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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (70)
2011.11.24 Thu
「…好きになんか、なってない」
『嘘つき』
「嘘じゃないもん」
…嘘だけど。
琉のこと、好きになっちゃったけど。
だって顔や外見なら、ファンなんだし、好きに決まっている。
それで実際に琉に会って話とかしてみたら、ゴシップ誌が伝えるようなよろしくないイメージは少しもなくて、むしろ気さくで優しくて…てなったら、そんなの好きになるに決まっている。
好きになっちゃダメて思ってたって、この気持ちは友情とかファン心理だって思い込もうとしたって……だってそんなの、無理だったんだもん。
『…そっか。しょうがないよね、好きになっちゃうのは』
「……」
『でもいいの?』
「…何が?」
『水落琉のこと好きなのに、クラブ行くとか』
へらへらしながら電話をしてきた酔っ払いと同じ人物なのかと思うような真面目な声で、千尋が聞いてきた。
琉のことを好きになったこと、もっと責められるかと思ったけれど、千尋はいつだって、遥希の気持ちをないがしろにはしないし、かといって、いい加減に聞き流すこともしない。
「…別に、琉とこれ以上どうこうなろうとか思ってないし」
『でも好きなんでしょ?』
「…今は。でも、カッコいい人見つけて、その人のこと好きになれば、琉への気持ち、諦められるじゃん」
『え、諦めるの? 水落のこと』
遥希は琉と仲良くなったけれど、千尋はまだ1度も会ったことのない相手なのに、なぜか琉のこと、名字の呼び捨てになっていて、何だかおかしい。そういえばさっきまで、フルネームだったし。
もしかしたら千尋の中で、琉は遥希をたぶらかした悪者になっているんだろうか。
「だって、どうせ無理じゃん。琉はゲイじゃないし。…ゲイだとしたって、アイドルなんだし、彼氏なんか作れないでしょ、絶対」
『まぁ…そうかもだけど。ちょっとの望みにも賭けないの?』
「ちょっとの望みもないじゃん」
『ふぅん? まぁ、ハルちゃんがいいって言うなら、いいけど。じゃ、明日行こうね~。ひゃはは、ハルちゃん、学校遅刻しないでね~、おやすみ~』
つい今まで真剣な感じで話していたはずの千尋は、遥希がそれでいいのだと決心した途端、最初の酔っ払いのテンションに戻って、ケラケラ笑いながら電話を切った。
一体どっちの千尋が本当なんだろうとも思ったが、結局どっちも千尋なのだ。
「ヤベッ、遅刻する!」
遥希は深く考えるのをやめて、学校に行く支度を整えた。
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『嘘つき』
「嘘じゃないもん」
…嘘だけど。
琉のこと、好きになっちゃったけど。
だって顔や外見なら、ファンなんだし、好きに決まっている。
それで実際に琉に会って話とかしてみたら、ゴシップ誌が伝えるようなよろしくないイメージは少しもなくて、むしろ気さくで優しくて…てなったら、そんなの好きになるに決まっている。
好きになっちゃダメて思ってたって、この気持ちは友情とかファン心理だって思い込もうとしたって……だってそんなの、無理だったんだもん。
『…そっか。しょうがないよね、好きになっちゃうのは』
「……」
『でもいいの?』
「…何が?」
『水落琉のこと好きなのに、クラブ行くとか』
へらへらしながら電話をしてきた酔っ払いと同じ人物なのかと思うような真面目な声で、千尋が聞いてきた。
琉のことを好きになったこと、もっと責められるかと思ったけれど、千尋はいつだって、遥希の気持ちをないがしろにはしないし、かといって、いい加減に聞き流すこともしない。
「…別に、琉とこれ以上どうこうなろうとか思ってないし」
『でも好きなんでしょ?』
「…今は。でも、カッコいい人見つけて、その人のこと好きになれば、琉への気持ち、諦められるじゃん」
『え、諦めるの? 水落のこと』
遥希は琉と仲良くなったけれど、千尋はまだ1度も会ったことのない相手なのに、なぜか琉のこと、名字の呼び捨てになっていて、何だかおかしい。そういえばさっきまで、フルネームだったし。
もしかしたら千尋の中で、琉は遥希をたぶらかした悪者になっているんだろうか。
「だって、どうせ無理じゃん。琉はゲイじゃないし。…ゲイだとしたって、アイドルなんだし、彼氏なんか作れないでしょ、絶対」
『まぁ…そうかもだけど。ちょっとの望みにも賭けないの?』
「ちょっとの望みもないじゃん」
『ふぅん? まぁ、ハルちゃんがいいって言うなら、いいけど。じゃ、明日行こうね~。ひゃはは、ハルちゃん、学校遅刻しないでね~、おやすみ~』
つい今まで真剣な感じで話していたはずの千尋は、遥希がそれでいいのだと決心した途端、最初の酔っ払いのテンションに戻って、ケラケラ笑いながら電話を切った。
一体どっちの千尋が本当なんだろうとも思ったが、結局どっちも千尋なのだ。
「ヤベッ、遅刻する!」
遥希は深く考えるのをやめて、学校に行く支度を整えた。
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