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one night in heaven (17)
2011.05.05 Thu
「…甘い」
「これなら飲めそう?」
「…ん」
やっぱり甘い味のほうが、睦月には合うみたい。
本当は辛口のワインも似合う、大人の男になりたいけれど。
目の前でグラスに自分の分のワインを注ぐ男を見ながら、睦月は、同い年なのにどうしてこんなに様になっているのか、不思議に思うのとちょっと悔しいと思うのと、綯い交ぜの気持ちになった。
「ん? どした?」
「どーもしない。亮、座ってよ、食べないの?」
「食べるけど。先に乾杯しよ?」
何で亮、座んないの? という顔をしている顔をしている睦月とグラスを合わせ、亮は注がれたワインを半分ほど飲んだ。
「はい、むっちゃん、あーん」
「んー?」
亮は席に着かないまま、前菜にあったプロシュートをフォークに刺すと、睦月の口元へと持っていく。
全然座らないし、急に『あーん』とかするし、亮、意味分かんない……と思いつつ、睦月は口を開けた(おいしいもの関しては、とっても素直なのだ、睦月は)。
「なぁに、亮、むぐむぐ……ちゃんとしないの? 何で座んないの?」
「だってこっちに座ると、むっちゃんが遠いんだもん」
「は?」
向かい合わせで座るようセッティングされたテーブルは、しかしワゴンを兼ねたものだから、そんなに大きいわけではなくて、つまりは、そんなに遠いわけでもない。
なのに亮は、夜景をバックにしながら掃き出しの窓に寄り掛かって、子どものように拗ねた顔をしている。
「亮、もう酔っ払っちゃった?」
「何で? 酔ってないよ」
亮、いつもと雰囲気違くない? と睦月は小首を傾げるが、まだグラスに半分ほどのワインしか飲んでいないから、酔っ払うはずもない。
普段2人きりのときは、睦月がナチュラルに亮にくっ付いているせいか、亮は食事のときまでベッタリはしないけれど、今日の雰囲気が、亮を甘えたにさせているみたい。
「もぉー、亮、甘えたいのー? いいよ、甘えても」
亮の態度の意味が分かったのか、睦月は若干上から目線でそう言った。
「ふはは、ありがと、むっちゃん」
やはりずっと立ったままなのはお行儀が悪いから、亮は椅子を睦月の向かいから、もっと近い場所へと動かして、ようやく座った。
「俺も『あーん』してあげるよ。はい、亮、あーん」
「え、ちょっ…」
亮が席に着くと、睦月は早速メインの魚料理、トマトソースの掛かった魚のソテーを切って、亮の口元へと突き出した。
レストランなんかのフルコースと違って、ルームサービスは一気にすべてのお皿が出て来るから、いきなりメインディッシュでも構わないけれど(そういう細かいマナーを気にしたくないからルームサービスにしたわけだし)、それはいいとして、睦月が差し出した魚のソテー、一口大と言うには少し大きすぎる…。
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「これなら飲めそう?」
「…ん」
やっぱり甘い味のほうが、睦月には合うみたい。
本当は辛口のワインも似合う、大人の男になりたいけれど。
目の前でグラスに自分の分のワインを注ぐ男を見ながら、睦月は、同い年なのにどうしてこんなに様になっているのか、不思議に思うのとちょっと悔しいと思うのと、綯い交ぜの気持ちになった。
「ん? どした?」
「どーもしない。亮、座ってよ、食べないの?」
「食べるけど。先に乾杯しよ?」
何で亮、座んないの? という顔をしている顔をしている睦月とグラスを合わせ、亮は注がれたワインを半分ほど飲んだ。
「はい、むっちゃん、あーん」
「んー?」
亮は席に着かないまま、前菜にあったプロシュートをフォークに刺すと、睦月の口元へと持っていく。
全然座らないし、急に『あーん』とかするし、亮、意味分かんない……と思いつつ、睦月は口を開けた(おいしいもの関しては、とっても素直なのだ、睦月は)。
「なぁに、亮、むぐむぐ……ちゃんとしないの? 何で座んないの?」
「だってこっちに座ると、むっちゃんが遠いんだもん」
「は?」
向かい合わせで座るようセッティングされたテーブルは、しかしワゴンを兼ねたものだから、そんなに大きいわけではなくて、つまりは、そんなに遠いわけでもない。
なのに亮は、夜景をバックにしながら掃き出しの窓に寄り掛かって、子どものように拗ねた顔をしている。
「亮、もう酔っ払っちゃった?」
「何で? 酔ってないよ」
亮、いつもと雰囲気違くない? と睦月は小首を傾げるが、まだグラスに半分ほどのワインしか飲んでいないから、酔っ払うはずもない。
普段2人きりのときは、睦月がナチュラルに亮にくっ付いているせいか、亮は食事のときまでベッタリはしないけれど、今日の雰囲気が、亮を甘えたにさせているみたい。
「もぉー、亮、甘えたいのー? いいよ、甘えても」
亮の態度の意味が分かったのか、睦月は若干上から目線でそう言った。
「ふはは、ありがと、むっちゃん」
やはりずっと立ったままなのはお行儀が悪いから、亮は椅子を睦月の向かいから、もっと近い場所へと動かして、ようやく座った。
「俺も『あーん』してあげるよ。はい、亮、あーん」
「え、ちょっ…」
亮が席に着くと、睦月は早速メインの魚料理、トマトソースの掛かった魚のソテーを切って、亮の口元へと突き出した。
レストランなんかのフルコースと違って、ルームサービスは一気にすべてのお皿が出て来るから、いきなりメインディッシュでも構わないけれど(そういう細かいマナーを気にしたくないからルームサービスにしたわけだし)、それはいいとして、睦月が差し出した魚のソテー、一口大と言うには少し大きすぎる…。
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けいったん ⇒
ワインで 乾杯~(*゚ω゚)ノ∀☆∀ヽ(゚ω゚*)
そして 互いに 食べさせ合いっこだなんて~
( *^-^)ρ(^0^* ) あ~ん♪....( *^0^)q(^-^* ) あ~ん♪
もう むっちゃんだけじゃなく 亮まで 甘えた君に!(*・ω・*) 照
今 たった一人で PCの前にいるのが バカらしくなって来たわっ!
如月さま、昨日は 携帯からの返事を ありがとう御座いました。ペコリ(o_ _)o))
今日も お出かけなら 返事は お気遣いなく~ネッ!(○ゝз・)b⌒byebye☆
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( *^-^)ρ(^0^* ) あ~ん♪....( *^0^)q(^-^* ) あ~ん♪
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今 たった一人で PCの前にいるのが バカらしくなって来たわっ!
如月さま、昨日は 携帯からの返事を ありがとう御座いました。ペコリ(o_ _)o))
今日も お出かけなら 返事は お気遣いなく~ネッ!(○ゝз・)b⌒byebye☆
- |2011.05.05
- |Thu
- |14:27
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
基本的にむっちゃん、食べさせてもらうことへの抵抗感ゼロなんで(^_^;)
でも、むっちゃんから「あーん」されるときは、エビの頭も丸ごと来ちゃうんで、ある程度は覚悟しておかないとですね(笑)
亮タン、今日は結構いいところで寸止めが多かったんで、そろそろ我慢も限界でしょうか。
ホントこれだけいちゃつかれると、1人でいるのが空しくなりますよね(>_<)
コメントありがとうございました!
でも、むっちゃんから「あーん」されるときは、エビの頭も丸ごと来ちゃうんで、ある程度は覚悟しておかないとですね(笑)
亮タン、今日は結構いいところで寸止めが多かったんで、そろそろ我慢も限界でしょうか。
ホントこれだけいちゃつかれると、1人でいるのが空しくなりますよね(>_<)
コメントありがとうございました!