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one night in heaven (19)
2011.05.07 Sat
「ねぇむっちゃん、向こう見て。窓の向こう」
「ん?」
牛フィレとワインを堪能しつつ、亮が窓ガラスの向こう、広がる夜景を指差す。
夜景なら、さっきからずっと見ているけれど。
「もうちょっと向こう側。あそこに見えんの、俺らが乗った観覧車じゃね?」
「えー、どれー?」
「ちょっ…」
睦月が、お行儀悪くフォークをガジガジしながら亮のほうへと身を乗り出せば、いつバランスを崩してもおかしくない体勢に、亮は慌ててその体を支える。
「亮、見えないー」
「ホラ、こっちおいで」
そんなしたら危ない! と思うのに、睦月がジタバタ暴れるから、結局亮は、睦月を膝の上に乗せた。
「あ、観覧車見えるー」
「でしょ?」
先ほどバルコニーに出たときは、広がるキレイな夜景をただ漠然と眺めていただけだったけれど、確かにそこには、イルミネーションの煌めく観覧車が見える。
そういえば昼間乗ったときは、イチャイチャしていたせいもあって、ロクに景色も見ていなかった。
「何かさぁ、夜乗るのも楽しそうだよねー」
片手にフォーク、片手にグラスを持った睦月は、亮の膝の上でクフクフ笑っている。
観覧車なら昼でも夜でもいつでも付き合うが、その後に絶対、絶叫系のアトラクションが待っているのかと思うと、亮はなかなか素直に頷けないのだが。
「んー…亮ー」
「ちょっ待っ…むっちゃん!」
グラスに口を付けようとして、もうすっかり空になっていることに気付いた睦月は、それを置いて、亮のグラスに手を伸ばす。
先ほど注いだばかりの亮のグラスには、まだたっぷりとワインが入っていて、睦月は、グラスを持つ亮の手ごと自分のほうへと引き寄せた。
「待って待って、むっちゃん待って! これオレンジジュース入ってないから」
「んんー、だってー」
亮が飲んでいたのは、オレンジジュースで割っていない、辛口の白ワインだ。
甘くないー! と言っていた最初のうちはよかったけれど、それを忘れて、先ほどカクテルを飲んだときのように、ゴクゴクと飲んでしまったのでは大変だ。
「さっきのカクテル、もっかい作ったげるから! ね?」
「んー…」
亮は、睦月の手が届かないくらいの位置にグラスを置いてから、睦月のグラスに少なめの白ワインとたっぷりのオレンジジュースを注いだ。
やはり思ったとおり、睦月はアルコールさえ入っていたら満足なようで、その配合比率には何も言わない。
「はい、むっちゃん」
「あい」
作ってもらったカクテルの中身はほぼオレンジジュースだが、亮の胸に背中を預けた睦月は、ご機嫌でそれを舐めている。
「んんー、亮、擽ったいー」
睦月を落っことさないように、片手をお腹のところへ回して支えつつ、亮はもう片方の手で睦月の髪を弄る。
その指先が時おり首筋に触れるものだから、睦月は擽ったくて首を竦めた。
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「ん?」
牛フィレとワインを堪能しつつ、亮が窓ガラスの向こう、広がる夜景を指差す。
夜景なら、さっきからずっと見ているけれど。
「もうちょっと向こう側。あそこに見えんの、俺らが乗った観覧車じゃね?」
「えー、どれー?」
「ちょっ…」
睦月が、お行儀悪くフォークをガジガジしながら亮のほうへと身を乗り出せば、いつバランスを崩してもおかしくない体勢に、亮は慌ててその体を支える。
「亮、見えないー」
「ホラ、こっちおいで」
そんなしたら危ない! と思うのに、睦月がジタバタ暴れるから、結局亮は、睦月を膝の上に乗せた。
「あ、観覧車見えるー」
「でしょ?」
先ほどバルコニーに出たときは、広がるキレイな夜景をただ漠然と眺めていただけだったけれど、確かにそこには、イルミネーションの煌めく観覧車が見える。
そういえば昼間乗ったときは、イチャイチャしていたせいもあって、ロクに景色も見ていなかった。
「何かさぁ、夜乗るのも楽しそうだよねー」
片手にフォーク、片手にグラスを持った睦月は、亮の膝の上でクフクフ笑っている。
観覧車なら昼でも夜でもいつでも付き合うが、その後に絶対、絶叫系のアトラクションが待っているのかと思うと、亮はなかなか素直に頷けないのだが。
「んー…亮ー」
「ちょっ待っ…むっちゃん!」
グラスに口を付けようとして、もうすっかり空になっていることに気付いた睦月は、それを置いて、亮のグラスに手を伸ばす。
先ほど注いだばかりの亮のグラスには、まだたっぷりとワインが入っていて、睦月は、グラスを持つ亮の手ごと自分のほうへと引き寄せた。
「待って待って、むっちゃん待って! これオレンジジュース入ってないから」
「んんー、だってー」
亮が飲んでいたのは、オレンジジュースで割っていない、辛口の白ワインだ。
甘くないー! と言っていた最初のうちはよかったけれど、それを忘れて、先ほどカクテルを飲んだときのように、ゴクゴクと飲んでしまったのでは大変だ。
「さっきのカクテル、もっかい作ったげるから! ね?」
「んー…」
亮は、睦月の手が届かないくらいの位置にグラスを置いてから、睦月のグラスに少なめの白ワインとたっぷりのオレンジジュースを注いだ。
やはり思ったとおり、睦月はアルコールさえ入っていたら満足なようで、その配合比率には何も言わない。
「はい、むっちゃん」
「あい」
作ってもらったカクテルの中身はほぼオレンジジュースだが、亮の胸に背中を預けた睦月は、ご機嫌でそれを舐めている。
「んんー、亮、擽ったいー」
睦月を落っことさないように、片手をお腹のところへ回して支えつつ、亮はもう片方の手で睦月の髪を弄る。
その指先が時おり首筋に触れるものだから、睦月は擽ったくて首を竦めた。
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COMMENT-FORM
けいったん ⇒
どんだけ 甘甘な二人なんでしょうね~(照ッ)
こんな恋人時代を過ごした経験が無い私には どうしていいやらーー!ォロ(∀ ̄;)(; ̄∀)ォロ
如月さまの経験談なのかな----ジィ~(ェ)...byebye☆
こんな恋人時代を過ごした経験が無い私には どうしていいやらーー!ォロ(∀ ̄;)(; ̄∀)ォロ
如月さまの経験談なのかな----ジィ~(ェ)...byebye☆
- |2011.05.07
- |Sat
- |12:33
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
むっちゃんが、無意識のスーパー・スキンシッパーだからこそ、出来ることですよね(笑)
うちの子たちでもこんなこと出来ちゃうの、この2人だけなんじゃないかなぁ~、と密かに思ってます。
私もこんな経験ないですよよ~。
あ~ん、とかされたら、「は?」て言っちゃいそう…(-"-)
コメントありがとうございました!
うちの子たちでもこんなこと出来ちゃうの、この2人だけなんじゃないかなぁ~、と密かに思ってます。
私もこんな経験ないですよよ~。
あ~ん、とかされたら、「は?」て言っちゃいそう…(-"-)
コメントありがとうございました!