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果たして馬鹿で愚かでしょうか (1)
2011.06.18 Sat
『ケータイ欲しい』とか高等なことを抜かしやがるから、一発ど突いてやったけど、結局買ってやったリオの携帯電話。
果 た し て 馬 鹿 で 愚 か で し ょ う か
『肉まん食いたーい。買ってきて?』
……………………。
何ですか。
仕事の終わりに、脱力させられるようなこのメールは。
光彰は、受信したメールに返信することもなく、即行で削除してやった。
差出人は言わずもがな、光彰の帰りを……否、肉まんの到着を待っているリオだ。
携帯電話を買ってくれとしつこくせがまれて、2世代くらい前の、格安の携帯電話を買い与えてやったのが10日ほど前。すぐに、無理やり電話番号とメールアドレスを交換させられた。
リオの交友関係は知らないし、そんなに興味もないが、今まで携帯電話を持たなくても済んでいたくらいなのだから、大したことはないのだろう。
いったい何のための携帯電話なんだか……なんて、光彰は呆れ半分に思っている。
「光彰くーん。今日の夜、暇?」
携帯電話をしまった光彰のところに、意味ありげな笑顔で近づいてきたのは、後輩の竜巳(タツミ)だ。
光彰は、この笑顔の意味を知っている。
「…暇じゃない」
だから光彰は、話を聞くまでもなく、そう言ってやった。
「嘘!」
「どうせ合コンの人数集めだろ? めんどい。そんな気分じゃない」
「えー? 女子大生だよ、女子大生! ホラ、興味出て来たでしょ?」
案の定、合コンのお誘いを受け、光彰は本当に面倒臭そうに答えるが、竜巳としても、どうしても光彰を連れて行きたいらしく、「なぁなぁ」としつこい。
「穂積連れけよ」
「えー……穂積くん、行きます?」
「行くわけねぇだろ、アホんだら!」
竜巳に声を掛けられ、穂積は声を荒げた。
ただでさえ人見知りの激しい穂積が、人数合わせとはいえ、知らない人間だらけの合コンになど参加するはずがない。
もちろんそれを分かっていて、あえて光彰は話を振ったのだし、竜巳は初めから声を掛けなかったのだけれど。
「だから光彰くん、行きましょ?」
「何が『だから』だ! 行かねぇって……ちょっ、竜巳!」
嫌がる光彰を引っ張って、竜巳は無理やり光彰の合コン参加を決めてしまった。
「ご愁傷様~」
そんな光彰を、のん気に手を振って、穂積は見送った。
back next
タイトルは、約30の嘘さまから。thanks!
果 た し て 馬 鹿 で 愚 か で し ょ う か
『肉まん食いたーい。買ってきて?』
……………………。
何ですか。
仕事の終わりに、脱力させられるようなこのメールは。
光彰は、受信したメールに返信することもなく、即行で削除してやった。
差出人は言わずもがな、光彰の帰りを……否、肉まんの到着を待っているリオだ。
携帯電話を買ってくれとしつこくせがまれて、2世代くらい前の、格安の携帯電話を買い与えてやったのが10日ほど前。すぐに、無理やり電話番号とメールアドレスを交換させられた。
リオの交友関係は知らないし、そんなに興味もないが、今まで携帯電話を持たなくても済んでいたくらいなのだから、大したことはないのだろう。
いったい何のための携帯電話なんだか……なんて、光彰は呆れ半分に思っている。
「光彰くーん。今日の夜、暇?」
携帯電話をしまった光彰のところに、意味ありげな笑顔で近づいてきたのは、後輩の竜巳(タツミ)だ。
光彰は、この笑顔の意味を知っている。
「…暇じゃない」
だから光彰は、話を聞くまでもなく、そう言ってやった。
「嘘!」
「どうせ合コンの人数集めだろ? めんどい。そんな気分じゃない」
「えー? 女子大生だよ、女子大生! ホラ、興味出て来たでしょ?」
案の定、合コンのお誘いを受け、光彰は本当に面倒臭そうに答えるが、竜巳としても、どうしても光彰を連れて行きたいらしく、「なぁなぁ」としつこい。
「穂積連れけよ」
「えー……穂積くん、行きます?」
「行くわけねぇだろ、アホんだら!」
竜巳に声を掛けられ、穂積は声を荒げた。
ただでさえ人見知りの激しい穂積が、人数合わせとはいえ、知らない人間だらけの合コンになど参加するはずがない。
もちろんそれを分かっていて、あえて光彰は話を振ったのだし、竜巳は初めから声を掛けなかったのだけれど。
「だから光彰くん、行きましょ?」
「何が『だから』だ! 行かねぇって……ちょっ、竜巳!」
嫌がる光彰を引っ張って、竜巳は無理やり光彰の合コン参加を決めてしまった。
「ご愁傷様~」
そんな光彰を、のん気に手を振って、穂積は見送った。
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タイトルは、約30の嘘さまから。thanks!
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