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03. はじめて、 (後編)
2008.04.13 Sun
「つーか俺はお前が羨ましい…」
「はぁ?」
「深沢くんのこと、和哉って呼んでるし、」
「お前も呼べばいいじゃん」
「昔から知り合いだし、」
「いや、だから、幼馴染みだし」
「携帯の番号とか知ってるっぽいし、」
「"ぽい"じゃなくて、知ってるよ。メールのアドレスも」
「俺は知らない」
「聞けよ、そんなの! ってかお前、今まで気に入った子がいたら、そんなのすぐに聞いてたじゃん。和哉のこと気に入ったなら、何でメシ食いに行ったとき聞かなかったんだよ。今さら俺に愚痴るな!」
「そんなの…」
そんな、会ってすぐに電話番号とか聞くって、何か見え見えじゃん! ダメダメ、そんなの!
「ダメダメって……お前、今までずっとそうだったくせに、何急に……。しかも相手は女じゃなくて、和哉だぞ?」
「だからだろ! そんな、その辺の女だったら、別にどうでもいいんだよ、そんなの」
軽いヤツだって思われたら、嫌われちゃうかもしれないし…。
「……恋する乙女、って感じだな、お前。でも確かに、和哉、軽いヤツとか、あんまり好きじゃないと思う」
「マジで!? どうしよう……またメシ食いに行きたいとか言ったら、まずいかな?」
「いやいやいや、それはいいんじゃねぇの? だってお前男じゃん。男相手にメシ誘って、軽いとかないんじゃね?」
「そう……かな?」
「…………なぁ、お前さぁ…」
グラスを置いて、箸も置いて、仲村はひどく神妙な面持ちで俺のほうに顔を近づけた。
「今まで誰か……いや、女の子でいいんだけどさ、好きになったこと、ある?」
「は? そりゃあるよ、そのくらい」
「いや、その……何ていうか、んー……何て言ったらいいのかな。こう……さ、遊びとかじゃなくて、軽いノリじゃなくて、その、真剣に誰かのこと好きになったことがあるかってこと」
……………………。
ん~……遊びのノリじゃなくて?
う~~~ん。
「あの、さぁ……」
「あ?」
「あんま言いたくねぇんだけど…………お前さ、もしかしてマジで初恋なんじゃねぇの? これ」
「まさかぁ」
今さら、この歳で初恋?
じゃあ俺の今までの21年間は何だったわけ? 今まで付き合ってきた彼女たちは?
「だってさ、例えば今まで付き合った女相手にさ、軽いヤツだって思われたくないとか、断わられたらどうしよう、みたいに悩んだこととかあるか?」
「えー?」
基本的に女の子に声掛けるときは、断わられたら別の誰かを誘えばいいやって、気持ちだしなぁ。
彼女にしたって、別にそう思われたからって、どうってこともない。それで愛想を尽かされたんだとしても、俺とは合わなかったんだなって思うくらいだし。
………………え?
「どうした? 水沼。何か思い当たったか?」
「思い、当たった……っていうか、」
え?
は?
マジで?
「仲村………………俺、マジで初恋かも……」
「ぶはっ!」
「はぁ?」
「深沢くんのこと、和哉って呼んでるし、」
「お前も呼べばいいじゃん」
「昔から知り合いだし、」
「いや、だから、幼馴染みだし」
「携帯の番号とか知ってるっぽいし、」
「"ぽい"じゃなくて、知ってるよ。メールのアドレスも」
「俺は知らない」
「聞けよ、そんなの! ってかお前、今まで気に入った子がいたら、そんなのすぐに聞いてたじゃん。和哉のこと気に入ったなら、何でメシ食いに行ったとき聞かなかったんだよ。今さら俺に愚痴るな!」
「そんなの…」
そんな、会ってすぐに電話番号とか聞くって、何か見え見えじゃん! ダメダメ、そんなの!
「ダメダメって……お前、今までずっとそうだったくせに、何急に……。しかも相手は女じゃなくて、和哉だぞ?」
「だからだろ! そんな、その辺の女だったら、別にどうでもいいんだよ、そんなの」
軽いヤツだって思われたら、嫌われちゃうかもしれないし…。
「……恋する乙女、って感じだな、お前。でも確かに、和哉、軽いヤツとか、あんまり好きじゃないと思う」
「マジで!? どうしよう……またメシ食いに行きたいとか言ったら、まずいかな?」
「いやいやいや、それはいいんじゃねぇの? だってお前男じゃん。男相手にメシ誘って、軽いとかないんじゃね?」
「そう……かな?」
「…………なぁ、お前さぁ…」
グラスを置いて、箸も置いて、仲村はひどく神妙な面持ちで俺のほうに顔を近づけた。
「今まで誰か……いや、女の子でいいんだけどさ、好きになったこと、ある?」
「は? そりゃあるよ、そのくらい」
「いや、その……何ていうか、んー……何て言ったらいいのかな。こう……さ、遊びとかじゃなくて、軽いノリじゃなくて、その、真剣に誰かのこと好きになったことがあるかってこと」
……………………。
ん~……遊びのノリじゃなくて?
う~~~ん。
「あの、さぁ……」
「あ?」
「あんま言いたくねぇんだけど…………お前さ、もしかしてマジで初恋なんじゃねぇの? これ」
「まさかぁ」
今さら、この歳で初恋?
じゃあ俺の今までの21年間は何だったわけ? 今まで付き合ってきた彼女たちは?
「だってさ、例えば今まで付き合った女相手にさ、軽いヤツだって思われたくないとか、断わられたらどうしよう、みたいに悩んだこととかあるか?」
「えー?」
基本的に女の子に声掛けるときは、断わられたら別の誰かを誘えばいいやって、気持ちだしなぁ。
彼女にしたって、別にそう思われたからって、どうってこともない。それで愛想を尽かされたんだとしても、俺とは合わなかったんだなって思うくらいだし。
………………え?
「どうした? 水沼。何か思い当たったか?」
「思い、当たった……っていうか、」
え?
は?
マジで?
「仲村………………俺、マジで初恋かも……」
「ぶはっ!」
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