スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
8月 暑気あたり、気づけば腕の中。 (7)
2009.04.30 Thu
和衣に甘えた雰囲気があるのは、時々会う中で感じていたし、それが異性に向けられるものでもないのも、気付いていた。
同族の勘とでも言うのか、その中でも祐介といるときの空気から、2人が付き合っているのかなぁ、なんて推測していただけで、別に誰かからハッキリ聞かされたわけではない。
けれど帰って来てみれば、和衣は翔真と一緒にゲイ関係のサイトを見ていたから、単純に、祐介じゃなくて翔真なの? と疑問に思ってしまって。
だから、まさかこんなにも和衣がパニックになるなんて思いも寄らず、思わず口にして聞いてしまったのだ。
「ホラ、カズ、鼻」
「うぅ…じゅび…」
涙と鼻水でグチャグチャの和衣の顔を、翔真がティシューで拭ってあげる。
「カズちゃん、ゴメンねー」
「へ、き…」
「落ち着いた?」
「…ん」
ならさ、と、蒼一郎は和衣の隣に座った。
「驚かないで聞いてくれる?」
「え…何…?」
蒼一郎は一瞬だけ翔真を見た後、和衣の顔を覗き込んだ。
翔真は蒼一郎が何を話そうとしているのか分かったけれど、それを止めなかった(ただ、和衣がまた大きな声を上げそうになったら、口を塞いででも静かにさせようとは思ったが)。
「あのね、俺ね、郁と付き合ってるんだ」
「……え…? 郁…?」
「うん、佐野郁雅。カズちゃんも知ってるでしょ?」
「知って…、…………、え…? え? えぇ~~~!!?? むぐっ…んんーーー!」
やはり心構えをしていて正解だった。
蒼一郎の言葉が脳の隅々にまで行き渡った瞬間、和衣は、今日何度目になるか分からない絶叫をして、翔真はすぐにその口を押さえて黙らせた。
「カズ、静かに出来る?」
「ん、ん」
コクコク頷く和衣に、翔真はやっと手を離してやった。
「ふぁっ…。…………、え、えっと…、蒼ちゃんと郁…? え、ショウちゃん、知ってたの…?」
「あー…うん、前に聞いて」
和衣は何度も瞬きをして、蒼一郎を見た。
「蒼ちゃん、郁とお付き合いしてるの?」
「うん。だから別にカズちゃんが祐介と付き合ってたって、そんなに驚かないし、変だとも思わないよ。ただ、帰ってきたら、ショウちゃんとゲイサイト見てたら、そりゃ驚くけどさ」
「あれは…!」
笑っている蒼一郎に思わず、コソコソと翔真と一緒にゲイのサイトを覗いていた理由を口走りそうになって、和衣は慌てて口を噤んだ。
「カズ、この際だから、言っちゃったら? こればっかりは、俺より蒼のほうが頼りになると思うけど」
「でも…」
「ん? 何?」
和衣はひどく迷っていたけれど、翔真と一緒に調べようとしても、やはり実際に男の子と付き合っているわけではないから、生の声は聞けないわけで。
蒼一郎はわりと軽い男ではあるけれど、隠しておこうと思えば隠しておけることも、和衣のことを思って、自分から話してくれたのだから、頼ってもいいのかもしれない。
「えっと…あのね、あのー……蒼ちゃんは、郁とエッチしたことある?」
「えっ」
心を決めた和衣の言葉は、あまりにストレートだった。
あまりに直球すぎるその言葉に、さすがの蒼一郎もピタリと固まってしまった。
「俺ね、祐介と次のステップに進みたいわけ! …でもどうしたらいいか分かんなくて、それでね、ショウちゃんに相談してたの」
「そ…そっか、それは大変だったね、……ショウちゃん」
他に相談する相手がいなかったのだから仕方がないが、和衣のそんな相談を受けていた翔真に、同情してしまう。
「蒼ちゃん、教えてください!」
「あー…うん、まぁいいけど…」
「師匠、お願いしますっ!」
深々と頭を下げる和衣に、翔真はようやくホッと息をついた。
同族の勘とでも言うのか、その中でも祐介といるときの空気から、2人が付き合っているのかなぁ、なんて推測していただけで、別に誰かからハッキリ聞かされたわけではない。
けれど帰って来てみれば、和衣は翔真と一緒にゲイ関係のサイトを見ていたから、単純に、祐介じゃなくて翔真なの? と疑問に思ってしまって。
だから、まさかこんなにも和衣がパニックになるなんて思いも寄らず、思わず口にして聞いてしまったのだ。
「ホラ、カズ、鼻」
「うぅ…じゅび…」
涙と鼻水でグチャグチャの和衣の顔を、翔真がティシューで拭ってあげる。
「カズちゃん、ゴメンねー」
「へ、き…」
「落ち着いた?」
「…ん」
ならさ、と、蒼一郎は和衣の隣に座った。
「驚かないで聞いてくれる?」
「え…何…?」
蒼一郎は一瞬だけ翔真を見た後、和衣の顔を覗き込んだ。
翔真は蒼一郎が何を話そうとしているのか分かったけれど、それを止めなかった(ただ、和衣がまた大きな声を上げそうになったら、口を塞いででも静かにさせようとは思ったが)。
「あのね、俺ね、郁と付き合ってるんだ」
「……え…? 郁…?」
「うん、佐野郁雅。カズちゃんも知ってるでしょ?」
「知って…、…………、え…? え? えぇ~~~!!?? むぐっ…んんーーー!」
やはり心構えをしていて正解だった。
蒼一郎の言葉が脳の隅々にまで行き渡った瞬間、和衣は、今日何度目になるか分からない絶叫をして、翔真はすぐにその口を押さえて黙らせた。
「カズ、静かに出来る?」
「ん、ん」
コクコク頷く和衣に、翔真はやっと手を離してやった。
「ふぁっ…。…………、え、えっと…、蒼ちゃんと郁…? え、ショウちゃん、知ってたの…?」
「あー…うん、前に聞いて」
和衣は何度も瞬きをして、蒼一郎を見た。
「蒼ちゃん、郁とお付き合いしてるの?」
「うん。だから別にカズちゃんが祐介と付き合ってたって、そんなに驚かないし、変だとも思わないよ。ただ、帰ってきたら、ショウちゃんとゲイサイト見てたら、そりゃ驚くけどさ」
「あれは…!」
笑っている蒼一郎に思わず、コソコソと翔真と一緒にゲイのサイトを覗いていた理由を口走りそうになって、和衣は慌てて口を噤んだ。
「カズ、この際だから、言っちゃったら? こればっかりは、俺より蒼のほうが頼りになると思うけど」
「でも…」
「ん? 何?」
和衣はひどく迷っていたけれど、翔真と一緒に調べようとしても、やはり実際に男の子と付き合っているわけではないから、生の声は聞けないわけで。
蒼一郎はわりと軽い男ではあるけれど、隠しておこうと思えば隠しておけることも、和衣のことを思って、自分から話してくれたのだから、頼ってもいいのかもしれない。
「えっと…あのね、あのー……蒼ちゃんは、郁とエッチしたことある?」
「えっ」
心を決めた和衣の言葉は、あまりにストレートだった。
あまりに直球すぎるその言葉に、さすがの蒼一郎もピタリと固まってしまった。
「俺ね、祐介と次のステップに進みたいわけ! …でもどうしたらいいか分かんなくて、それでね、ショウちゃんに相談してたの」
「そ…そっか、それは大変だったね、……ショウちゃん」
他に相談する相手がいなかったのだから仕方がないが、和衣のそんな相談を受けていた翔真に、同情してしまう。
「蒼ちゃん、教えてください!」
「あー…うん、まぁいいけど…」
「師匠、お願いしますっ!」
深々と頭を下げる和衣に、翔真はようやくホッと息をついた。
- 関連記事
-
- 8月 暑気あたり、気づけば腕の中。 (8) (2009/05/01)
- 8月 暑気あたり、気づけば腕の中。 (7) (2009/04/30)
- 8月 暑気あたり、気づけば腕の中。 (6) (2009/04/29)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:恋するカレンダー12題
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学