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2. 突然の訪問。案の定食べ物が無く、災害時の為に買い置きした缶詰を食べる。
2010.07.20 Tue
「はぁ?」
そんな陸斗の第一声に、詩音は思わず顔を顰めた。
「どういう意味? 何で『はぁ?』なの?」
「あー……いや、何しに来たの?」
「何だよ、その失礼な言い種ー!!」
子どものように頬を膨らませて怒る詩音を、とりあえず陸斗は部屋に上げる。外でぎゃあぎゃあ騒がれては、近所迷惑だ。
「何だよ、俺……来ちゃまずかった?」
「そうじゃねぇけど、何の連絡もなかったから、来るなんて思ってなくて…」
急に殊勝な声を出す詩音に、陸斗はついうっかり詩音の突然の来訪を許しそうになる。
「だって急に陸斗に会いたくなって。突然行ったら驚くかなーって思ったから、連絡しないで来ちゃった」
「めちゃくちゃ驚きました」
「へへー」
嬉しそうな顔で、詩音は背後から陸斗に抱き付く。
こういう子どもみたいなことで、"してやったり"みたいな顔をする詩音は、本当に無邪気な子どものようで、かわいいと思う。言えば、『子どもじゃねぇ!』って怒るけど(それが子どもっぽいってことに、彼はまだ気付いていない)。
「陸斗ー、腹減った」
「ん? 食いに行く?」
「面倒臭い。陸斗、何か作ってよ」
「今、冷蔵庫の中、何もないんだけど。コンビニ行く?」
「うー……」
陸斗の提案も、詩音はあまり乗り気ではない様子。どうやらもう、外に出る気はないらしい。
「買って来ようか?」
こういうところが、詩音に対して甘すぎると思う。
連絡もなしに勝手にやって来た相手に、どうして何の不満もなく尽くそうとしているのか、陸斗は自分でも不思議だ。
「ホントに陸斗んち何もないの?」
「何もないって。あ、」
「え?」
「んー……缶詰、とかならある」
「はぁ?」
どこの家にも缶詰の1つや2つないこともないだろうが、男の1人暮らしで、食事として腹が満たされるほどの缶詰を常備しているのも珍しい。
「いや……こないだかぁちゃんが置いてって…」
「缶詰を?」
「何か災害のときに必要だから、とか何とか…」
「あぁ、避難用の? 嘘、陸斗、そんなの用意してんの!? あの、避難バッグみたいなヤツ!?」
興味津々、好奇心丸出しの顔で、詩音が身を乗り出してきた。
「いや、だからかぁちゃんが…」
「食いたい! 缶詰食いたい!」
「あのなぁ……おもしろがってんじゃねぇよ」
こんなときに食べて、せっかく母親が置いていってくれた食料が、本当に必要なときに食べられなかったらどうするつもりなんだ。
「おもしろがってないって!」
「バカ、めちゃくちゃおもしろがってるだろ。あれは、災害に遭って、緊急事態になったら食べるの」
「今だって緊急事態じゃん。食うもんねぇんだから」
「だから買いに行―――…………分かった、分かったから! 食わせてやるから、そんな目で俺を見るな!」
結局、かわいいかわいいエンジェルの頼みを断われるわけもない陸斗は、母親が買い置きしてくれた缶詰を詩音に分け与えてやる。
(まぁ……こういうのも、いっか)
満足げに缶詰を食べている詩音を見て、陸斗はふと思うのだった。
そんな陸斗の第一声に、詩音は思わず顔を顰めた。
「どういう意味? 何で『はぁ?』なの?」
「あー……いや、何しに来たの?」
「何だよ、その失礼な言い種ー!!」
子どものように頬を膨らませて怒る詩音を、とりあえず陸斗は部屋に上げる。外でぎゃあぎゃあ騒がれては、近所迷惑だ。
「何だよ、俺……来ちゃまずかった?」
「そうじゃねぇけど、何の連絡もなかったから、来るなんて思ってなくて…」
急に殊勝な声を出す詩音に、陸斗はついうっかり詩音の突然の来訪を許しそうになる。
「だって急に陸斗に会いたくなって。突然行ったら驚くかなーって思ったから、連絡しないで来ちゃった」
「めちゃくちゃ驚きました」
「へへー」
嬉しそうな顔で、詩音は背後から陸斗に抱き付く。
こういう子どもみたいなことで、"してやったり"みたいな顔をする詩音は、本当に無邪気な子どものようで、かわいいと思う。言えば、『子どもじゃねぇ!』って怒るけど(それが子どもっぽいってことに、彼はまだ気付いていない)。
「陸斗ー、腹減った」
「ん? 食いに行く?」
「面倒臭い。陸斗、何か作ってよ」
「今、冷蔵庫の中、何もないんだけど。コンビニ行く?」
「うー……」
陸斗の提案も、詩音はあまり乗り気ではない様子。どうやらもう、外に出る気はないらしい。
「買って来ようか?」
こういうところが、詩音に対して甘すぎると思う。
連絡もなしに勝手にやって来た相手に、どうして何の不満もなく尽くそうとしているのか、陸斗は自分でも不思議だ。
「ホントに陸斗んち何もないの?」
「何もないって。あ、」
「え?」
「んー……缶詰、とかならある」
「はぁ?」
どこの家にも缶詰の1つや2つないこともないだろうが、男の1人暮らしで、食事として腹が満たされるほどの缶詰を常備しているのも珍しい。
「いや……こないだかぁちゃんが置いてって…」
「缶詰を?」
「何か災害のときに必要だから、とか何とか…」
「あぁ、避難用の? 嘘、陸斗、そんなの用意してんの!? あの、避難バッグみたいなヤツ!?」
興味津々、好奇心丸出しの顔で、詩音が身を乗り出してきた。
「いや、だからかぁちゃんが…」
「食いたい! 缶詰食いたい!」
「あのなぁ……おもしろがってんじゃねぇよ」
こんなときに食べて、せっかく母親が置いていってくれた食料が、本当に必要なときに食べられなかったらどうするつもりなんだ。
「おもしろがってないって!」
「バカ、めちゃくちゃおもしろがってるだろ。あれは、災害に遭って、緊急事態になったら食べるの」
「今だって緊急事態じゃん。食うもんねぇんだから」
「だから買いに行―――…………分かった、分かったから! 食わせてやるから、そんな目で俺を見るな!」
結局、かわいいかわいいエンジェルの頼みを断われるわけもない陸斗は、母親が買い置きしてくれた缶詰を詩音に分け与えてやる。
(まぁ……こういうのも、いっか)
満足げに缶詰を食べている詩音を見て、陸斗はふと思うのだった。
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