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恋の女神は微笑まない (87)
2014.07.31 Thu
「にゃう…」
「ちーちゃんが無茶な飲み方をするのも、酔ったらすぐに潰れちゃうことも、もう十分に分かったから、気にしてないで、早く起きて? 時間、大丈夫?」
「だから、潰れねぇって!」
大和ですら、すでに2回も千尋が酔い潰れているところを見ているというのに、一体誰が潰れないというのだ。
そう思いながら大和は、ふて腐れたようにベッドに大の字に寝転ぶ千尋の手を取って、起こしてやる。
気を許してくれるのは嬉しいが、せっかくちゃんと目を覚ましたのに、こんなことをしていて遅刻をしたのでは、シャレにならない。
「てか、もう7時半過ぎてるけど、ちーちゃん、今日仕事は?」
大和のような仕事をしていると、仕事の始まる時間もバラバラで、昼からというときもあれば、4時起き、5時起きのときだってあるけれど、一般的なお勤めの場合は、このくらいの時間には起きていないと間に合わないのでは?
サラリーマンの経験はないけれど、サラリーマン役の経験ならあるから、何となくそれは分かる。
「ある~…。9時から」
「え、間に合うの? それ」
9時がここを出る時間なら十分間に合うけれど、恐らく千尋の言う『9時』は、9時から仕事が始まる、つまり9時までには店に着かなければならないということだろう。
千尋があまりにのん気にしているから、大和もついゆっくりしていたけれど、確実にそんな場合ではない。
「だいじょーぶ。いつも7時50分起きだから」
「ちょっと待って。それってちーちゃん、自分ちにいるときでしょ? ここ俺んちだから。それでも間に合う?」
「ん~……今から家帰って風呂入って出掛ければ間に合うかな」
「いや、絶対に間に合わないでしょ」
ここから自分の家まで帰る時間+風呂に入って身支度を整える時間+出勤時間を計算して、とても1時間で収まるとは思えない。
あ、昨日、千尋が潰れて寝ている間にここに連れて来てしまったから、千尋は大和の家の場所が分からないのか。だから、自分の家に行くまでの時間が分からず、何となく間に合うような気持ちでいるのかも…。
「ちょ、ちーちゃん、絶対間に合わない。ここからちーちゃんちまで、どんくらい掛かると思ってんの?」
「分かんない」
だよねー……て、別に回答を欲して聞いたわけじゃないし。
千尋の家まで行っていたら、絶対に9時に間に合わない、と言いたかっただけだ。
「あ、アラーム! ほら、7時50分に鳴ったでしょ? 俺、いっつも7時50分に起きてんの!」
「いつもはそうかもだけど、ここ俺んちだから!」
千尋のカバンの中からアラームの音がして、千尋は自慢げにそう言うけれど、いやいや、のんびりしすぎだから。
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「ちーちゃんが無茶な飲み方をするのも、酔ったらすぐに潰れちゃうことも、もう十分に分かったから、気にしてないで、早く起きて? 時間、大丈夫?」
「だから、潰れねぇって!」
大和ですら、すでに2回も千尋が酔い潰れているところを見ているというのに、一体誰が潰れないというのだ。
そう思いながら大和は、ふて腐れたようにベッドに大の字に寝転ぶ千尋の手を取って、起こしてやる。
気を許してくれるのは嬉しいが、せっかくちゃんと目を覚ましたのに、こんなことをしていて遅刻をしたのでは、シャレにならない。
「てか、もう7時半過ぎてるけど、ちーちゃん、今日仕事は?」
大和のような仕事をしていると、仕事の始まる時間もバラバラで、昼からというときもあれば、4時起き、5時起きのときだってあるけれど、一般的なお勤めの場合は、このくらいの時間には起きていないと間に合わないのでは?
サラリーマンの経験はないけれど、サラリーマン役の経験ならあるから、何となくそれは分かる。
「ある~…。9時から」
「え、間に合うの? それ」
9時がここを出る時間なら十分間に合うけれど、恐らく千尋の言う『9時』は、9時から仕事が始まる、つまり9時までには店に着かなければならないということだろう。
千尋があまりにのん気にしているから、大和もついゆっくりしていたけれど、確実にそんな場合ではない。
「だいじょーぶ。いつも7時50分起きだから」
「ちょっと待って。それってちーちゃん、自分ちにいるときでしょ? ここ俺んちだから。それでも間に合う?」
「ん~……今から家帰って風呂入って出掛ければ間に合うかな」
「いや、絶対に間に合わないでしょ」
ここから自分の家まで帰る時間+風呂に入って身支度を整える時間+出勤時間を計算して、とても1時間で収まるとは思えない。
あ、昨日、千尋が潰れて寝ている間にここに連れて来てしまったから、千尋は大和の家の場所が分からないのか。だから、自分の家に行くまでの時間が分からず、何となく間に合うような気持ちでいるのかも…。
「ちょ、ちーちゃん、絶対間に合わない。ここからちーちゃんちまで、どんくらい掛かると思ってんの?」
「分かんない」
だよねー……て、別に回答を欲して聞いたわけじゃないし。
千尋の家まで行っていたら、絶対に9時に間に合わない、と言いたかっただけだ。
「あ、アラーム! ほら、7時50分に鳴ったでしょ? 俺、いっつも7時50分に起きてんの!」
「いつもはそうかもだけど、ここ俺んちだから!」
千尋のカバンの中からアラームの音がして、千尋は自慢げにそう言うけれど、いやいや、のんびりしすぎだから。
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