴走させたいと思います!!
コメントありがとうございました!
- |2012.02.09
- |Thu
- |22:57
- |URL
- |EDIT|