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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (90)
2011.12.15 Thu
これ以上遥希のことを起こすのも面倒くさいので、とりあえず放っておくことにして、千尋は部屋の様子を窺いつつ、ベッドを降りる。
広い部屋には、男2人で寝ても狭いと感じさせないベッドの他にテレビやソファもあるが、あまり生活感がないから、ここは普段使っている部屋でなくて、お客を泊める部屋なのだろう。
「セレブ…」
千尋もファッション業界で働く者の端くれとして、ほんのちょっとばかし有名なデザイナーさんのお宅に伺ったことはあるけれど、ここまでセレブな感じではなかった。
遥希がFATEの大ファンだから、今回の新曲もミリオンだったとか、千尋にしたらどうでもいい情報が入ってくるので、琉が金持ちだってことは想像に難くないが、やはり思っていたよりずっと、格が違ったようだ。
千尋はコソコソとドアに近付くと、そぉーっとドアを開けて、外の様子を窺った。
泊めてもらっている以上、ここにいるのは悪いことではないのだから、別にコソコソする必要はどこにもないのだが、何となく気配を殺してしまう。
けれど、わずかに開けたドアの隙間から頭を出してキョロキョロしてみたが、誰もいない。
勝手に家の中をウロウロするのも何だし、琉たちが来るまで、ここにいたほうがいいんだろうか。
でももし仕事とかあって、千尋たちが起きてくるのを別の部屋で待っているだとしたら、早く起きたほうがいいとも思うし。
でもまぁ、とりあえず遥希を起こさないことには始まらない…と、千尋は面倒くさそうに、まだ眠りこけている遥希を振り返った――――と、
「おはよう、千尋くん」
「うわっ!」
誰もいないと思っていたのに、急に声を掛けられて、千尋はビクンッ! とマンガくらい大げさに飛び上がった。
「ッ、水落琉っ…!」
声を掛けてきたのは、おそらくこの家の家主であろう水落琉で、その後ろには同じくFATEの大和もいた。そういえば大和は、病院にも一緒に来てくれて、その後も同じタクシーに乗り込んだのだ。
こんなツーショットがいきなり目の前に現れたら、ファンでなくても、女の子はメロメロだろうなぁ。あ、あと遥希も。
同じゲイでも、千尋は別にドキドキもしないし、メロメロにもならないのは、やっぱり好みのタイプではないからだろうか(イケメンなことは認めるが)。
「ゴメン、驚かせちゃって。起きたかな、て思って様子見に来たんだけど」
「あの、ここってやっぱり…」
「俺んち。ゴメンね、千尋くんち行こうとも思ったんだけど、寝ちゃったから、場所分かんなくて。起こすのも何かかわいそうだったし」
「それに琉、ハルちゃんが心配で、ほっとけなかったんだよね!」
ゴメン、と両手を合わす琉の後ろで、大和が(なぜか)楽しそうにそう言って、琉の背中に貼り付いた。
「ハルちゃんのこと、心配…?」
「え、そりゃもちろん! …あ、千尋くんのことももちろん心配したけど!」
「……」
別に、遥希のことだけが心配で俺のことは心配じゃないの? というつもりで言ったわけではないのに、琉はそう受け止めたのか、慌ててフォローしたが、それが却って、千尋のことをオマケぽく言っているように聞こえる。
実際のところ、あのときは、遥希に比べて千尋はしっかりしてたから、遥希の心配をしたくなるのも分かるけれど。
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広い部屋には、男2人で寝ても狭いと感じさせないベッドの他にテレビやソファもあるが、あまり生活感がないから、ここは普段使っている部屋でなくて、お客を泊める部屋なのだろう。
「セレブ…」
千尋もファッション業界で働く者の端くれとして、ほんのちょっとばかし有名なデザイナーさんのお宅に伺ったことはあるけれど、ここまでセレブな感じではなかった。
遥希がFATEの大ファンだから、今回の新曲もミリオンだったとか、千尋にしたらどうでもいい情報が入ってくるので、琉が金持ちだってことは想像に難くないが、やはり思っていたよりずっと、格が違ったようだ。
千尋はコソコソとドアに近付くと、そぉーっとドアを開けて、外の様子を窺った。
泊めてもらっている以上、ここにいるのは悪いことではないのだから、別にコソコソする必要はどこにもないのだが、何となく気配を殺してしまう。
けれど、わずかに開けたドアの隙間から頭を出してキョロキョロしてみたが、誰もいない。
勝手に家の中をウロウロするのも何だし、琉たちが来るまで、ここにいたほうがいいんだろうか。
でももし仕事とかあって、千尋たちが起きてくるのを別の部屋で待っているだとしたら、早く起きたほうがいいとも思うし。
でもまぁ、とりあえず遥希を起こさないことには始まらない…と、千尋は面倒くさそうに、まだ眠りこけている遥希を振り返った――――と、
「おはよう、千尋くん」
「うわっ!」
誰もいないと思っていたのに、急に声を掛けられて、千尋はビクンッ! とマンガくらい大げさに飛び上がった。
「ッ、水落琉っ…!」
声を掛けてきたのは、おそらくこの家の家主であろう水落琉で、その後ろには同じくFATEの大和もいた。そういえば大和は、病院にも一緒に来てくれて、その後も同じタクシーに乗り込んだのだ。
こんなツーショットがいきなり目の前に現れたら、ファンでなくても、女の子はメロメロだろうなぁ。あ、あと遥希も。
同じゲイでも、千尋は別にドキドキもしないし、メロメロにもならないのは、やっぱり好みのタイプではないからだろうか(イケメンなことは認めるが)。
「ゴメン、驚かせちゃって。起きたかな、て思って様子見に来たんだけど」
「あの、ここってやっぱり…」
「俺んち。ゴメンね、千尋くんち行こうとも思ったんだけど、寝ちゃったから、場所分かんなくて。起こすのも何かかわいそうだったし」
「それに琉、ハルちゃんが心配で、ほっとけなかったんだよね!」
ゴメン、と両手を合わす琉の後ろで、大和が(なぜか)楽しそうにそう言って、琉の背中に貼り付いた。
「ハルちゃんのこと、心配…?」
「え、そりゃもちろん! …あ、千尋くんのことももちろん心配したけど!」
「……」
別に、遥希のことだけが心配で俺のことは心配じゃないの? というつもりで言ったわけではないのに、琉はそう受け止めたのか、慌ててフォローしたが、それが却って、千尋のことをオマケぽく言っているように聞こえる。
実際のところ、あのときは、遥希に比べて千尋はしっかりしてたから、遥希の心配をしたくなるのも分かるけれど。
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COMMENT-FORM
音夜 ⇒ セレブ
確かにオマケっぽいww
ハルちゃんは良い友達持ってますよね。本気で心配してるし千尋くん。
目が覚めたハルくん、かなり驚くやろなぁ
どんなハルくんを見せてくれるのか、楽しみです。
多分、アチコチぶつけそーですがw
ハルちゃんは良い友達持ってますよね。本気で心配してるし千尋くん。
目が覚めたハルくん、かなり驚くやろなぁ
どんなハルくんを見せてくれるのか、楽しみです。
多分、アチコチぶつけそーですがw
- |2011.12.15
- |Thu
- |20:12
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >音夜さん
無意識にちーちゃんをおまけ扱いする琉タン…。
それを必死にごまかそうとすればするほど、怪しい感じになってます(笑)
ハルちゃん、こんなにいい友だちを持ってるのに、のん気に気持ちよく寝ておりますが(^_^;)、目が覚めたらどうなっちゃうんでしょうか。
ちーちゃんお母さんは、まだまだ苦労しそうです。
コメントありがとうございました!
それを必死にごまかそうとすればするほど、怪しい感じになってます(笑)
ハルちゃん、こんなにいい友だちを持ってるのに、のん気に気持ちよく寝ておりますが(^_^;)、目が覚めたらどうなっちゃうんでしょうか。
ちーちゃんお母さんは、まだまだ苦労しそうです。
コメントありがとうございました!
- |2011.12.15
- |Thu
- |23:55
- |URL
- |EDIT|