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in the train (中編)
2011.09.14 Wed
祐介は体勢を立て直そうとしたけれど、後ろの人からの押してくる力が意外に強くて、壁に突いた手を離せない。
両腕をそれぞれ和衣の顔の両脇にあるから、和衣は祐介の腕の中に閉じ込められているみたいな格好になって、やっぱり少し照れる。
けれど、何となく掴まるところが欲しくて、和衣は目の前の祐介の腕に手を乗せた。
「いや、別にいいけど」
自分からしておいて、和衣が『ダメ?』みたいな顔で祐介のほうをチラッと見るから、祐介は笑いそうになりながらも、そう答えた。
壁には寄り掛かれても、吊り革や手すりに掴まるには立ち位置が悪くて、和衣は、電車が揺れたりブレーキを掛けたりするたびに足を踏ん張っていたので。
「…祐介」
「ん?」
「うぅん」
名前を呼ばれて、何? と視線を向ければ、和衣は何でもないと言うように首を振るが、なぜかすごく嬉しそうな顔をしている。
最初は祐介もあまり気にしていなかったのだが、和衣がチラチラと視線を向けてくるから、段々と気になってきた。ジッと見られるのも気恥ずかしいけれど、チラ見されるもの、何だか…。
「…何、和衣」
「何でも…」
「何でもなくないだろ?」
これだけチラチラと見ているんだから、何でもないはずがない。
言いたいことがあるなら言えばいいのに、一体どうしたんだろう。
けれど、和衣が何でもないと言っているうちに、次の駅に停車し、わずかながらの乗客が降りていき、和衣たちが立っていたそばの席が、1つ空いた。
「座っていいよ?」
「んーん、いい。立ってよ?」
見れば周りにお年寄りや体の不自由そうな人もいなかったので、和衣を座らせようとしたのに、和衣はそれを断って、立っていることを選んだ。
降りた以上の乗客が乗り込んできて、電車の中は先ほどよりもすし詰めになる。
祐介は、なるべく和衣を押し潰さないようにしているけれど、明らかに先ほどよりも密着してしまう状態だ。
「やっぱ座ったほうがよかったんじゃない?」
空いていた席には、すでに他の乗客が座っている。
キツくなって、苦しそうな顔をしている和衣に祐介が言ってみても、和衣は、そんなことない、と首を振る。
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両腕をそれぞれ和衣の顔の両脇にあるから、和衣は祐介の腕の中に閉じ込められているみたいな格好になって、やっぱり少し照れる。
けれど、何となく掴まるところが欲しくて、和衣は目の前の祐介の腕に手を乗せた。
「いや、別にいいけど」
自分からしておいて、和衣が『ダメ?』みたいな顔で祐介のほうをチラッと見るから、祐介は笑いそうになりながらも、そう答えた。
壁には寄り掛かれても、吊り革や手すりに掴まるには立ち位置が悪くて、和衣は、電車が揺れたりブレーキを掛けたりするたびに足を踏ん張っていたので。
「…祐介」
「ん?」
「うぅん」
名前を呼ばれて、何? と視線を向ければ、和衣は何でもないと言うように首を振るが、なぜかすごく嬉しそうな顔をしている。
最初は祐介もあまり気にしていなかったのだが、和衣がチラチラと視線を向けてくるから、段々と気になってきた。ジッと見られるのも気恥ずかしいけれど、チラ見されるもの、何だか…。
「…何、和衣」
「何でも…」
「何でもなくないだろ?」
これだけチラチラと見ているんだから、何でもないはずがない。
言いたいことがあるなら言えばいいのに、一体どうしたんだろう。
けれど、和衣が何でもないと言っているうちに、次の駅に停車し、わずかながらの乗客が降りていき、和衣たちが立っていたそばの席が、1つ空いた。
「座っていいよ?」
「んーん、いい。立ってよ?」
見れば周りにお年寄りや体の不自由そうな人もいなかったので、和衣を座らせようとしたのに、和衣はそれを断って、立っていることを選んだ。
降りた以上の乗客が乗り込んできて、電車の中は先ほどよりもすし詰めになる。
祐介は、なるべく和衣を押し潰さないようにしているけれど、明らかに先ほどよりも密着してしまう状態だ。
「やっぱ座ったほうがよかったんじゃない?」
空いていた席には、すでに他の乗客が座っている。
キツくなって、苦しそうな顔をしている和衣に祐介が言ってみても、和衣は、そんなことない、と首を振る。
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- in the train (後編) (2011/09/15)
- in the train (中編) (2011/09/14)
- in the train (前編) (2011/09/13)
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ちよ ⇒ そうだよね~
座っちゃったら、ゆっちさんと離れちゃうもんね~
乙女番長・カズちゃんのおねだり、カワユイ~(*^ω^*)
私なんて、目の前の席が空いたので座ろうと思ったら、
空席の横に居たお姉さんが何故か詰めてしまい、
そんな事とは知らずにお姉さんの膝の上に座っちゃって、
『『キャ━━!!』』二人して悲鳴あげちゃった。
ん~乙女度ゼロです…。
カズちゃんに学ぶ事、多いですね。
乙女番長・カズちゃんのおねだり、カワユイ~(*^ω^*)
私なんて、目の前の席が空いたので座ろうと思ったら、
空席の横に居たお姉さんが何故か詰めてしまい、
そんな事とは知らずにお姉さんの膝の上に座っちゃって、
『『キャ━━!!』』二人して悲鳴あげちゃった。
ん~乙女度ゼロです…。
カズちゃんに学ぶ事、多いですね。
- |2011.09.14
- |Wed
- |19:44
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
そうなんですよ、座っちゃったら、ゆっちさんと離れちゃいますからね!
乙女番長……いい言葉ですね!
まさにカズちゃんにぴったりヽ(^o^)丿
ちよさんの電車内でのハプニング、それはそれで、何だかかわいい(*^_^*)
私はバスで立っていたとき、ブレーキだったかで揺れた拍子に、座っていた男子高校生の膝の上に座ってしまったことがあります…。
でも、そこからドラマのような展開には発展しなかったなぁ…('_')
コメントありがとうございました!
乙女番長……いい言葉ですね!
まさにカズちゃんにぴったりヽ(^o^)丿
ちよさんの電車内でのハプニング、それはそれで、何だかかわいい(*^_^*)
私はバスで立っていたとき、ブレーキだったかで揺れた拍子に、座っていた男子高校生の膝の上に座ってしまったことがあります…。
でも、そこからドラマのような展開には発展しなかったなぁ…('_')
コメントありがとうございました!
- |2011.09.14
- |Wed
- |23:30
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >拍手コメ→Rさん
ゆっちさん、普段はおとなしめなんで、ちょっとした行動が、何だか大胆に見えてくるという…。
そんなところが、余計にカズちゃんの中の、ゆっちさん大好き度をアップさせちゃうんでしょうね(笑)
電車の中のイチャイチャは、度が過ぎると見ているほうが恥ずかしいけれど、満員電車にかこつけて、このくらいのことなら、許してもらえるでしょう!
拍手&コメントありがとうございました!
そんなところが、余計にカズちゃんの中の、ゆっちさん大好き度をアップさせちゃうんでしょうね(笑)
電車の中のイチャイチャは、度が過ぎると見ているほうが恥ずかしいけれど、満員電車にかこつけて、このくらいのことなら、許してもらえるでしょう!
拍手&コメントありがとうございました!
- |2011.09.14
- |Wed
- |23:33
- |URL
- |EDIT|