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片手はてぶくろ、片手は繋ぐ (3)
2010.12.18 Sat
ピンチヒッターだからといって、おまけはしてもらえず、きっちり時間まで働かされた翔真は、同じく仕事を終えた隼人とスタッフルームに下がる。
翔真は、隼人や湊と一緒に勤務することはあるけれど、シフトが微妙に違うため、休みに遊ぶことはあっても、2人と帰りが一緒になったことはない。
今日は湊の代わりに仕事をしたのだから、普段なら隼人は、湊と一緒に帰っているのだろうか。
「ねぇねぇ、隼人て、いっつも湊と一緒に帰ってんの?」
「あぁん?」
「うわぁ、柄悪ぅ」
別に大したことは聞いていないのに、湊の話題になると隼人は敏感だ。
この渓谷のように深く刻まれた眉間のしわ、湊に見せてやりたい。
「湊がバイト休むと、いろんな意味で大変…」
まさかこの後、湊に会えなかった愚痴とかを散々聞かされるはめになるんだろうか。
翔真だって、今日は会えるはずだった真大と会えなくて、テンション下がりっ放しなのに。
「…お先に失礼しまーす」
隼人よりも、ほんの少しだけ早く帰り支度を整えた翔真は、嫌な予感を的中させないために、分かっていてわざとそう言って、スタッフルームを出ようとする。
もちろん翔真の挨拶に隼人の返事はなく、ギロリと鋭い視線で凄まれた。
「もぉ、隼人、一緒に帰りたいなら、素直にそう言いなよー」
「うっさい、誰がお前なんかとっ」
「じゃあ待たない」
「待たんかい、コラ」
バッシーン! と力いっぱいロッカーの扉を閉めたら、勢いがあり過ぎて扉が開いてしまい、余計に隼人をイライラさせる。同じ過ちを繰り返せばさらに苛立ちが募ると、隼人は一呼吸おいてから、ゆっくりとロッカーを閉めた。
まったく、ロッカーの扉を閉めるくらいで何をしているのやら。
それでも翔真は、ドアに寄り掛かって、隼人を待っていてやる。どうせ今日は真大とも会えないのだし、このまま隼人に付き合ってやろう。
「隼人さぁ、湊んちにお見舞い大作戦したら?」
「はぁ?」
「弱ってる湊んとこ行って、優しく頼りになる隼人を演出してさ、湊の身も心もゲット! どう?」
「出来るか、ボケ! だいたいアイツ、インフルなんだぞ? 行ったって会わせてもらえるわけねぇじゃん」
湊は実家暮らしだから、インフルエンザで寝込んでも、看病してくれる家族がそばにいるので、その点は心配する必要はない。
しかし隼人の言うとおり、見舞いに行ったところで、会わせてもらえないだろうし、逆に気を遣われそうだ。
「具合悪いのに、電話も出来ないしね」
湊、早く良くなるといいねぇ、と言いながら裏口から外に出れば、冷たい風が2人に突き刺してくる。
愛しい人に会えない者同士、余計に寒さが身にしみる。
「さむっ…」
「ショウ、何かあったかいもんでも飲んで帰るか…?」
「そだね…」
ズルリと鼻を啜り上げた隼人は、そう提案する。
今は別に洒落たカクテルも、キレイなおねーちゃんも、クラブミュージックもいらない。熱燗でも飲んで帰ろうか…。
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翔真は、隼人や湊と一緒に勤務することはあるけれど、シフトが微妙に違うため、休みに遊ぶことはあっても、2人と帰りが一緒になったことはない。
今日は湊の代わりに仕事をしたのだから、普段なら隼人は、湊と一緒に帰っているのだろうか。
「ねぇねぇ、隼人て、いっつも湊と一緒に帰ってんの?」
「あぁん?」
「うわぁ、柄悪ぅ」
別に大したことは聞いていないのに、湊の話題になると隼人は敏感だ。
この渓谷のように深く刻まれた眉間のしわ、湊に見せてやりたい。
「湊がバイト休むと、いろんな意味で大変…」
まさかこの後、湊に会えなかった愚痴とかを散々聞かされるはめになるんだろうか。
翔真だって、今日は会えるはずだった真大と会えなくて、テンション下がりっ放しなのに。
「…お先に失礼しまーす」
隼人よりも、ほんの少しだけ早く帰り支度を整えた翔真は、嫌な予感を的中させないために、分かっていてわざとそう言って、スタッフルームを出ようとする。
もちろん翔真の挨拶に隼人の返事はなく、ギロリと鋭い視線で凄まれた。
「もぉ、隼人、一緒に帰りたいなら、素直にそう言いなよー」
「うっさい、誰がお前なんかとっ」
「じゃあ待たない」
「待たんかい、コラ」
バッシーン! と力いっぱいロッカーの扉を閉めたら、勢いがあり過ぎて扉が開いてしまい、余計に隼人をイライラさせる。同じ過ちを繰り返せばさらに苛立ちが募ると、隼人は一呼吸おいてから、ゆっくりとロッカーを閉めた。
まったく、ロッカーの扉を閉めるくらいで何をしているのやら。
それでも翔真は、ドアに寄り掛かって、隼人を待っていてやる。どうせ今日は真大とも会えないのだし、このまま隼人に付き合ってやろう。
「隼人さぁ、湊んちにお見舞い大作戦したら?」
「はぁ?」
「弱ってる湊んとこ行って、優しく頼りになる隼人を演出してさ、湊の身も心もゲット! どう?」
「出来るか、ボケ! だいたいアイツ、インフルなんだぞ? 行ったって会わせてもらえるわけねぇじゃん」
湊は実家暮らしだから、インフルエンザで寝込んでも、看病してくれる家族がそばにいるので、その点は心配する必要はない。
しかし隼人の言うとおり、見舞いに行ったところで、会わせてもらえないだろうし、逆に気を遣われそうだ。
「具合悪いのに、電話も出来ないしね」
湊、早く良くなるといいねぇ、と言いながら裏口から外に出れば、冷たい風が2人に突き刺してくる。
愛しい人に会えない者同士、余計に寒さが身にしみる。
「さむっ…」
「ショウ、何かあったかいもんでも飲んで帰るか…?」
「そだね…」
ズルリと鼻を啜り上げた隼人は、そう提案する。
今は別に洒落たカクテルも、キレイなおねーちゃんも、クラブミュージックもいらない。熱燗でも飲んで帰ろうか…。
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テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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柚子季 杏 ⇒
久々5人一緒のマフラーで大爆笑((笑´∀`))ヶラヶラしていたら
お次は久々の翔ちゃんとマヒロたん!!
と、にやけていたら、またまた気になるカップル未満がww
や~~んもう、如月さん、あっちもこっちも気になるww
思わず続きクリックしようとして出来なかった_| ̄|○
お次は久々の翔ちゃんとマヒロたん!!
と、にやけていたら、またまた気になるカップル未満がww
や~~んもう、如月さん、あっちもこっちも気になるww
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如月久美子 ⇒ >柚子季さん
カズちゃんたちの恥ずかしがり屋さん具合も相当ですが、むっちゃんはこういうとき、悪乗りしそうですよね。
いたずら大好きそう…(笑)
このシリーズでは、一応全カプを書いていきたくて。
お次は翔ちゃんたちです。
そしてさらにキャラを増やそうという、私の無謀さ…。
でも完全に片思いくんですが(^_^;) まだまだこれからの2人、見守ってあげてください(*^_^*)
先走りでnextを押しちゃうの、私も相変わらずやってます…。
自分でやってて、アレ??? てなってる毎日です。
コメントありがとうございました!
いたずら大好きそう…(笑)
このシリーズでは、一応全カプを書いていきたくて。
お次は翔ちゃんたちです。
そしてさらにキャラを増やそうという、私の無謀さ…。
でも完全に片思いくんですが(^_^;) まだまだこれからの2人、見守ってあげてください(*^_^*)
先走りでnextを押しちゃうの、私も相変わらずやってます…。
自分でやってて、アレ??? てなってる毎日です。
コメントありがとうございました!