スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (55)
2011.11.09 Wed
(どっち? …て、どっちもか)
少なくても、遥希だけが特別なわけではない。
…悲しいけれど。
(いやいやいやいや、悲しいとか。琉とお友だちになれただけでも、十分嬉しいし)
別に、琉と友だち以上の関係になりたいだなんて、思ってなんかいない。
そんな大それたこと、思うわけがない。
(そんなの、ちーちゃんに言われなくたって、ちゃんと分かってるんだから)
水落琉はゲイじゃないんだから、遥希となんか恋人同士になれるはずがない。
100歩譲って、男性も恋愛対象で見れる人なんだとしても、遥希を好きになってくれるかは別問題だし、第一、芸能人なんだから、そんな簡単に恋人なんか作れないだろう。
…そんなの、遥希自身が一番分かってる。
『ねぇハルちゃん、大丈夫っ…?』
「ぇ…?」
遥希が何度目かの溜め息を零したとき、バスルームのドア、磨りガラスの向こうに人影が現れて、慌てたように声を掛けられた。
声の主は、もちろん家主の琉だ。
一体何事かと思ったが、遥希はひとまず返事をしておく。
「あの…何かあったんですか…?」
急に予定でも入って、すぐにでも家を出なければいけなくなったとか、そういうことなのだろうか。
久々にゆっくり足を伸ばして入れるお風呂に、遥希はのんびり浸かっていたが、湯船に手を突いて、脱衣場のほうへ身を乗り出した。
『いや、ハルちゃんなかなか上がって来ないから、寝ちゃったのかと……何ともないならいいんだけど』
琉に言われて、浴室内に置いてある防水用の時計に目をやれば、遥希が入ってからまだ30分くらいしか経っていない。
普段の遥希は、平気で1時間くらい入っている人だけれど、他人の家の風呂では、30分も長かっただろうか。
「すっ…すいませ…、今上が…」
『ううん、逆上せないなら、ゆっくり入って』
そして琉の気配が遠ざかっていく。
遥希はどうしようか迷ったけれど、きっと琉も風呂に入りたいだろうし…と上がることに決めた。
…琉の服、おっきい。
真っ白な洗い立てのバスタオルを使わせてもらって、借りた着替えに袖を通せば、やはりそこは体格の差のせいで、遥希が着ると少し大きい。
(いやいやいや、ドキドキしてる場合じゃないし。いや、ドキドキなんてしてないし)
事あるごとに反応してしまう自分に、遥希はしっかり言い聞かせる。
別に、何でもない。
(琉は、…何でもないんだから)
back next
少なくても、遥希だけが特別なわけではない。
…悲しいけれど。
(いやいやいやいや、悲しいとか。琉とお友だちになれただけでも、十分嬉しいし)
別に、琉と友だち以上の関係になりたいだなんて、思ってなんかいない。
そんな大それたこと、思うわけがない。
(そんなの、ちーちゃんに言われなくたって、ちゃんと分かってるんだから)
水落琉はゲイじゃないんだから、遥希となんか恋人同士になれるはずがない。
100歩譲って、男性も恋愛対象で見れる人なんだとしても、遥希を好きになってくれるかは別問題だし、第一、芸能人なんだから、そんな簡単に恋人なんか作れないだろう。
…そんなの、遥希自身が一番分かってる。
『ねぇハルちゃん、大丈夫っ…?』
「ぇ…?」
遥希が何度目かの溜め息を零したとき、バスルームのドア、磨りガラスの向こうに人影が現れて、慌てたように声を掛けられた。
声の主は、もちろん家主の琉だ。
一体何事かと思ったが、遥希はひとまず返事をしておく。
「あの…何かあったんですか…?」
急に予定でも入って、すぐにでも家を出なければいけなくなったとか、そういうことなのだろうか。
久々にゆっくり足を伸ばして入れるお風呂に、遥希はのんびり浸かっていたが、湯船に手を突いて、脱衣場のほうへ身を乗り出した。
『いや、ハルちゃんなかなか上がって来ないから、寝ちゃったのかと……何ともないならいいんだけど』
琉に言われて、浴室内に置いてある防水用の時計に目をやれば、遥希が入ってからまだ30分くらいしか経っていない。
普段の遥希は、平気で1時間くらい入っている人だけれど、他人の家の風呂では、30分も長かっただろうか。
「すっ…すいませ…、今上が…」
『ううん、逆上せないなら、ゆっくり入って』
そして琉の気配が遠ざかっていく。
遥希はどうしようか迷ったけれど、きっと琉も風呂に入りたいだろうし…と上がることに決めた。
…琉の服、おっきい。
真っ白な洗い立てのバスタオルを使わせてもらって、借りた着替えに袖を通せば、やはりそこは体格の差のせいで、遥希が着ると少し大きい。
(いやいやいや、ドキドキしてる場合じゃないし。いや、ドキドキなんてしてないし)
事あるごとに反応してしまう自分に、遥希はしっかり言い聞かせる。
別に、何でもない。
(琉は、…何でもないんだから)
back next
- 関連記事
-
- 映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (56) (2011/11/10)
- 映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (55) (2011/11/09)
- 映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (54) (2011/11/08)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。