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恋の女神は微笑まない (119)
2014.08.31 Sun
「…つかさ、電話でもチャイムでもいいんだけど…、何で水落、勝手に入って来なかったわけ?」
「は?」
琉も別に千尋と、部屋に入ってゆっくりと会話がしたいと思っているわけではないが、どうして先ほどから玄関先でずっと話をしているのだろうかとは思う。
時間も時間なので、誰かがここを通り掛かって、琉たちの存在がばれて騒ぎになる…などということはないだろうが、着いたからには早く中に入れてもらいたいのに、千尋が入口を塞ぐように手を突いて立っているので、どうしても入れない。
「勝手に、て……鍵掛かってんだから、入れねぇだろ」
質問に答えなければ、永遠にそこを退いてくれないのではないかとさえ思えて来て、話をしたいわけでもないのに、琉はつい返事をしてしまう。
「合鍵とか。持ってねぇの?」
「ッ、」
「…………。ふぅん、持ってねぇんだ?」
「テメッ…」
言葉を詰まらせた琉に、千尋は言われなくとも答えを悟ったのか、千尋はバカにしたように、鼻で笑った。
本当に千尋は、琉を挑発するのが上手だ。
「ちーちゃん、とにかく、そろそろ中に入れてくれない?」
琉が千尋とケンカしようが遥希と仲良くしようが、それはどちらでもいいんだけれど(いや、ケンカはよくないな)、どうして千尋は、自分たちを中に入れてくれないのかと、2人の間に割って入る。
「………………。ハルちゃーん、いい加減、この2人、中に入れていいー?」
「「はぁ??」」
自分たちが来るまでの間に、この部屋の中で一体何があったかなど知る由もない2人は、千尋の言葉に首を傾げるしかない。
そのセリフからして、やはり千尋は、わざと琉と大和を中に入れさせないようにしていたらしい。
「ちーちゃん、オッケー!」
中から遥希の声がする。
すると琉は、『待て』の出来ない犬のように、千尋の腕を退けて、中に入っていった。
「…チッ」
腕を払いのけられた千尋は、大きな舌打ちを1つして、部屋の中へと戻って行く――――2歩ほど進んだところで、クルリと振り返った。
「いらっしゃい。まぁ俺んちじゃないけど」
思い出したように挨拶する千尋に、大和は苦笑する。
琉を歓迎する気はさらさらないようだが、大和のことはそうではないようで、それは何よりだ。
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「は?」
琉も別に千尋と、部屋に入ってゆっくりと会話がしたいと思っているわけではないが、どうして先ほどから玄関先でずっと話をしているのだろうかとは思う。
時間も時間なので、誰かがここを通り掛かって、琉たちの存在がばれて騒ぎになる…などということはないだろうが、着いたからには早く中に入れてもらいたいのに、千尋が入口を塞ぐように手を突いて立っているので、どうしても入れない。
「勝手に、て……鍵掛かってんだから、入れねぇだろ」
質問に答えなければ、永遠にそこを退いてくれないのではないかとさえ思えて来て、話をしたいわけでもないのに、琉はつい返事をしてしまう。
「合鍵とか。持ってねぇの?」
「ッ、」
「…………。ふぅん、持ってねぇんだ?」
「テメッ…」
言葉を詰まらせた琉に、千尋は言われなくとも答えを悟ったのか、千尋はバカにしたように、鼻で笑った。
本当に千尋は、琉を挑発するのが上手だ。
「ちーちゃん、とにかく、そろそろ中に入れてくれない?」
琉が千尋とケンカしようが遥希と仲良くしようが、それはどちらでもいいんだけれど(いや、ケンカはよくないな)、どうして千尋は、自分たちを中に入れてくれないのかと、2人の間に割って入る。
「………………。ハルちゃーん、いい加減、この2人、中に入れていいー?」
「「はぁ??」」
自分たちが来るまでの間に、この部屋の中で一体何があったかなど知る由もない2人は、千尋の言葉に首を傾げるしかない。
そのセリフからして、やはり千尋は、わざと琉と大和を中に入れさせないようにしていたらしい。
「ちーちゃん、オッケー!」
中から遥希の声がする。
すると琉は、『待て』の出来ない犬のように、千尋の腕を退けて、中に入っていった。
「…チッ」
腕を払いのけられた千尋は、大きな舌打ちを1つして、部屋の中へと戻って行く――――2歩ほど進んだところで、クルリと振り返った。
「いらっしゃい。まぁ俺んちじゃないけど」
思い出したように挨拶する千尋に、大和は苦笑する。
琉を歓迎する気はさらさらないようだが、大和のことはそうではないようで、それは何よりだ。
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