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ハッピークリスマス (11)
2011.01.31 Mon
だが、微妙に落ち込む湊の横で、隼人は表情こそ変えないが、心の中で『よっしゃぁ!』とガッツポーズを決めた。
湊に彼女がいないのであれば、隼人にだってチャンスは十分にある。
…いや、『十分』は言い過ぎた。
男である自分が、湊の彼女的ポジション(またはその逆)に納まれる可能性が高くないことを、隼人はよく分かっている。
しかし、彼女がいる場合に比べたら、幾分かは確率が上がったのだ。
今朝は、イブにバイトなんて面倒くさいけれど、湊と一緒に過ごせるし、まぁいっか…くらいの気持ちだったが、状況こそ何も変わらないものの、隼人のテンションは急上昇する。
「そーかぁ、いないかぁ、ならしょうがねぇなぁ。イブにバイトでも」
「うぅ…隼人くんだって同じなのにぃ~…」
「あぁん?」
「何でもないです~…」
楽しそうにからかって来る隼人に、ほんの少しばかり反撃してみても、それは一瞬のうちに蹴散らされる。
ギロリと、蛇に睨まれた蛙のごとく、隼人に睨まれた湊は身を小さくした。
大体からして、湊に対して、普段の隼人はこんな感じだ。
好きなのに、こんな。
好きな子ほどいじめたくなる、小学生男子の心理と一緒だ。
「別にいいんですー、1人でも。おいしいケーキでも買って帰って、食べるんです~」
「ちょっおま、1人でか?」
「…ですけど、何か? どうせ隼人くんは俺と違って、彼女がいなくたって、お友だちとかとパーティーとかするんでしょうけど」
隼人のからかいに、拗ねモードに入った湊は、分かりやすくプイッと顔を背けた。
いや、からかうと言うか、隼人の今の『1人でか?』は、本当に純粋にビックリして聞き返しただけなのだが、それでも湊のご機嫌を損ねてしまったことは間違いない。
「あ、いや、そんなんっ…」
「?」
「あー…いや、うん、そうだな。パーティー。うん、そうするわ。イブに1人なんて、寂しいからな」
隼人は焦って一瞬取り乱し掛けたが、すぐにいつもの自分を取り戻して、さらっと毒を吐いた。
「うぅ~…隼人くんの意地悪~」
案の定、湊は恨めしげに隼人を見る。
湊には縁のない世界だが、隼人の言うパーティーは、クラブとかで賑やかな音楽と華やかな女の子たちに囲まれるのだろう。
湊がもし友人とパーティーなんて言ったら、人数が増えただけで、寂しくクリスマスケーキを囲むことになりそうだ。ますます切なすぎる。
「…でもまぁ、お前が1人で寂しーくイブを過ごすのもかわいそうだし、おっ…俺が一緒に過ごしてやっても、いいけど?」
「へ…?」
途中で裏返り掛けた声を何とか修正して、隼人は冷静さを装って、不遜に、上から目線で言ってのける。
もちろん湊は、ポカーンと隼人を見つめた。
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湊に彼女がいないのであれば、隼人にだってチャンスは十分にある。
…いや、『十分』は言い過ぎた。
男である自分が、湊の彼女的ポジション(またはその逆)に納まれる可能性が高くないことを、隼人はよく分かっている。
しかし、彼女がいる場合に比べたら、幾分かは確率が上がったのだ。
今朝は、イブにバイトなんて面倒くさいけれど、湊と一緒に過ごせるし、まぁいっか…くらいの気持ちだったが、状況こそ何も変わらないものの、隼人のテンションは急上昇する。
「そーかぁ、いないかぁ、ならしょうがねぇなぁ。イブにバイトでも」
「うぅ…隼人くんだって同じなのにぃ~…」
「あぁん?」
「何でもないです~…」
楽しそうにからかって来る隼人に、ほんの少しばかり反撃してみても、それは一瞬のうちに蹴散らされる。
ギロリと、蛇に睨まれた蛙のごとく、隼人に睨まれた湊は身を小さくした。
大体からして、湊に対して、普段の隼人はこんな感じだ。
好きなのに、こんな。
好きな子ほどいじめたくなる、小学生男子の心理と一緒だ。
「別にいいんですー、1人でも。おいしいケーキでも買って帰って、食べるんです~」
「ちょっおま、1人でか?」
「…ですけど、何か? どうせ隼人くんは俺と違って、彼女がいなくたって、お友だちとかとパーティーとかするんでしょうけど」
隼人のからかいに、拗ねモードに入った湊は、分かりやすくプイッと顔を背けた。
いや、からかうと言うか、隼人の今の『1人でか?』は、本当に純粋にビックリして聞き返しただけなのだが、それでも湊のご機嫌を損ねてしまったことは間違いない。
「あ、いや、そんなんっ…」
「?」
「あー…いや、うん、そうだな。パーティー。うん、そうするわ。イブに1人なんて、寂しいからな」
隼人は焦って一瞬取り乱し掛けたが、すぐにいつもの自分を取り戻して、さらっと毒を吐いた。
「うぅ~…隼人くんの意地悪~」
案の定、湊は恨めしげに隼人を見る。
湊には縁のない世界だが、隼人の言うパーティーは、クラブとかで賑やかな音楽と華やかな女の子たちに囲まれるのだろう。
湊がもし友人とパーティーなんて言ったら、人数が増えただけで、寂しくクリスマスケーキを囲むことになりそうだ。ますます切なすぎる。
「…でもまぁ、お前が1人で寂しーくイブを過ごすのもかわいそうだし、おっ…俺が一緒に過ごしてやっても、いいけど?」
「へ…?」
途中で裏返り掛けた声を何とか修正して、隼人は冷静さを装って、不遜に、上から目線で言ってのける。
もちろん湊は、ポカーンと隼人を見つめた。
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