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ホラー映画にはご用心 (1)
2011.02.22 Tue
「ショウちゃん、ショウちゃーん」
一応のノックの後、睦月が部屋のドアを開けると、中には翔真の他に、その恋人である真大がいた。
恋人同士とはいえ、ここは寮の一室で、しかも翔真と蒼一郎の部屋だから、2人が致しちゃってるなんてことはないはずで(寮の壁が薄いことは、みんな百も承知だし)、睦月は翔真と一緒にいるのが蒼一郎だろうと真大だろうと、構わずドアを開けたのだ。
「ねぇねぇショウちゃん、怖いヤツ平気? 映画とか」
それでも室内に真大がいたことに気を遣ってか(もしくは未だ真大に対して人見知り全開なせいか)、睦月は中まで上がり込まず、ドアのところで首を傾げている。
「怖い映画?」
「今日ね、夜ね、あんの。怖いの。でも亮が絶対見たくないって。俺見たいのに…。しかも録画もダメ! て。だからショウちゃん平気なら、ここで見させてくんないかなぁ、て思って」
拗ねた口調で唇を尖らせる睦月に、翔真はヘタレでビビりな親友の顔を思い出し、「あぁ~…」と納得しつつ苦笑した。
「俺は別にいいけど…」
そう答えてから、翔真はチラリと真大を見た。
自分がよくても、一緒にいる真大が嫌がるなら、OKは出せないから。
「俺も平気だよ」
真大の返事に、睦月は一瞬、パァッと顔を明るくさせたが、すぐにハッとした表情になった。
翔真が真大にそう尋ねるということは、映画の時間も真大がここにいるわけで、何だか恋人同士の時間を邪魔するようで、ちょっと嫌だ。
「…俺、ここで映画見ていい?」
「あはは、いいよ。どうせ蒼も帰って来るし」
「そっか。あ、でも蒼ちゃんて怖いの平気なの?」
「あ、それは知らない」
今不在の蒼一郎も、夜には帰って来るようで、別に睦月がお邪魔虫になるようなことはないようだが、そういえば蒼一郎がホラー映画を見れるかどうかまでは知らなかった。
「何となくだけど、平気じゃなさそう」
"ヘタレでビビり"という点では、蒼一郎も亮に引けを取らない。
真大は単に想像で『平気じゃなさそう』と言ったが、それには翔真も睦月も同感だった。
「じゃあ、蒼ちゃん帰ってきたら嫌がるかな…」
「祐介とかカズは? いねぇの?」
「ゆっちはダメ! アイツ、ちょーーーービビりだもん。ぜぇったい見るわけない! 見ようっつったら、逆ギレされるに決まってる」
力いっぱい力説する睦月に、翔真は腹を抱えて笑い出す。
学年も違い、普段はそんなに一緒にいることのない真大は知らないが、祐介も相当のビビリなのだ。
「カズは?」
「カズちゃんいなかった…。でも部屋の人、ダメみたいなの…」
恐らくこの寮内で、睦月と同じ番組を見たがっている人間は他にもいるだろうけれど、人見知りの睦月が、その部屋に上がり込んで、一緒に見れる人間はそういない。
となると、やはり翔真の部屋しかない。
「いいよ、おいで」
「わーい、ショウちゃんありがとう~」
じゃあ用意して、後で来るねー! と睦月は元気よく部屋を出ていった。
「しょーがないよね、これは」
どうせ夜には蒼一郎も帰って来るし、この寮にいてこれ以上のイチャイチャは出来ないのだから、来たがる睦月を拒み切れない。
今から出掛けるつもりもなかったし。
「つか翔真くん、怖い映画、平気なんだ」
「んー…すっごい平気、てわけじゃないけど……まぁ見れる」
「なぁーんだ。せっかく一緒に見て、怖がってる翔真くんに、『キャー!』つって抱き付かれようと思ったのに」
「…何その妄想」
時代遅れの少女マンガのような真大の発想に、翔真は少しだけ呆れた顔をする。
しかも、いくら怖くても、『キャー!』なんて悲鳴は上げない。
「てか、むっちゃん、何の用意してくるつもりなんだろ…」
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一応のノックの後、睦月が部屋のドアを開けると、中には翔真の他に、その恋人である真大がいた。
恋人同士とはいえ、ここは寮の一室で、しかも翔真と蒼一郎の部屋だから、2人が致しちゃってるなんてことはないはずで(寮の壁が薄いことは、みんな百も承知だし)、睦月は翔真と一緒にいるのが蒼一郎だろうと真大だろうと、構わずドアを開けたのだ。
「ねぇねぇショウちゃん、怖いヤツ平気? 映画とか」
それでも室内に真大がいたことに気を遣ってか(もしくは未だ真大に対して人見知り全開なせいか)、睦月は中まで上がり込まず、ドアのところで首を傾げている。
「怖い映画?」
「今日ね、夜ね、あんの。怖いの。でも亮が絶対見たくないって。俺見たいのに…。しかも録画もダメ! て。だからショウちゃん平気なら、ここで見させてくんないかなぁ、て思って」
拗ねた口調で唇を尖らせる睦月に、翔真はヘタレでビビりな親友の顔を思い出し、「あぁ~…」と納得しつつ苦笑した。
「俺は別にいいけど…」
そう答えてから、翔真はチラリと真大を見た。
自分がよくても、一緒にいる真大が嫌がるなら、OKは出せないから。
「俺も平気だよ」
真大の返事に、睦月は一瞬、パァッと顔を明るくさせたが、すぐにハッとした表情になった。
翔真が真大にそう尋ねるということは、映画の時間も真大がここにいるわけで、何だか恋人同士の時間を邪魔するようで、ちょっと嫌だ。
「…俺、ここで映画見ていい?」
「あはは、いいよ。どうせ蒼も帰って来るし」
「そっか。あ、でも蒼ちゃんて怖いの平気なの?」
「あ、それは知らない」
今不在の蒼一郎も、夜には帰って来るようで、別に睦月がお邪魔虫になるようなことはないようだが、そういえば蒼一郎がホラー映画を見れるかどうかまでは知らなかった。
「何となくだけど、平気じゃなさそう」
"ヘタレでビビり"という点では、蒼一郎も亮に引けを取らない。
真大は単に想像で『平気じゃなさそう』と言ったが、それには翔真も睦月も同感だった。
「じゃあ、蒼ちゃん帰ってきたら嫌がるかな…」
「祐介とかカズは? いねぇの?」
「ゆっちはダメ! アイツ、ちょーーーービビりだもん。ぜぇったい見るわけない! 見ようっつったら、逆ギレされるに決まってる」
力いっぱい力説する睦月に、翔真は腹を抱えて笑い出す。
学年も違い、普段はそんなに一緒にいることのない真大は知らないが、祐介も相当のビビリなのだ。
「カズは?」
「カズちゃんいなかった…。でも部屋の人、ダメみたいなの…」
恐らくこの寮内で、睦月と同じ番組を見たがっている人間は他にもいるだろうけれど、人見知りの睦月が、その部屋に上がり込んで、一緒に見れる人間はそういない。
となると、やはり翔真の部屋しかない。
「いいよ、おいで」
「わーい、ショウちゃんありがとう~」
じゃあ用意して、後で来るねー! と睦月は元気よく部屋を出ていった。
「しょーがないよね、これは」
どうせ夜には蒼一郎も帰って来るし、この寮にいてこれ以上のイチャイチャは出来ないのだから、来たがる睦月を拒み切れない。
今から出掛けるつもりもなかったし。
「つか翔真くん、怖い映画、平気なんだ」
「んー…すっごい平気、てわけじゃないけど……まぁ見れる」
「なぁーんだ。せっかく一緒に見て、怖がってる翔真くんに、『キャー!』つって抱き付かれようと思ったのに」
「…何その妄想」
時代遅れの少女マンガのような真大の発想に、翔真は少しだけ呆れた顔をする。
しかも、いくら怖くても、『キャー!』なんて悲鳴は上げない。
「てか、むっちゃん、何の用意してくるつもりなんだろ…」
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