映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。)
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- 2011.09.25(日)
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- 2011.09.26(月)
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- 2011.09.27(火)
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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (10)
2011.09.25 Sun
『あー…えっと、さっき家の電話からこのケータイに電話した? このケータイの持ち主さん?』
「あの…もしかして、昨日ぶつかっちゃった人……ですか?」
『そうそう!』
遥希が恐る恐る尋ねれば、相手の声が明るくなる。
やはり掛けて来たのは、昨日遥希がぶつかった人で、向こうも遥希のことを覚えていてくれたらしい。
『ねぇ、もしかして俺のケータイ持ってる?』
「たぶんそうだと思うんですけど…」
『D社のヤツで、黒の』
「そうです」
『それだ!』
携帯電話の特徴を話すと、相手は間違いない! と声を大きくする。
逆に遥希は、携帯電話の所在が分かって、ホッとしてしまって、力が抜けてしまった。
「やっぱ、あのぶつかったとき、ケータイ、間違えて持ってちゃったんですよね、俺たち…」
『たぶん。今朝、とんでもない時間にアラーム鳴って、超ビビったし! しかも曲がFATEのだった!』
「あっ」
遥希がこの人の携帯電話の着信音が分かったということは、相手にも遥希のそういった設定が分かるということだ。
遥希は、学校の始まる時間に限らず、携帯電話のアラームはいつも朝の7時くらいにセットしているから(今日みたいに起きなくてもいいやーの日は、停止させて2度寝するのだ)、アラームはもちろんのこと、電話の着信音も、みんな聞かれてしまっている。
(ぎゃっ、恥ずかしい!)
穴があったら入りたい……とはよく言ったもので、遥希は俄かに頬が熱くなるのを感じた。
しかし電話の相手は、着信音をFATEの曲に設定していることについて、バカにしたふうでもなくて、遥希は少しホッとした。
『とにかく早く交換しちゃわないとだよね。これからとか、時間大丈夫?』
「え、あ、はぁ…」
本当は学校があったのだけれど、それどころではなくて、遥希はそのまま、彼と会う約束を取り付けた。
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「あの…もしかして、昨日ぶつかっちゃった人……ですか?」
『そうそう!』
遥希が恐る恐る尋ねれば、相手の声が明るくなる。
やはり掛けて来たのは、昨日遥希がぶつかった人で、向こうも遥希のことを覚えていてくれたらしい。
『ねぇ、もしかして俺のケータイ持ってる?』
「たぶんそうだと思うんですけど…」
『D社のヤツで、黒の』
「そうです」
『それだ!』
携帯電話の特徴を話すと、相手は間違いない! と声を大きくする。
逆に遥希は、携帯電話の所在が分かって、ホッとしてしまって、力が抜けてしまった。
「やっぱ、あのぶつかったとき、ケータイ、間違えて持ってちゃったんですよね、俺たち…」
『たぶん。今朝、とんでもない時間にアラーム鳴って、超ビビったし! しかも曲がFATEのだった!』
「あっ」
遥希がこの人の携帯電話の着信音が分かったということは、相手にも遥希のそういった設定が分かるということだ。
遥希は、学校の始まる時間に限らず、携帯電話のアラームはいつも朝の7時くらいにセットしているから(今日みたいに起きなくてもいいやーの日は、停止させて2度寝するのだ)、アラームはもちろんのこと、電話の着信音も、みんな聞かれてしまっている。
(ぎゃっ、恥ずかしい!)
穴があったら入りたい……とはよく言ったもので、遥希は俄かに頬が熱くなるのを感じた。
しかし電話の相手は、着信音をFATEの曲に設定していることについて、バカにしたふうでもなくて、遥希は少しホッとした。
『とにかく早く交換しちゃわないとだよね。これからとか、時間大丈夫?』
「え、あ、はぁ…」
本当は学校があったのだけれど、それどころではなくて、遥希はそのまま、彼と会う約束を取り付けた。
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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (11)
2011.09.26 Mon
遥希は、昨日の路地のところまで来て、急に不安になった。
電話の相手の言葉を簡単に信用して、ホイホイ出てきてしまったが、本当に大丈夫なのだろうか。相手の人が、実はすごい悪い人だったらどうしよう…。
それにしても、待ち合わせた時間より少し早く着いた路地は、昼間の今だって誰もいなくて、人通りの少ない寂しい場所だ。
よく夜中、あんな時間に通ろうとしたものだと、遥希は自分自身に呆れてしまった。
「――――あの」
「はいっ!?」
遥希が、どうしようどうしよう…と戸惑っていたら、急に背後から声を掛けられて、ビックリして振り返ったが、そこにいたのは、遥希の知らない人だった。
周囲には他に人がいないから、この人は遥希に声を掛けたのだろうが、……でも知らない。
「えっと、携帯電話…」
「え…?」
まだ困惑気味の遥希に、相手も少し戸惑いながら話し掛けてくる。
この場所で、『携帯電話』というキーワードを持ち出すのは、恐らく昨日ぶつかった人に違いなくて、今遥希が持っている携帯電話の持ち主……のはず。
遥希よりいくつか年上のように見えるこの人は、人当たりのよさそうな雰囲気を纏ってはいるが、しかし、昨日の人とは何かが違う気がする。
(だって、琉にも全然似てないし!)
ただぶつかって、落とした荷物を拾ってくれただけの人なら、遥希だってそんなに詳しく覚えていないだろうけど、何しろ昨日ぶつかったのは、テンションが上がり過ぎて寝付けなくなるくらい、FATEの琉に似ている人だったのだ。
だから、断言できる。
この人は、昨日ぶつかった人じゃない。
「これ、あなたのですよね?」
しかし遥希のそんな疑惑など気付くはずもなく、相手は遥希の携帯電話……と同じ機種、同じ色の携帯電話を差し出した。
それこそ、中を確認するまで分からない――――能天気なくせに、妙なところで慎重な遥希は、すぐにはその携帯電話を受け取らなかった。
「えっと……誰、ですか?」
「あ、すみません。あなたの携帯電話を間違えて持っていった者の代理で来たんです」
「代理…」
何か胡散臭い……とは、いくら遥希でも、面と向かって本人には言わないけれど、何となく怪しい。
携帯電話を、本人以外の人に返すのも気が引けるし。
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電話の相手の言葉を簡単に信用して、ホイホイ出てきてしまったが、本当に大丈夫なのだろうか。相手の人が、実はすごい悪い人だったらどうしよう…。
それにしても、待ち合わせた時間より少し早く着いた路地は、昼間の今だって誰もいなくて、人通りの少ない寂しい場所だ。
よく夜中、あんな時間に通ろうとしたものだと、遥希は自分自身に呆れてしまった。
「――――あの」
「はいっ!?」
遥希が、どうしようどうしよう…と戸惑っていたら、急に背後から声を掛けられて、ビックリして振り返ったが、そこにいたのは、遥希の知らない人だった。
周囲には他に人がいないから、この人は遥希に声を掛けたのだろうが、……でも知らない。
「えっと、携帯電話…」
「え…?」
まだ困惑気味の遥希に、相手も少し戸惑いながら話し掛けてくる。
この場所で、『携帯電話』というキーワードを持ち出すのは、恐らく昨日ぶつかった人に違いなくて、今遥希が持っている携帯電話の持ち主……のはず。
遥希よりいくつか年上のように見えるこの人は、人当たりのよさそうな雰囲気を纏ってはいるが、しかし、昨日の人とは何かが違う気がする。
(だって、琉にも全然似てないし!)
ただぶつかって、落とした荷物を拾ってくれただけの人なら、遥希だってそんなに詳しく覚えていないだろうけど、何しろ昨日ぶつかったのは、テンションが上がり過ぎて寝付けなくなるくらい、FATEの琉に似ている人だったのだ。
だから、断言できる。
この人は、昨日ぶつかった人じゃない。
「これ、あなたのですよね?」
しかし遥希のそんな疑惑など気付くはずもなく、相手は遥希の携帯電話……と同じ機種、同じ色の携帯電話を差し出した。
それこそ、中を確認するまで分からない――――能天気なくせに、妙なところで慎重な遥希は、すぐにはその携帯電話を受け取らなかった。
「えっと……誰、ですか?」
「あ、すみません。あなたの携帯電話を間違えて持っていった者の代理で来たんです」
「代理…」
何か胡散臭い……とは、いくら遥希でも、面と向かって本人には言わないけれど、何となく怪しい。
携帯電話を、本人以外の人に返すのも気が引けるし。
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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (12)
2011.09.27 Tue
「あの、あなたが持ってきた携帯電話は?」
「あります、けど……でも、本人以外に返すって、何か……いいんですか? 何か勝手に違う人に渡しちゃうのって…」
「そうですけど、本人は今ここに来れないんで」
そう言われても、遥希は何だか納得できない。
意地を張りたいわけではないけれど、本当にいいのか心配。
何なら警察にでも届けて、そこに取りに行ってもらったほうがいいような気がする。それなら確実に本人確認もするだろうし。
「ホラ南條、やっぱ俺が行くって言ったじゃん」
遥希が考えあぐねていると、通りのほうから人影が近付いてくる。
その声には、聞き覚えがあった。
「コラ水落! 出てくるなって…!」
代理だという人が、慌て出す。
声を掛けながらこちらにやって来たのは、まさに昨日の、琉似のイケメン。今日はサングラスをしていないから、一段と琉に似ている。
「昨日の人!」
「これ、だよね? ケータイ」
イケメンくんが、『南條』と呼んだ人から携帯電話を受け取って、中を開いて見せてくれた。
確認したら、それは間違いなく遥希のものだったので、遥希も持って来た携帯電話を差し出した。
「今朝、ケータイ違うって気が付いて、南條のから何回か電話したんだけど、全然出てくれなかったから」
「南條…」
そういえばそれは、朝、遥希の手元にあった携帯電話に表示されていた、着信の名前だ。
代理と言って最初に来た人を『南條』と呼んでいたから、彼が南條さんなのだろう。
「…すいません。何かそのとき、まだ電話が違うって気付いてなくて。何か知らない番号だし、よく分かんなくて出なかったんです。すいません…」
「いや、それは俺も一緒。だって見た目一緒だから、分かんないよね。まさか入れ替わってるなんて思わないし」
「はい」
「で、どうしよーって思ってたら、ケータイ鳴って、『家』て表示されてるから、もしかしてこのケータイの持ち主!? て思って掛け直してみたの」
「あ…」
遥希は基本的にフルネームでアドレス帳を登録しているけれど、自分の家の電話番号だけは、『家』と入れている。
別に意味はなかったのだけれど、今回はそれに救われた。
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「あります、けど……でも、本人以外に返すって、何か……いいんですか? 何か勝手に違う人に渡しちゃうのって…」
「そうですけど、本人は今ここに来れないんで」
そう言われても、遥希は何だか納得できない。
意地を張りたいわけではないけれど、本当にいいのか心配。
何なら警察にでも届けて、そこに取りに行ってもらったほうがいいような気がする。それなら確実に本人確認もするだろうし。
「ホラ南條、やっぱ俺が行くって言ったじゃん」
遥希が考えあぐねていると、通りのほうから人影が近付いてくる。
その声には、聞き覚えがあった。
「コラ水落! 出てくるなって…!」
代理だという人が、慌て出す。
声を掛けながらこちらにやって来たのは、まさに昨日の、琉似のイケメン。今日はサングラスをしていないから、一段と琉に似ている。
「昨日の人!」
「これ、だよね? ケータイ」
イケメンくんが、『南條』と呼んだ人から携帯電話を受け取って、中を開いて見せてくれた。
確認したら、それは間違いなく遥希のものだったので、遥希も持って来た携帯電話を差し出した。
「今朝、ケータイ違うって気が付いて、南條のから何回か電話したんだけど、全然出てくれなかったから」
「南條…」
そういえばそれは、朝、遥希の手元にあった携帯電話に表示されていた、着信の名前だ。
代理と言って最初に来た人を『南條』と呼んでいたから、彼が南條さんなのだろう。
「…すいません。何かそのとき、まだ電話が違うって気付いてなくて。何か知らない番号だし、よく分かんなくて出なかったんです。すいません…」
「いや、それは俺も一緒。だって見た目一緒だから、分かんないよね。まさか入れ替わってるなんて思わないし」
「はい」
「で、どうしよーって思ってたら、ケータイ鳴って、『家』て表示されてるから、もしかしてこのケータイの持ち主!? て思って掛け直してみたの」
「あ…」
遥希は基本的にフルネームでアドレス帳を登録しているけれど、自分の家の電話番号だけは、『家』と入れている。
別に意味はなかったのだけれど、今回はそれに救われた。
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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (13)
2011.09.28 Wed
「俺も、家の電話に自分のケータイの番号が表示されたんで、もしかしてって思って出たんです。何回か掛けたけど出なかったから、警察に持ってこうと思ったんですけど…」
「そうなんだ! よかったー、超いいタイミングじゃん!」
「はい」
遥希の話に、パァッと顔を明るくさせて笑った顔は、まさに琉そっくり。
ここまで似ていると、本気で間違われるんじゃないだろうか。
「ん? どうした?」
「わっ! いや、あの!」
うわ~琉に似てるー、と遥希が呆けていたら、琉そっくりの顔が覗き込んできた。
いくら偽者とはいえ、ここまで似ていたらドキッとしてしまう…。
「え、だいじょう…」
「あの、FATEの水落琉に似てるって言われませんか!?」
「……………………」
「……………………」
………………。
遥希的には、結構勇気を振り絞って言ったのに、イケメンくんも、南條さんも、ポカンとしたまま固まっている。
もしかして2人とも、琉のことを知らなかった? それとも、遥希が1人で興奮気味だから、引いてしまったのだろうか。
「あ、えっと…」
「……プ…」
「え?」
「ぶははははっ!!!!!」
「えぇ!?」
ポカンとしていたイケメンくんが、なぜか突然吹き出したと思ったら、ものすごい大笑いを始めた。
南條さんのほうは、必死に笑いを堪えている様子。
「え…えと…」
「うはは、俺、そんなに似てる?」
「は、はぁ…」
「そっかー似てるかー」
目に涙を浮かべるほど大笑いされて、今度は遥希がポカンとする番だ。
そこまで笑われるほどのことを言っただろうか。
「あははは、似てる…似てるよな、そりゃ」
「え?」
「だって俺、本人だし」
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「そうなんだ! よかったー、超いいタイミングじゃん!」
「はい」
遥希の話に、パァッと顔を明るくさせて笑った顔は、まさに琉そっくり。
ここまで似ていると、本気で間違われるんじゃないだろうか。
「ん? どうした?」
「わっ! いや、あの!」
うわ~琉に似てるー、と遥希が呆けていたら、琉そっくりの顔が覗き込んできた。
いくら偽者とはいえ、ここまで似ていたらドキッとしてしまう…。
「え、だいじょう…」
「あの、FATEの水落琉に似てるって言われませんか!?」
「……………………」
「……………………」
………………。
遥希的には、結構勇気を振り絞って言ったのに、イケメンくんも、南條さんも、ポカンとしたまま固まっている。
もしかして2人とも、琉のことを知らなかった? それとも、遥希が1人で興奮気味だから、引いてしまったのだろうか。
「あ、えっと…」
「……プ…」
「え?」
「ぶははははっ!!!!!」
「えぇ!?」
ポカンとしていたイケメンくんが、なぜか突然吹き出したと思ったら、ものすごい大笑いを始めた。
南條さんのほうは、必死に笑いを堪えている様子。
「え…えと…」
「うはは、俺、そんなに似てる?」
「は、はぁ…」
「そっかー似てるかー」
目に涙を浮かべるほど大笑いされて、今度は遥希がポカンとする番だ。
そこまで笑われるほどのことを言っただろうか。
「あははは、似てる…似てるよな、そりゃ」
「え?」
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2011.09.29 Thu
………………。
?????
「……………………。えぇーーーーー!!!???」
琉(のそっくりさん……だと思う)の言葉が、脳の隅々まで行き渡って、遥希はとんでもない声を張り上げた。
だってそんな、芸能人なんて、ましてやFATEみたいなスーパーアイドルなんて、そう簡単に会えるものではない。そんなの、マンガかドラマの中だけの話だ!!
「そんな……嘘…」
「ホントだって。あっはっはっ。何なら免許証でも見る? そっくりさんにケータイ返したんじゃマズイしね」
当たり前だが簡単に信用しない遥希に、琉はわざわざ免許証を出して見せてくれた。
そこには、免許証の証明写真だというのに、全然いまいちな感じでなく、グラビアと同じくらいカッコよく映った琉がいて、氏名の欄には『水落琉』という文字。
「ほっ…」
「ん?」
「本物ーーーー!!!??」
こればかりは、遥希だって信用しないわけにはいかない。
遥希の今目の前にいる、昨日ぶつかって、間違えて携帯電話を持っていってしまった相手は、水落琉。遥希がずっとずっとファンで、好きで堪らなかった人。
「いや、何か変だなーとは思ってたんだけど」
め、目の前で琉が喋ってる…。
そっくりさんじゃなくて、本物の琉が動いてる…。
「着信音とか俺らの曲にしてるくらいだからFATEのこと知ってんだろうなって思ってたのに、そのわりには反応薄いし、…あ、もしかして大和のファン? だから、俺にはあんまり興味なかった?」
「ちちちち違います! りゅ…水落さんの超ファンですっ!」
もちろんFATEのもう1人のメンバー、一ノ瀬大和のことも好きだが、遥希は大の琉ファンなのだ。
そこのところを本人に誤解されたら困る! と遥希が力説すれば、琉はまた笑い出した。
(琉だー、本物の琉だー! あぁ、嬉しすぎて死んじゃいそう…)
FATEのコンサートにはよく行くけれど、遥希が取れた席の中で一番よかったものでも、そこそこの距離はあって、目の前でタッチまでしてもらえている女の子を、何度羨ましいと思ったことか。
それが今、ほんの1mという近さで笑っているのだ、気が遠くなりそうなくらい嬉しい。
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?????
「……………………。えぇーーーーー!!!???」
琉(のそっくりさん……だと思う)の言葉が、脳の隅々まで行き渡って、遥希はとんでもない声を張り上げた。
だってそんな、芸能人なんて、ましてやFATEみたいなスーパーアイドルなんて、そう簡単に会えるものではない。そんなの、マンガかドラマの中だけの話だ!!
「そんな……嘘…」
「ホントだって。あっはっはっ。何なら免許証でも見る? そっくりさんにケータイ返したんじゃマズイしね」
当たり前だが簡単に信用しない遥希に、琉はわざわざ免許証を出して見せてくれた。
そこには、免許証の証明写真だというのに、全然いまいちな感じでなく、グラビアと同じくらいカッコよく映った琉がいて、氏名の欄には『水落琉』という文字。
「ほっ…」
「ん?」
「本物ーーーー!!!??」
こればかりは、遥希だって信用しないわけにはいかない。
遥希の今目の前にいる、昨日ぶつかって、間違えて携帯電話を持っていってしまった相手は、水落琉。遥希がずっとずっとファンで、好きで堪らなかった人。
「いや、何か変だなーとは思ってたんだけど」
め、目の前で琉が喋ってる…。
そっくりさんじゃなくて、本物の琉が動いてる…。
「着信音とか俺らの曲にしてるくらいだからFATEのこと知ってんだろうなって思ってたのに、そのわりには反応薄いし、…あ、もしかして大和のファン? だから、俺にはあんまり興味なかった?」
「ちちちち違います! りゅ…水落さんの超ファンですっ!」
もちろんFATEのもう1人のメンバー、一ノ瀬大和のことも好きだが、遥希は大の琉ファンなのだ。
そこのところを本人に誤解されたら困る! と遥希が力説すれば、琉はまた笑い出した。
(琉だー、本物の琉だー! あぁ、嬉しすぎて死んじゃいそう…)
FATEのコンサートにはよく行くけれど、遥希が取れた席の中で一番よかったものでも、そこそこの距離はあって、目の前でタッチまでしてもらえている女の子を、何度羨ましいと思ったことか。
それが今、ほんの1mという近さで笑っているのだ、気が遠くなりそうなくらい嬉しい。
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