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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (88)
2011.12.13 Tue
向かったのは琉たちがよく利用している病院で、事前に連絡していたおかげで、着くとすぐに診察してもらえることになった。
千尋は心配そうに診察室のほうを窺っていたが、そばに大和もいたので、琉はその間に南條に電話をすれば、南條は案の定、『はぁ~~~!!???』と、卒倒しそうな声を上げた後、絶句した。
しかし、琉たちが必要以上のトラブルに巻き込まれていないことが分かると、冷静になって、『とりあえずこっちは手回ししとく』と言って電話を切ったのだった。
診察や検査の結果、遥希は何かしらの薬物を摂取させられていることもなく、急性アルコール中毒の恐れもないことが分かって、一同をホッとさせた。
入院の必要はないが、心配なら泊まっていってもいい、と顔見知りの当直医に言われたものの、それも何だか落ち着かないので、結局連れて帰ることにした。
行き先は琉の家。
千尋は、これ以上迷惑を掛けたくないので、遥希を自分の家に連れて行くと言ったのだが、琉はこのまま遥希と離れたくなかったから、タクシーの中で千尋が寝てしまったのをいいことに、行き先を変更したのだ。
先のクラブで千尋は、突然琉が登場したことには驚いたものの、琉が遥希のことを知っているのには、少しも驚いていなかった。きっと、琉と遥希が知り合いであることは、遥希から聞いて知っているのだろう。
事情が分かっているなら、このまま千尋も一緒に連れて行っても構わないとも思ったので、行き先変更に躊躇いはなかった。
「つか、お前も来んのかよ」
だから、琉がそう言った相手は、千尋でなく大和なのだ。
琉の家の近くに止まったタクシーから、なぜか大和まで一緒に降りようとするから。
「いいじゃん、いいじゃん。ちーちゃん寝ちゃったんだろ? 俺が部屋まで連れてってやるよ」
大和は尤もらしいことを言いながら、千尋をタクシーから降ろしてやった。
千尋も、あんな目に遭ってからずっと気を張っていたのだろう、遥希が無事だと分かって安堵したに違いないから、確かに起こさずに部屋まで連れて行けるのなら、そのほうがいいのかもしれない。
先週は、琉と遥希の2人だったので、酔い潰れた遥希を1人には出来ないという思いもあって、遥希を琉と一緒のベッドに寝かせたけれど、今日は千尋や大和もいるので、そうするわけにもいかないのだろうと、結局、千尋と遥希をゲストルームのベッドに寝かせた。
「え、てことは俺、琉と一緒のベッドてこと?」
2人を窮屈でない程度に簡単に着替えさせてやって、さぁ部屋を出ようというところで、大和はハタと嫌なことに気が付いた。
琉の家には、来客用に、ベッドの他にふとんもあるけれど、今さら敷くのも面倒くさいし。
「勝手に付いてきたくせに、文句言うな。つか、ソファで寝ろよ、お前」
「えー、扱い悪ぃー。俺だっていろいろお手伝いしたのに~。琉、ヒドイ!」
「ならお前、俺と一緒のベッドで寝たいわけ?」
「寝たくない」
ソファとは言っても結構大きいし、座り心地も寝心地もいいもので、そこまでごねるほどの代物ではないことは、大和もよく知っている。単に、そう言って琉を困らせたいだけのことなのだ。
「つか琉」
「あ?」
「今度、潤也とまた飲み直そうね?」
ピラピラと携帯電話を琉に見せながら、大和は、勝手知ったる琉の家、バスルームに向かう。
琉はそこでようやく、久々に会った潤也に、大和から送信してもらったメールだけで、何の挨拶もなしに帰って来てしまったことを思い出した。
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千尋は心配そうに診察室のほうを窺っていたが、そばに大和もいたので、琉はその間に南條に電話をすれば、南條は案の定、『はぁ~~~!!???』と、卒倒しそうな声を上げた後、絶句した。
しかし、琉たちが必要以上のトラブルに巻き込まれていないことが分かると、冷静になって、『とりあえずこっちは手回ししとく』と言って電話を切ったのだった。
診察や検査の結果、遥希は何かしらの薬物を摂取させられていることもなく、急性アルコール中毒の恐れもないことが分かって、一同をホッとさせた。
入院の必要はないが、心配なら泊まっていってもいい、と顔見知りの当直医に言われたものの、それも何だか落ち着かないので、結局連れて帰ることにした。
行き先は琉の家。
千尋は、これ以上迷惑を掛けたくないので、遥希を自分の家に連れて行くと言ったのだが、琉はこのまま遥希と離れたくなかったから、タクシーの中で千尋が寝てしまったのをいいことに、行き先を変更したのだ。
先のクラブで千尋は、突然琉が登場したことには驚いたものの、琉が遥希のことを知っているのには、少しも驚いていなかった。きっと、琉と遥希が知り合いであることは、遥希から聞いて知っているのだろう。
事情が分かっているなら、このまま千尋も一緒に連れて行っても構わないとも思ったので、行き先変更に躊躇いはなかった。
「つか、お前も来んのかよ」
だから、琉がそう言った相手は、千尋でなく大和なのだ。
琉の家の近くに止まったタクシーから、なぜか大和まで一緒に降りようとするから。
「いいじゃん、いいじゃん。ちーちゃん寝ちゃったんだろ? 俺が部屋まで連れてってやるよ」
大和は尤もらしいことを言いながら、千尋をタクシーから降ろしてやった。
千尋も、あんな目に遭ってからずっと気を張っていたのだろう、遥希が無事だと分かって安堵したに違いないから、確かに起こさずに部屋まで連れて行けるのなら、そのほうがいいのかもしれない。
先週は、琉と遥希の2人だったので、酔い潰れた遥希を1人には出来ないという思いもあって、遥希を琉と一緒のベッドに寝かせたけれど、今日は千尋や大和もいるので、そうするわけにもいかないのだろうと、結局、千尋と遥希をゲストルームのベッドに寝かせた。
「え、てことは俺、琉と一緒のベッドてこと?」
2人を窮屈でない程度に簡単に着替えさせてやって、さぁ部屋を出ようというところで、大和はハタと嫌なことに気が付いた。
琉の家には、来客用に、ベッドの他にふとんもあるけれど、今さら敷くのも面倒くさいし。
「勝手に付いてきたくせに、文句言うな。つか、ソファで寝ろよ、お前」
「えー、扱い悪ぃー。俺だっていろいろお手伝いしたのに~。琉、ヒドイ!」
「ならお前、俺と一緒のベッドで寝たいわけ?」
「寝たくない」
ソファとは言っても結構大きいし、座り心地も寝心地もいいもので、そこまでごねるほどの代物ではないことは、大和もよく知っている。単に、そう言って琉を困らせたいだけのことなのだ。
「つか琉」
「あ?」
「今度、潤也とまた飲み直そうね?」
ピラピラと携帯電話を琉に見せながら、大和は、勝手知ったる琉の家、バスルームに向かう。
琉はそこでようやく、久々に会った潤也に、大和から送信してもらったメールだけで、何の挨拶もなしに帰って来てしまったことを思い出した。
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