スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
女王様のバレンタイン (2)
2011.02.19 Sat
「なーんだ。石田からも、チョコが貰えると思ったのに」
「何で俺がお前にやんなきゃなんねぇんだよ」
「だってお前、俺のこと好きでしょ?」
水瀬はシレッとそう言い放ったが、石田は何も返事をせず、ベッドの傍らに座った。
もちろん水瀬のことは嫌いではないけれど、恋愛感情で好きかと聞かれたら、返事に困る。水瀬のことを、そういうふうに好きになったら最後、どこまでも堕ちていきそうな気がするから。
石田が何も答えないことは想定の範囲だったのか、水瀬はそれ以上は何も言わず、まだ食べ切っていないうちに、次の包みを開け始めた。
「お前、この食い掛け、どうすんの?」
「もう飽きた。石田に上げるー」
義理とはいえ、チョコをくれた女の子にずいぶん失礼な言い草だけれど、水瀬は平気でのたまっている。
それにしても、『飽きた』と言いながら開けている包みの中身も、チョコなのだが。
そんな些細な矛盾など気にすることもなく、水瀬はキレイなラッピングを無造作に剥いで、新しいチョコを口に運んでいる。
「…そんなに甘いモンばっか食ってて、気持ち悪くなんねぇ?」
「うーん…、ん、んっ…!」
チョコに掛かったたっぷりのココアパウダーが、パラパラとシーツの上に零れていく。
水瀬も、しまった! みたいな顔で、その粉を手で受け止めようとしたが、うまく行かず、結局シーツを思い切り汚してしまった。
「…ゴメンなさい、石田さん」
「別に、お前が寝るんだし」
「ぅー…」
しかも、指先がココアパウダーで汚れいたせいで、シーツの被害は拡大してしまっている。
「あーもうっ!」
「何だよ、自分が悪ぃんだろ」
何かいろいろ思うようにいかなくて、水瀬はジタバタと暴れ出すが、そのせいで、箱の中のココアパウダーがさらに飛び散ってしまう。
石田は水瀬の手首を掴んで、その動きを封じた。
「やめろよ、石田のバカ」
「どっちがだよ」
石田はただ、これ以上被害を大きくさせないために水瀬の手を掴んだだけなので、水瀬が大人しくなると、あっさりと手を解放した。
水瀬は、ココアパウダーまみれの指を舐めようとして、ふと何かを思い付いたように手を止めた。
「ねぇ石田、舐めて」
水瀬は笑って、ココアパウダーまみれの指を石田の口に突っ込んだ。
突然のことに石田が眉を寄せたが、それが水瀬のS心を刺激したのか、水瀬は楽しげに口元に笑みを浮かべた。
しかし笑っていられたのは一瞬で、石田の舌が指先を舐め上げると、水瀬はふるりと背中を震わせてしまった。
「…石田のバカ」
「どっちがだよ」
指を引き抜けば、石田の唇が、ココアで少し汚れている。水瀬の指が滑ったとき、付いたに違いない。
何となく水瀬は、石田のジャージの胸倉を掴んで顔を引き寄せると、そのまま唇を奪った。
甘い甘い舌が、石田の口内へ侵入する。いやしかし、石田の口の中も、甘い。そういえばさっき、無理やりチョコを1つ食べさせたんだった。
「…ん」
離れていく石田の唇を、舌先で舐める。
甘い。
back next
「何で俺がお前にやんなきゃなんねぇんだよ」
「だってお前、俺のこと好きでしょ?」
水瀬はシレッとそう言い放ったが、石田は何も返事をせず、ベッドの傍らに座った。
もちろん水瀬のことは嫌いではないけれど、恋愛感情で好きかと聞かれたら、返事に困る。水瀬のことを、そういうふうに好きになったら最後、どこまでも堕ちていきそうな気がするから。
石田が何も答えないことは想定の範囲だったのか、水瀬はそれ以上は何も言わず、まだ食べ切っていないうちに、次の包みを開け始めた。
「お前、この食い掛け、どうすんの?」
「もう飽きた。石田に上げるー」
義理とはいえ、チョコをくれた女の子にずいぶん失礼な言い草だけれど、水瀬は平気でのたまっている。
それにしても、『飽きた』と言いながら開けている包みの中身も、チョコなのだが。
そんな些細な矛盾など気にすることもなく、水瀬はキレイなラッピングを無造作に剥いで、新しいチョコを口に運んでいる。
「…そんなに甘いモンばっか食ってて、気持ち悪くなんねぇ?」
「うーん…、ん、んっ…!」
チョコに掛かったたっぷりのココアパウダーが、パラパラとシーツの上に零れていく。
水瀬も、しまった! みたいな顔で、その粉を手で受け止めようとしたが、うまく行かず、結局シーツを思い切り汚してしまった。
「…ゴメンなさい、石田さん」
「別に、お前が寝るんだし」
「ぅー…」
しかも、指先がココアパウダーで汚れいたせいで、シーツの被害は拡大してしまっている。
「あーもうっ!」
「何だよ、自分が悪ぃんだろ」
何かいろいろ思うようにいかなくて、水瀬はジタバタと暴れ出すが、そのせいで、箱の中のココアパウダーがさらに飛び散ってしまう。
石田は水瀬の手首を掴んで、その動きを封じた。
「やめろよ、石田のバカ」
「どっちがだよ」
石田はただ、これ以上被害を大きくさせないために水瀬の手を掴んだだけなので、水瀬が大人しくなると、あっさりと手を解放した。
水瀬は、ココアパウダーまみれの指を舐めようとして、ふと何かを思い付いたように手を止めた。
「ねぇ石田、舐めて」
水瀬は笑って、ココアパウダーまみれの指を石田の口に突っ込んだ。
突然のことに石田が眉を寄せたが、それが水瀬のS心を刺激したのか、水瀬は楽しげに口元に笑みを浮かべた。
しかし笑っていられたのは一瞬で、石田の舌が指先を舐め上げると、水瀬はふるりと背中を震わせてしまった。
「…石田のバカ」
「どっちがだよ」
指を引き抜けば、石田の唇が、ココアで少し汚れている。水瀬の指が滑ったとき、付いたに違いない。
何となく水瀬は、石田のジャージの胸倉を掴んで顔を引き寄せると、そのまま唇を奪った。
甘い甘い舌が、石田の口内へ侵入する。いやしかし、石田の口の中も、甘い。そういえばさっき、無理やりチョコを1つ食べさせたんだった。
「…ん」
離れていく石田の唇を、舌先で舐める。
甘い。
back next
- 関連記事
-
- 女王様のバレンタイン (3) (2011/02/20)
- 女王様のバレンタイン (2) (2011/02/19)
- 女王様のバレンタイン (1) (2011/02/18)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。