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寒いけどあったかい (2)
2011.01.04 Tue
「ちょっと亮、勝手に人の部屋に入って来ないでよー」
「ここはむっちゃんの部屋じゃないでしょ!」
「えーっと…、まぁまぁ2人とも」
亮と睦月のやり取りに、何だかいまいちな仲裁に入ったのは、翔真ではなく同室の蒼一郎だった。
部屋の中に翔真はいなくて、やはりバイトなのだろう。
「むっちゃん、ホラ、帰るよ?」
「いーやー!」
亮が、毛布に包まっている睦月を立たせようとしても、睦月はぐずって言うことを聞かない。
「帰ったら寒いからイヤー。俺、今日から蒼ちゃんちの子になるー」
「えー、俺んちの子になるー?」
「うんー」
何をのん気に話に乗っかってやっているのか、蒼一郎は亮の気持ちも知らずに、睦月の隣で笑っている。
最近気付いたのだが、この2人は、どうもテンポが似ている。
「むっちゃん、蒼に毛布を返してあげなさい」
「これ、ショウちゃんのだもん」
「いないヤツのを、勝手に使うな」
亮だって、よく勝手に蒼一郎や翔真のベッドに転がっているのだが、とりあえず今は、その辺のところは棚に上げておく。
「蒼ちゃん助けてー、亮がぁ~」
「うーん…、むっちゃん、部屋戻ったほうがいいんじゃない?」
何かおもしろいから引き止めてもよかったけれど、蒼一郎が口を開こうとした直前、亮にキッと睨み付けられたので、蒼一郎は寸前で意見を翻して、亮の味方についた。
「蒼ちゃんの意地悪~」
「ゴメンね~」
別に意地悪をしているつもりはないが、何となく今は睦月には自分の部屋に帰ってもらったほうがよさそうだ。
いろんな意味で抜けていることの多い蒼一郎だが、今だけは正しく物事が判断できた…………まではよかった。
「…蒼ちゃん、ホントに悪い、て思ってる?」
「ん? …………。うん」
「じゃあお詫びに、このストーブちょーだい」
…………………………。
「えぇー!! ダメダメダメーーー!!!」
とんでもないことを言い出す睦月に、蒼一郎は大慌てでストーブを死守する。
威力が弱くて、点けていても毛布を被っていなければちょっと寒いかも…と思えるストーブでも、ないよりはマシだ。
いくら蒼一郎がお人よしでも、このストーブを奪われるのだけは、勘弁願いたい。
「蒼ちゃんのケチィ、亮のバカー!」
「いや、今は俺、関係なくね?」
この場合、蒼一郎がケチとかそういう問題ではないし、亮はまったく全然関係ないのに、なぜか罵られた。
しかし、寒さを凌ぐ手段をことごとく奪われる睦月は、亮にでも八つ当たりしなければ、気が済まないらしい。
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「ここはむっちゃんの部屋じゃないでしょ!」
「えーっと…、まぁまぁ2人とも」
亮と睦月のやり取りに、何だかいまいちな仲裁に入ったのは、翔真ではなく同室の蒼一郎だった。
部屋の中に翔真はいなくて、やはりバイトなのだろう。
「むっちゃん、ホラ、帰るよ?」
「いーやー!」
亮が、毛布に包まっている睦月を立たせようとしても、睦月はぐずって言うことを聞かない。
「帰ったら寒いからイヤー。俺、今日から蒼ちゃんちの子になるー」
「えー、俺んちの子になるー?」
「うんー」
何をのん気に話に乗っかってやっているのか、蒼一郎は亮の気持ちも知らずに、睦月の隣で笑っている。
最近気付いたのだが、この2人は、どうもテンポが似ている。
「むっちゃん、蒼に毛布を返してあげなさい」
「これ、ショウちゃんのだもん」
「いないヤツのを、勝手に使うな」
亮だって、よく勝手に蒼一郎や翔真のベッドに転がっているのだが、とりあえず今は、その辺のところは棚に上げておく。
「蒼ちゃん助けてー、亮がぁ~」
「うーん…、むっちゃん、部屋戻ったほうがいいんじゃない?」
何かおもしろいから引き止めてもよかったけれど、蒼一郎が口を開こうとした直前、亮にキッと睨み付けられたので、蒼一郎は寸前で意見を翻して、亮の味方についた。
「蒼ちゃんの意地悪~」
「ゴメンね~」
別に意地悪をしているつもりはないが、何となく今は睦月には自分の部屋に帰ってもらったほうがよさそうだ。
いろんな意味で抜けていることの多い蒼一郎だが、今だけは正しく物事が判断できた…………まではよかった。
「…蒼ちゃん、ホントに悪い、て思ってる?」
「ん? …………。うん」
「じゃあお詫びに、このストーブちょーだい」
…………………………。
「えぇー!! ダメダメダメーーー!!!」
とんでもないことを言い出す睦月に、蒼一郎は大慌てでストーブを死守する。
威力が弱くて、点けていても毛布を被っていなければちょっと寒いかも…と思えるストーブでも、ないよりはマシだ。
いくら蒼一郎がお人よしでも、このストーブを奪われるのだけは、勘弁願いたい。
「蒼ちゃんのケチィ、亮のバカー!」
「いや、今は俺、関係なくね?」
この場合、蒼一郎がケチとかそういう問題ではないし、亮はまったく全然関係ないのに、なぜか罵られた。
しかし、寒さを凌ぐ手段をことごとく奪われる睦月は、亮にでも八つ当たりしなければ、気が済まないらしい。
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