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恋の女神は微笑まない (26)
2014.05.31 Sat
千尋が相当の演技派だということは、琉や南條から聞いているけれど(琉と遥希が付き合うようになったのも千尋の演技のおかげなくらいだし…)、大和だって、それなりにドラマや映画に出演しているわけではない。
そこまで拗ねたわけではないけれど、ちょっとそんな声色で言い放ったら、千尋は怒ったように否定してきた。
それは、図星を指されたからなのか、そんなことないのに大和がヒドイことを言ったからなのか、けれど、狼狽える千尋は何だかかわいい。
「ホントに? 俺ばっかがちーちゃんのこと嫌いになる努力して、ちーちゃんは何もしないで、結局俺のことなんか適当あしらっちゃうつもりなんじゃないの?」
「そんなことないよっ、ちゃんとするってば!」
そんなに向きにならなくても、これから先、大和に対する気持ちを聞かれても、まだ付き合いたい気持ちになっていないと答えておけば、約束を守っているかはばれないのに、こういうところは誠実らしい。
そんな千尋が考える『ちゃんとする』とは、
「ちゃんと大和くんのいいところとか勉強する!」
ということらしい。
「…………勉強…。あのさ…、別にちーちゃんのこと疑ってるわけじゃないよ? そうじゃないけど、ちなみに勉強てどうするつもり?」
細かいことをいちいち言いたくはないんだけれど、千尋の言うことは、何かに付け突飛なので、つい突っ込んでしまう。
「とりあえず、調べまくる。……ネットとか?」
「あー……まぁ、それはそうだけど…。でもさ、それって、限界ない? ネットとか情報だけでさ、付き合いたいって思えるくらいに好きなトコ知るって」
「まぁ…。でも他の方法ないし。だってファンの子だって、そうしてんでしょ? あ、あと曲聞くとか。他に何かある?」
真剣に悩む千尋の発した最後の言葉に、大和は内心ほくそ笑んだ。
口車に乗せる、と言ったら言葉は悪いけれど、もしかしたら今、大和にとって、いいように話が進んでいるかもしれない。
「他に、ねぇ…。やっぱり実際に会わないとなんじゃない? ネットにしろ、テレビにしろ、あと雑誌とかもだけど、そこに載ってるのだけじゃ、ホントの姿て分かんないじゃん」
「まぁねぇ…。じゃあ俺、もっと大和くんと会ったほうがいいの?」
「ちーちゃんが、もっと俺のこと知りたいなら。あ、いっそ、お試しで付き合ってみない?」
「お試しで?」
とうとう大和は、ずっとタイミングを窺っていたセリフを口にした。
千尋が、大和と付き合いたいと思えるように努力する、なんてことを言い出してから、だったら付き合ってみるのも1つの手段だと、説得できるんじゃないかと思っていたのだ。
しかも、そう言った大和に対して、千尋は『何それ!』と怒るわけでもなく、わりと満更でもなさそうな顔で、ちょっと食い付いて来ている。
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そこまで拗ねたわけではないけれど、ちょっとそんな声色で言い放ったら、千尋は怒ったように否定してきた。
それは、図星を指されたからなのか、そんなことないのに大和がヒドイことを言ったからなのか、けれど、狼狽える千尋は何だかかわいい。
「ホントに? 俺ばっかがちーちゃんのこと嫌いになる努力して、ちーちゃんは何もしないで、結局俺のことなんか適当あしらっちゃうつもりなんじゃないの?」
「そんなことないよっ、ちゃんとするってば!」
そんなに向きにならなくても、これから先、大和に対する気持ちを聞かれても、まだ付き合いたい気持ちになっていないと答えておけば、約束を守っているかはばれないのに、こういうところは誠実らしい。
そんな千尋が考える『ちゃんとする』とは、
「ちゃんと大和くんのいいところとか勉強する!」
ということらしい。
「…………勉強…。あのさ…、別にちーちゃんのこと疑ってるわけじゃないよ? そうじゃないけど、ちなみに勉強てどうするつもり?」
細かいことをいちいち言いたくはないんだけれど、千尋の言うことは、何かに付け突飛なので、つい突っ込んでしまう。
「とりあえず、調べまくる。……ネットとか?」
「あー……まぁ、それはそうだけど…。でもさ、それって、限界ない? ネットとか情報だけでさ、付き合いたいって思えるくらいに好きなトコ知るって」
「まぁ…。でも他の方法ないし。だってファンの子だって、そうしてんでしょ? あ、あと曲聞くとか。他に何かある?」
真剣に悩む千尋の発した最後の言葉に、大和は内心ほくそ笑んだ。
口車に乗せる、と言ったら言葉は悪いけれど、もしかしたら今、大和にとって、いいように話が進んでいるかもしれない。
「他に、ねぇ…。やっぱり実際に会わないとなんじゃない? ネットにしろ、テレビにしろ、あと雑誌とかもだけど、そこに載ってるのだけじゃ、ホントの姿て分かんないじゃん」
「まぁねぇ…。じゃあ俺、もっと大和くんと会ったほうがいいの?」
「ちーちゃんが、もっと俺のこと知りたいなら。あ、いっそ、お試しで付き合ってみない?」
「お試しで?」
とうとう大和は、ずっとタイミングを窺っていたセリフを口にした。
千尋が、大和と付き合いたいと思えるように努力する、なんてことを言い出してから、だったら付き合ってみるのも1つの手段だと、説得できるんじゃないかと思っていたのだ。
しかも、そう言った大和に対して、千尋は『何それ!』と怒るわけでもなく、わりと満更でもなさそうな顔で、ちょっと食い付いて来ている。
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