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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (98)
2011.12.23 Fri
「え、ちーちゃん、南條さんのお仕事、知らなかったの?」
「うん」
「もしかして、高校出てからずっと会ってなかったとか、そういうこと?」
それならば、いくら高校のころ同じクラスでも、今の仕事を知らないということはあり得る。
そういうことか…と、琉や大和も納得した……のだが。
「え、結構しょっちゅう会うよ?」
千尋は、あっさりとそうのたまった。
「はぁ? しょっちゅう会うのに、何で知らないの!?」
「だって別に、南條の仕事になんか興味ないもん」
「……」
まったく悪びれたふうもなく言う千尋に、その場にいた全員が絶句したが、これが千尋という人間なのだと、琉はようやく悟りを開いた。
「とにかくさ、メシ食おう? な? もう出来たし」
「うん」
場の雰囲気を取り戻そうと、努めて琉が明るく言えば、千尋が返事をした(…)。
*****
先週遥希が泊まったときのメニューがトーストだったので、今日は和食。
誰にも言わないし、きっと誰も気付かないだろうけど、琉の中の小さなこだわり。
「すげぇ、普通にうまい」
お米大好きの千尋は、小柄な体に似合わず、食欲旺盛にご飯を平らげているが、今はそれでも朝ご飯を食べるようになったのだという遥希は、やはり食が細い。
口に合わないかな?
朝ご飯あんまり食べない人は、トーストくらいのほうがよかったんだろうか(時間的にはもう昼だが)。
「南條、食わないの?」
「もう食って来た」
相変わらずコーヒーの飲めない南條は、ティーバックで淹れた紅茶を飲みながら、少し離れたソファのところでノートパソコンを広げている。
南條を振り返っていた千尋は、今度は遥希に視線を向けた。
「ハルちゃんは? 食べないの? この卵焼き、おいしくない?」
「おいし……ん、」
おいしいなら、お食べ? と、千尋が変な箸の持ち方でつまんだ卵焼きを、遥希の口元に持っていく。
遥希はそれを戸惑うことなく口に入れたが、向かい側に座っていた琉は、その光景に絶叫しそうになった。
(ちょっ…! かわいいけど、そんなの他の男にやらせないでよ!)
多分遥希が口を開けたのは、親鳥からエサを貰うヒナのような感覚だったのだろうが、琉にしたら、その親鳥の役目を自分にやらせてくれ、というものである。
何か言いたいけれど言えずに、琉がピクピクしていたら、遥希が卵焼きを咀嚼するのを見ていた千尋がチラッと琉を見て、フフンと鼻で笑った(ような気がする)。
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「うん」
「もしかして、高校出てからずっと会ってなかったとか、そういうこと?」
それならば、いくら高校のころ同じクラスでも、今の仕事を知らないということはあり得る。
そういうことか…と、琉や大和も納得した……のだが。
「え、結構しょっちゅう会うよ?」
千尋は、あっさりとそうのたまった。
「はぁ? しょっちゅう会うのに、何で知らないの!?」
「だって別に、南條の仕事になんか興味ないもん」
「……」
まったく悪びれたふうもなく言う千尋に、その場にいた全員が絶句したが、これが千尋という人間なのだと、琉はようやく悟りを開いた。
「とにかくさ、メシ食おう? な? もう出来たし」
「うん」
場の雰囲気を取り戻そうと、努めて琉が明るく言えば、千尋が返事をした(…)。
*****
先週遥希が泊まったときのメニューがトーストだったので、今日は和食。
誰にも言わないし、きっと誰も気付かないだろうけど、琉の中の小さなこだわり。
「すげぇ、普通にうまい」
お米大好きの千尋は、小柄な体に似合わず、食欲旺盛にご飯を平らげているが、今はそれでも朝ご飯を食べるようになったのだという遥希は、やはり食が細い。
口に合わないかな?
朝ご飯あんまり食べない人は、トーストくらいのほうがよかったんだろうか(時間的にはもう昼だが)。
「南條、食わないの?」
「もう食って来た」
相変わらずコーヒーの飲めない南條は、ティーバックで淹れた紅茶を飲みながら、少し離れたソファのところでノートパソコンを広げている。
南條を振り返っていた千尋は、今度は遥希に視線を向けた。
「ハルちゃんは? 食べないの? この卵焼き、おいしくない?」
「おいし……ん、」
おいしいなら、お食べ? と、千尋が変な箸の持ち方でつまんだ卵焼きを、遥希の口元に持っていく。
遥希はそれを戸惑うことなく口に入れたが、向かい側に座っていた琉は、その光景に絶叫しそうになった。
(ちょっ…! かわいいけど、そんなの他の男にやらせないでよ!)
多分遥希が口を開けたのは、親鳥からエサを貰うヒナのような感覚だったのだろうが、琉にしたら、その親鳥の役目を自分にやらせてくれ、というものである。
何か言いたいけれど言えずに、琉がピクピクしていたら、遥希が卵焼きを咀嚼するのを見ていた千尋がチラッと琉を見て、フフンと鼻で笑った(ような気がする)。
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音夜 ⇒ 予想外だった
千尋くんと南條さんにそういう繋がりがあったとはっ。驚きですw それにしても千尋くんに妬いている琉くんが可愛いというのか。すでに天然の瑞希くんに振り回されているような。
しかも千尋くんは意外に黒?w 傍でそれを見ている大和くんは楽しんでそーですけども。こちらも十分楽しんでおりますw
しかも千尋くんは意外に黒?w 傍でそれを見ている大和くんは楽しんでそーですけども。こちらも十分楽しんでおりますw
- |2011.12.23
- |Fri
- |16:23
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >拍手コメ→Kさん
天然なのか、わざとなのか、琉タンを挑発しているちーちゃんです。
お友だちの職業も知らないくらいなんで、天然なのかもですが……琉タンがピクピクしていることには違いありませんっ!!
でもハルちゃんが、こんなにかわいくモグモグしてくれるなら、私も「あーん」させたいですよ(^_^;)
なかなか両片想いから脱ることのできない2人ですが、どうか見守ってあげてください!
拍手&コメントありがとうございました!
お友だちの職業も知らないくらいなんで、天然なのかもですが……琉タンがピクピクしていることには違いありませんっ!!
でもハルちゃんが、こんなにかわいくモグモグしてくれるなら、私も「あーん」させたいですよ(^_^;)
なかなか両片想いから脱ることのできない2人ですが、どうか見守ってあげてください!
拍手&コメントありがとうございました!
- |2011.12.23
- |Fri
- |23:12
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >音夜さん
実は南條さんとお友だちだったちーちゃん。
でも、長い付き合いなのに、お仕事は知らなかったという…。
ちーちゃんは、何となくいろいろ見透かしてそうですが、でも根本は天然ですね。鋭いんだけど、どっか抜けてるというか…(^_^;)
大和くんは、ちーちゃんにタジタジになってる琉タンを見て、完全に楽しんでますね。
いや、でも実際そばで見てたら楽しいかもですね(本人たちは楽しいどころではないでしょうが…)
コメントありがとうございました!
でも、長い付き合いなのに、お仕事は知らなかったという…。
ちーちゃんは、何となくいろいろ見透かしてそうですが、でも根本は天然ですね。鋭いんだけど、どっか抜けてるというか…(^_^;)
大和くんは、ちーちゃんにタジタジになってる琉タンを見て、完全に楽しんでますね。
いや、でも実際そばで見てたら楽しいかもですね(本人たちは楽しいどころではないでしょうが…)
コメントありがとうございました!
- |2011.12.23
- |Fri
- |23:24
- |URL
- |EDIT|