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片手はてぶくろ、片手は繋ぐ (5)
2010.12.20 Mon
「翔真くん、何食べてくー?」
「んー…」
「てかさ、手袋とかしないで、手冷たくないの?」
コートにマフラー、手袋と、完全防備の寒さ対策をしている真大と違って、翔真は厚手とはいえコートのみの格好。
見ているだけで、何だか寒そう…。
「手袋いる? はい、貸してあげる」
「ん? あ、うん。…え、片方?」
なくても別に平気だが、貸してくれると言うなら有り難く受け取ろうと思ったのに、なぜか真大は片方しか渡してくれない。
翔真が不思議そうにしていると、真大は「片っぽ、着けて?」と言ので、翔真は言われるがまま、渡された左手用の手袋を嵌める。着けないよりはマシだけど、片方だけなんて…。
「そんでね、こっちの手は、こう」
「は? ちょっ…」
手袋を着けていない右手を掴まれ、焦る翔真に、真大はニコリと笑い掛けた。
「これなら、こっちの手も、あったかいでしょ?」
片方の手袋を分けてもらい、もう片方の手は繋いで。
へたな少女マンガよりも、ずっとバカップルかもしれない。
「おま…あのなぁ」
「えっへっへ。大丈夫、誰も見てないよ」
寒さにかこつけてピッタリ寄り添って歩けば、手を繋いでいることなんて、よほどその気になって見なければ、気付かれないだろう。
意外にも真大は、こういうことが好きだし、真大のペースに巻き込まれていると思いつつ、翔真も強く拒もうという気にならない。
デートはドタキャンになったけれど、こういうのも、悪くはない。
…と思っていたが。
「お~ま~え~ら~、何してんだっ!」
「あ、隼人」
そういえば隼人の存在を、すっかり忘れていた(たぶん真大は、分かっていて心の中で抹消していた)。
けれど隼人は翔真たちの後ろを歩いていたから、きっとずっと2人のやり取りを見ていたに違いない。
「人が大人しくしてたら調子に乗りやがって~~~~」
「アダダダダダ」
怒りをまるで隠そうともしない隼人は、その怒りのままに、こぶしで真大のこめかみをグリグリと攻撃する。
「もー隼人くんのバカー。湊くんに告れないからって、俺らに当たんないでよ~、ヤキモチ~?」
「やかましわっ!」
「やーい、隼人くんのヤキモチ妬き~」
わざわざ煽るようなことを言って、真大は隼人をからかって遊んでいる。
この分だと、インフルエンザが治って出てきた湊は、隼人に、愛情の裏返しで相当酷い目に遭わされるだろうと、他人事ながら翔真はおかしくなる。
「真大ぉ、今日はかわいそうだから、隼人と一緒にご飯、食べたげる?」
「そだね、1人じゃかわいそうだしね」
「ちょっ、何だかわいそう、て! つーかお前ら、いつまでやってんだ! 手!」
隼人にど突かれても、手を離せない。
…うん。相当のバカップルだと思う。
*end*
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「んー…」
「てかさ、手袋とかしないで、手冷たくないの?」
コートにマフラー、手袋と、完全防備の寒さ対策をしている真大と違って、翔真は厚手とはいえコートのみの格好。
見ているだけで、何だか寒そう…。
「手袋いる? はい、貸してあげる」
「ん? あ、うん。…え、片方?」
なくても別に平気だが、貸してくれると言うなら有り難く受け取ろうと思ったのに、なぜか真大は片方しか渡してくれない。
翔真が不思議そうにしていると、真大は「片っぽ、着けて?」と言ので、翔真は言われるがまま、渡された左手用の手袋を嵌める。着けないよりはマシだけど、片方だけなんて…。
「そんでね、こっちの手は、こう」
「は? ちょっ…」
手袋を着けていない右手を掴まれ、焦る翔真に、真大はニコリと笑い掛けた。
「これなら、こっちの手も、あったかいでしょ?」
片方の手袋を分けてもらい、もう片方の手は繋いで。
へたな少女マンガよりも、ずっとバカップルかもしれない。
「おま…あのなぁ」
「えっへっへ。大丈夫、誰も見てないよ」
寒さにかこつけてピッタリ寄り添って歩けば、手を繋いでいることなんて、よほどその気になって見なければ、気付かれないだろう。
意外にも真大は、こういうことが好きだし、真大のペースに巻き込まれていると思いつつ、翔真も強く拒もうという気にならない。
デートはドタキャンになったけれど、こういうのも、悪くはない。
…と思っていたが。
「お~ま~え~ら~、何してんだっ!」
「あ、隼人」
そういえば隼人の存在を、すっかり忘れていた(たぶん真大は、分かっていて心の中で抹消していた)。
けれど隼人は翔真たちの後ろを歩いていたから、きっとずっと2人のやり取りを見ていたに違いない。
「人が大人しくしてたら調子に乗りやがって~~~~」
「アダダダダダ」
怒りをまるで隠そうともしない隼人は、その怒りのままに、こぶしで真大のこめかみをグリグリと攻撃する。
「もー隼人くんのバカー。湊くんに告れないからって、俺らに当たんないでよ~、ヤキモチ~?」
「やかましわっ!」
「やーい、隼人くんのヤキモチ妬き~」
わざわざ煽るようなことを言って、真大は隼人をからかって遊んでいる。
この分だと、インフルエンザが治って出てきた湊は、隼人に、愛情の裏返しで相当酷い目に遭わされるだろうと、他人事ながら翔真はおかしくなる。
「真大ぉ、今日はかわいそうだから、隼人と一緒にご飯、食べたげる?」
「そだね、1人じゃかわいそうだしね」
「ちょっ、何だかわいそう、て! つーかお前ら、いつまでやってんだ! 手!」
隼人にど突かれても、手を離せない。
…うん。相当のバカップルだと思う。
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テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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COMMENT-FORM
音夜 ⇒
真大くんは恐いもの知らずですねw
でも、ちょっとでも会いたいと、翔くんを待っていた真大くんはカワイイですよね。
手袋より素で繋ぎ合う方が遥かにあったかい
しかし、このまま一緒にご飯で、隼人さんは最後まで2人のイチャっぷりを見せ付けられそうだww
でも、ちょっとでも会いたいと、翔くんを待っていた真大くんはカワイイですよね。
手袋より素で繋ぎ合う方が遥かにあったかい
しかし、このまま一緒にご飯で、隼人さんは最後まで2人のイチャっぷりを見せ付けられそうだww
- |2010.12.21
- |Tue
- |00:45
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >音夜さん
真大タン、わりと計算高いし、怖いもの知らずなんですけど、意外と一途という……多分翔ちゃんからしたら、分かりやすい性格なんじゃないかなぁ、と思ってます。
翔ちゃんは、今までは分かりやすいベタベタ感は苦手だったんですが、真大タン相手ならOKみたいです(*^_^*)
でも、片思いの隼人くんには、ちょっと酷でしたでしょうか…(苦笑)
コメントありがとうございました!
翔ちゃんは、今までは分かりやすいベタベタ感は苦手だったんですが、真大タン相手ならOKみたいです(*^_^*)
でも、片思いの隼人くんには、ちょっと酷でしたでしょうか…(苦笑)
コメントありがとうございました!