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09. 思い出させてあげようか
2008.01.10 Thu
ネオンが輝き出した雑踏。人ごみ。俺は拓海に手を引かれて歩いてる。どこに向かってるのか、全然分かんない。
「ねぇ……どこ行く気? つーか手、放してよ」
聞いてない。いや、聞こえてるだろうけど。
「ねぇってば!」
方向的には俺んちのほうでもないし(俺んちの住所は知らないはずだから、向かえるはずもない)、前に行った拓海の家のほうでもない。駅とも逆方向だし。
「拓海……ねぇ…」
何で何も言わないわけ? 何か言いたいことがあったから、わざわざ追い掛けてきたんでしょ? 手を引っ張ってんでしょ?
「ねぇっ!!」
何も言わない拓海にイライラして、その手を振り解いた。
「何なんだよ、急に! もうわけ分かんないっ!」
「悠ちゃ……」
「気安く呼ぶなよっ! 何だよ、もう! どうしたいんだよ!! 俺に構うなよっ! お前のことなんか知らないよ! もう俺のことなんかほっといてよ!!」
感情が爆発して、一気にそれをぶちまける。自分でも何言ってるか、分かんない。感情が昂り過ぎてて、涙が溢れてくる。
通り過ぎてく人たちが変な目で俺らのことを見てるのが分かったけど、もう抑えられなくて。
「泣くなよ…」
「泣かすなよ、バカ……もぉ…」
ダメだ。涙が止まらない。助けて。
「……ゴメン」
相変わらず俺は泣きじゃくってて。拓海は謝りながら、通りの隅のほうへ俺を引っ張って行ってくれる。
「……さっきさ、擦れ違うとき、俺の顔見て急に逃げてったじゃん? あのホラ、八尾くんだっけ? 彼と。追っかけてるうちに何か気が昂っちゃって……。ごめんなさい」
腰を90度に折って頭を下げてくるバカ。ホント、変なヤツ。
「お前さぁ……こんなとこまで俺の手引っ張ってきて、一体どこ行くつもりだったの?」
「……いや、それは…」
その情けない顔を見てたら、何かもうおかしくなっちゃって。さっきまで泣いてたくせに、バカだな、俺も。
「もう……こんな顔じゃ、八尾心配させるだけだから、戻れないよ。何とかして」
「何とかって…」
「お前のせいで、八尾が心配してて。心配のし過ぎでアイツがハゲちゃったら、どうすんの?」
「え? それって俺のせいなの?」
焦る拓海がおかしくて、俺は「そうだよ」って言ってやる。
「参ったな…。このまま悠ちゃんのことお持ち帰りしようと思ったのに、彼の髪の毛を心配したら、それも出来ないや」
「またお持ち帰りする気だったんだ?」
「あのときのこと、思い出させてあげようかなー、なんて」
「思い出させて…………どうすんの?」
「だってさ、忘れちゃってるわけでしょ。あのとき俺が…………」
「ねぇ……どこ行く気? つーか手、放してよ」
聞いてない。いや、聞こえてるだろうけど。
「ねぇってば!」
方向的には俺んちのほうでもないし(俺んちの住所は知らないはずだから、向かえるはずもない)、前に行った拓海の家のほうでもない。駅とも逆方向だし。
「拓海……ねぇ…」
何で何も言わないわけ? 何か言いたいことがあったから、わざわざ追い掛けてきたんでしょ? 手を引っ張ってんでしょ?
「ねぇっ!!」
何も言わない拓海にイライラして、その手を振り解いた。
「何なんだよ、急に! もうわけ分かんないっ!」
「悠ちゃ……」
「気安く呼ぶなよっ! 何だよ、もう! どうしたいんだよ!! 俺に構うなよっ! お前のことなんか知らないよ! もう俺のことなんかほっといてよ!!」
感情が爆発して、一気にそれをぶちまける。自分でも何言ってるか、分かんない。感情が昂り過ぎてて、涙が溢れてくる。
通り過ぎてく人たちが変な目で俺らのことを見てるのが分かったけど、もう抑えられなくて。
「泣くなよ…」
「泣かすなよ、バカ……もぉ…」
ダメだ。涙が止まらない。助けて。
「……ゴメン」
相変わらず俺は泣きじゃくってて。拓海は謝りながら、通りの隅のほうへ俺を引っ張って行ってくれる。
「……さっきさ、擦れ違うとき、俺の顔見て急に逃げてったじゃん? あのホラ、八尾くんだっけ? 彼と。追っかけてるうちに何か気が昂っちゃって……。ごめんなさい」
腰を90度に折って頭を下げてくるバカ。ホント、変なヤツ。
「お前さぁ……こんなとこまで俺の手引っ張ってきて、一体どこ行くつもりだったの?」
「……いや、それは…」
その情けない顔を見てたら、何かもうおかしくなっちゃって。さっきまで泣いてたくせに、バカだな、俺も。
「もう……こんな顔じゃ、八尾心配させるだけだから、戻れないよ。何とかして」
「何とかって…」
「お前のせいで、八尾が心配してて。心配のし過ぎでアイツがハゲちゃったら、どうすんの?」
「え? それって俺のせいなの?」
焦る拓海がおかしくて、俺は「そうだよ」って言ってやる。
「参ったな…。このまま悠ちゃんのことお持ち帰りしようと思ったのに、彼の髪の毛を心配したら、それも出来ないや」
「またお持ち帰りする気だったんだ?」
「あのときのこと、思い出させてあげようかなー、なんて」
「思い出させて…………どうすんの?」
「だってさ、忘れちゃってるわけでしょ。あのとき俺が…………」
「見知らぬあなたとの10のお題」
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カテゴリー:拓海×悠也
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イチゴ ⇒ タイトルが!!
タイトルで悶えそうになりました!!
一刻も早く思い出させてあげてください拓海さん!!
「あのとき俺が…………」って、なに!?
気になる気になる気になる気になる…
二人とも可愛すぎです(*´∇`*)
一刻も早く思い出させてあげてください拓海さん!!
「あのとき俺が…………」って、なに!?
気になる気になる気になる気になる…
二人とも可愛すぎです(*´∇`*)
- |2008.01.10
- |Thu
- |21:46
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >イチゴさん
悠ちゃんも、何だってこんな、思い出さないんだっていう…。
第10話で終わりです!
でも、長くなったんで、前後編に…。
もったいぶって、すみません
第10話で終わりです!
でも、長くなったんで、前後編に…。
もったいぶって、すみません