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リネンの小鳥
2011.06.30 Thu
定時に仕事を終えて帰宅すれば、暗い室内。
早々帰って来てみたが、どうやらリオは出掛けているらしい。
…メシ、食って帰れば良かったか? なんて思いつつ、適当に壁を殴ってスイッチを入れると、部屋に明かりが広がって。
「うぉっ」
誰もいないと思って、そのまま着替えに行こうと足を踏み出した、そこに。
「リ…リオちゃん?」
ソファでなく、床に。
コロンと転がって、目を閉じているリオ。
その周囲には、シーツやら、シャツやら、タオルやら。取り込んだと思われる、洗濯物。
いるはずのないと思っていた人が、思いがけないところに思い掛けないような格好でいたものだから、光彰は柄にもなく声まで上げて驚いてしまって。
今日は天気も良かったし。
察するに、干していた洗濯物を取り込んで、そのままそこで寝てしまったのだろう。
バスタオルに顔をうずめて、キュッと握り締めているのは光彰のシャツ。たぶん、他意はない…………たぶん。
「リオ、起きろ。風邪引くぞ」
肩を揺さぶると、夢の途中で邪魔されたのか、リオの眉が寄って。
モゾモゾと体を動かして、更に丸くなる。
「リーオ」
「んー……みつ…」
目をこすって、何とか起きようとしているらしいが、肝心の目が開いていない。
光彰はリオの両脇に手を入れると、そのままリオの体を抱き起こす。
いつからこうしているのかは知らないが、窓を開けっ放しにしているところからして、明るいうちから寝ていたのだろう。
いくら初夏とはいえ、この時間に窓を開けっ放しにしていると、空気が冷たいから。
このままでは本当に風邪を引きかねない。
「ホラ、せっかく洗濯したモンに、涎垂らすなよ?」
「垂らしてない」
それでも気になったのか、リオは緩慢な仕草で口元を拭った。
「ん…、俺、寝てた…」
「みたいだな」
「もう光彰、帰ってくる時間なの…?」
まだ寝惚けているのか、リオは甘えるように光彰のほうを向いて、その胸に頬をすり寄せる。
「お帰りぃ…」
言いながらも、光彰にキュウと抱き付いたリオは、そのまますやすやと眠りに落ちてしまった。
光彰は、……着替えたいねんけど、とか、メシは? とか、多少頭を過ったけれど、どうやってもこのリオを起こす気にはなれなくて。
「ただいま」
柔らかなリオの髪に、キスを1つ落とした。
back next
タイトルは約30の嘘さまから。thanks!
早々帰って来てみたが、どうやらリオは出掛けているらしい。
…メシ、食って帰れば良かったか? なんて思いつつ、適当に壁を殴ってスイッチを入れると、部屋に明かりが広がって。
「うぉっ」
誰もいないと思って、そのまま着替えに行こうと足を踏み出した、そこに。
「リ…リオちゃん?」
ソファでなく、床に。
コロンと転がって、目を閉じているリオ。
その周囲には、シーツやら、シャツやら、タオルやら。取り込んだと思われる、洗濯物。
いるはずのないと思っていた人が、思いがけないところに思い掛けないような格好でいたものだから、光彰は柄にもなく声まで上げて驚いてしまって。
今日は天気も良かったし。
察するに、干していた洗濯物を取り込んで、そのままそこで寝てしまったのだろう。
バスタオルに顔をうずめて、キュッと握り締めているのは光彰のシャツ。たぶん、他意はない…………たぶん。
「リオ、起きろ。風邪引くぞ」
肩を揺さぶると、夢の途中で邪魔されたのか、リオの眉が寄って。
モゾモゾと体を動かして、更に丸くなる。
「リーオ」
「んー……みつ…」
目をこすって、何とか起きようとしているらしいが、肝心の目が開いていない。
光彰はリオの両脇に手を入れると、そのままリオの体を抱き起こす。
いつからこうしているのかは知らないが、窓を開けっ放しにしているところからして、明るいうちから寝ていたのだろう。
いくら初夏とはいえ、この時間に窓を開けっ放しにしていると、空気が冷たいから。
このままでは本当に風邪を引きかねない。
「ホラ、せっかく洗濯したモンに、涎垂らすなよ?」
「垂らしてない」
それでも気になったのか、リオは緩慢な仕草で口元を拭った。
「ん…、俺、寝てた…」
「みたいだな」
「もう光彰、帰ってくる時間なの…?」
まだ寝惚けているのか、リオは甘えるように光彰のほうを向いて、その胸に頬をすり寄せる。
「お帰りぃ…」
言いながらも、光彰にキュウと抱き付いたリオは、そのまますやすやと眠りに落ちてしまった。
光彰は、……着替えたいねんけど、とか、メシは? とか、多少頭を過ったけれど、どうやってもこのリオを起こす気にはなれなくて。
「ただいま」
柔らかなリオの髪に、キスを1つ落とした。
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