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キャンディじゃなくてキスが欲しいよ (1)
2011.03.03 Thu
ホワイトデー小説開始です。タイトルはLUCY28様より。thanks!
「俺、思ったんだけどね」
バイトからの帰り道。
3月に入ったとはいえ、夜はまだ寒くて、和衣は肩を竦めながら、真冬並みの防寒対策で隣を歩いている睦月のほうを見た。
「3月のほうが難しいと思わないっ!?」
「…………。…は?」
カズちゃんの言ってることのほうが、意味分かんな過ぎて難しいんだけど…と、睦月はマフラーに首元をうずめつつ思う。
「だからー、3月! ホワイトデー!」
「あぁ」
確かに3月にはホワイトデーがある。
それは分かった。
分かったけれど、それが何?
「だって、何お返ししていいか分かんなくないっ? 超難しいんだけど!」
「カズちゃん、バレンタインにチョコなんか貰ったっけ?」
ホワイトデーにお返しするからには、バレンタインにチョコを貰ったということだ。
けれど、バイト先の義理チョコと、愛菜と眞織からのチロルチョコの詰め合わせ以外に、和衣が女の子からチョコを貰っていたなんて、睦月は知らなかった。
和衣の性格からして、そういうことは絶対に隠しておけないはずなのに。
ということは、やっぱり他には貰っていなくて……だとしたら、義理チョコのお返し?
バイト先でのお返しなら、男性陣全員でお金を出し合うのに便乗するから、悩むとしたら愛菜と眞織の分ということになる。
まぁそうだよね。三倍返しとかしないと、怖そうだもんね。
「違うよ、違ーーうっ! 義理チョコのお返しなんかで、悩むわけないじゃん!」
「でも愛菜ちゃんたち、何かすごいいいの上げないと、許してくれなそうじゃない?」
「いや、許すって…。つか、愛菜ちゃんたちがくれたチロル、一番食べてたのむっちゃんじゃん。むっちゃんがお返ししなよ」
「あはははは」
チロルチョコが詰め合わせになっているボックスを2つ、いつものメンバーでダラダラしていたカフェテリアに、「みんなで食べて」と、愛菜と眞織が置いていったのは2月14日。
あからさまな義理チョコに、亮や智久は苦笑していたのだが、キャー、チョコがいっぱ~いっ! と睦月はテンションを上げて、片っ端から頬張っていた。
とは言え、愛菜も眞織も最初から、この男子どもから大したお返しなど期待はしていないだろうが。
「もー違うの違うの! お返しっつったら、祐介に上げるヤツに決まってんじゃん!」
「………………はい?」
当たり前のようにそう言って来た和衣に、睦月はうんと眉を寄せた。
え、バレンタインのお返しを、祐介に上げるの?
「だって、祐介からもチョコ貰ったもん」
「そうかもだけど…、カズちゃんだってチョコ上げたんでしょ?」
それでおあいこなんじゃないの?
大体去年のホワイトデーは、何上げようかなんて、騒いだりはしていなかったのに。
「去年はさぁ、そんなこと全然思い付かなくてっ。後になって、ホワイトデー! て気が付いたの。だから今年こそは! て思って」
「えー…。別にそんなの、一生気が付かなくてよかったのに」
「ちょっむっちゃん! 何でそんなこと言うの!?」
「面倒くさいから」
だって、本当に面倒くさい。
別に祐介にバレンタインのお返しをやろうがやるまいが、そんなことはどうでもいいけれど、和衣は最初に、『何をお返ししたらいいか分からない』と言ったのだ。
そうすれば、その次に続く言葉は、何となく……でなく、ハッキリと想像が付く。
「もーむっちゃん、そんなこと言わないで一緒に考えてよぉ! ホワイトデー、何上げたらいいと思う!?」
……やっぱり…。
どうせ1人では決められないのだから、何か上げたいだなんて、考えなければいいのに…。
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「俺、思ったんだけどね」
バイトからの帰り道。
3月に入ったとはいえ、夜はまだ寒くて、和衣は肩を竦めながら、真冬並みの防寒対策で隣を歩いている睦月のほうを見た。
「3月のほうが難しいと思わないっ!?」
「…………。…は?」
カズちゃんの言ってることのほうが、意味分かんな過ぎて難しいんだけど…と、睦月はマフラーに首元をうずめつつ思う。
「だからー、3月! ホワイトデー!」
「あぁ」
確かに3月にはホワイトデーがある。
それは分かった。
分かったけれど、それが何?
「だって、何お返ししていいか分かんなくないっ? 超難しいんだけど!」
「カズちゃん、バレンタインにチョコなんか貰ったっけ?」
ホワイトデーにお返しするからには、バレンタインにチョコを貰ったということだ。
けれど、バイト先の義理チョコと、愛菜と眞織からのチロルチョコの詰め合わせ以外に、和衣が女の子からチョコを貰っていたなんて、睦月は知らなかった。
和衣の性格からして、そういうことは絶対に隠しておけないはずなのに。
ということは、やっぱり他には貰っていなくて……だとしたら、義理チョコのお返し?
バイト先でのお返しなら、男性陣全員でお金を出し合うのに便乗するから、悩むとしたら愛菜と眞織の分ということになる。
まぁそうだよね。三倍返しとかしないと、怖そうだもんね。
「違うよ、違ーーうっ! 義理チョコのお返しなんかで、悩むわけないじゃん!」
「でも愛菜ちゃんたち、何かすごいいいの上げないと、許してくれなそうじゃない?」
「いや、許すって…。つか、愛菜ちゃんたちがくれたチロル、一番食べてたのむっちゃんじゃん。むっちゃんがお返ししなよ」
「あはははは」
チロルチョコが詰め合わせになっているボックスを2つ、いつものメンバーでダラダラしていたカフェテリアに、「みんなで食べて」と、愛菜と眞織が置いていったのは2月14日。
あからさまな義理チョコに、亮や智久は苦笑していたのだが、キャー、チョコがいっぱ~いっ! と睦月はテンションを上げて、片っ端から頬張っていた。
とは言え、愛菜も眞織も最初から、この男子どもから大したお返しなど期待はしていないだろうが。
「もー違うの違うの! お返しっつったら、祐介に上げるヤツに決まってんじゃん!」
「………………はい?」
当たり前のようにそう言って来た和衣に、睦月はうんと眉を寄せた。
え、バレンタインのお返しを、祐介に上げるの?
「だって、祐介からもチョコ貰ったもん」
「そうかもだけど…、カズちゃんだってチョコ上げたんでしょ?」
それでおあいこなんじゃないの?
大体去年のホワイトデーは、何上げようかなんて、騒いだりはしていなかったのに。
「去年はさぁ、そんなこと全然思い付かなくてっ。後になって、ホワイトデー! て気が付いたの。だから今年こそは! て思って」
「えー…。別にそんなの、一生気が付かなくてよかったのに」
「ちょっむっちゃん! 何でそんなこと言うの!?」
「面倒くさいから」
だって、本当に面倒くさい。
別に祐介にバレンタインのお返しをやろうがやるまいが、そんなことはどうでもいいけれど、和衣は最初に、『何をお返ししたらいいか分からない』と言ったのだ。
そうすれば、その次に続く言葉は、何となく……でなく、ハッキリと想像が付く。
「もーむっちゃん、そんなこと言わないで一緒に考えてよぉ! ホワイトデー、何上げたらいいと思う!?」
……やっぱり…。
どうせ1人では決められないのだから、何か上げたいだなんて、考えなければいいのに…。
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カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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COMMENT-FORM
粟津原栗子 ⇒
「一生気が付かなくてよかったのに」←むっちゃんwww
ですよね、面倒だよね。しかもバレンタインデーにあげっこしてたらホワイトデーいらなくね?って、そりゃ思うよ思いますよ私も(笑
どうしよう、カズちゃんって(一応女の)私よりもイベント事に敏感なのかも、と焦りを感じています(;´▽`A``
ですよね、面倒だよね。しかもバレンタインデーにあげっこしてたらホワイトデーいらなくね?って、そりゃ思うよ思いますよ私も(笑
どうしよう、カズちゃんって(一応女の)私よりもイベント事に敏感なのかも、と焦りを感じています(;´▽`A``
- |2011.03.04
- |Fri
- |15:40
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >粟津原さん
むっちゃん、ホント素直な子なんで…(^_^;)
まぁこれも、お互い気を許し合ってるからこそ、言えるんだと思いますが。
私もカズちゃん見てると、女として負けた感が、半端ないです。
私なんて、今の職場は義理チョコを上げる風習がない課で、喜んじゃったくらいですからね(苦笑)
乙女の代名詞、カズちゃんです(*^_^*)
コメントありがとうございました!
まぁこれも、お互い気を許し合ってるからこそ、言えるんだと思いますが。
私もカズちゃん見てると、女として負けた感が、半端ないです。
私なんて、今の職場は義理チョコを上げる風習がない課で、喜んじゃったくらいですからね(苦笑)
乙女の代名詞、カズちゃんです(*^_^*)
コメントありがとうございました!