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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (11)
2011.09.26 Mon
遥希は、昨日の路地のところまで来て、急に不安になった。
電話の相手の言葉を簡単に信用して、ホイホイ出てきてしまったが、本当に大丈夫なのだろうか。相手の人が、実はすごい悪い人だったらどうしよう…。
それにしても、待ち合わせた時間より少し早く着いた路地は、昼間の今だって誰もいなくて、人通りの少ない寂しい場所だ。
よく夜中、あんな時間に通ろうとしたものだと、遥希は自分自身に呆れてしまった。
「――――あの」
「はいっ!?」
遥希が、どうしようどうしよう…と戸惑っていたら、急に背後から声を掛けられて、ビックリして振り返ったが、そこにいたのは、遥希の知らない人だった。
周囲には他に人がいないから、この人は遥希に声を掛けたのだろうが、……でも知らない。
「えっと、携帯電話…」
「え…?」
まだ困惑気味の遥希に、相手も少し戸惑いながら話し掛けてくる。
この場所で、『携帯電話』というキーワードを持ち出すのは、恐らく昨日ぶつかった人に違いなくて、今遥希が持っている携帯電話の持ち主……のはず。
遥希よりいくつか年上のように見えるこの人は、人当たりのよさそうな雰囲気を纏ってはいるが、しかし、昨日の人とは何かが違う気がする。
(だって、琉にも全然似てないし!)
ただぶつかって、落とした荷物を拾ってくれただけの人なら、遥希だってそんなに詳しく覚えていないだろうけど、何しろ昨日ぶつかったのは、テンションが上がり過ぎて寝付けなくなるくらい、FATEの琉に似ている人だったのだ。
だから、断言できる。
この人は、昨日ぶつかった人じゃない。
「これ、あなたのですよね?」
しかし遥希のそんな疑惑など気付くはずもなく、相手は遥希の携帯電話……と同じ機種、同じ色の携帯電話を差し出した。
それこそ、中を確認するまで分からない――――能天気なくせに、妙なところで慎重な遥希は、すぐにはその携帯電話を受け取らなかった。
「えっと……誰、ですか?」
「あ、すみません。あなたの携帯電話を間違えて持っていった者の代理で来たんです」
「代理…」
何か胡散臭い……とは、いくら遥希でも、面と向かって本人には言わないけれど、何となく怪しい。
携帯電話を、本人以外の人に返すのも気が引けるし。
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電話の相手の言葉を簡単に信用して、ホイホイ出てきてしまったが、本当に大丈夫なのだろうか。相手の人が、実はすごい悪い人だったらどうしよう…。
それにしても、待ち合わせた時間より少し早く着いた路地は、昼間の今だって誰もいなくて、人通りの少ない寂しい場所だ。
よく夜中、あんな時間に通ろうとしたものだと、遥希は自分自身に呆れてしまった。
「――――あの」
「はいっ!?」
遥希が、どうしようどうしよう…と戸惑っていたら、急に背後から声を掛けられて、ビックリして振り返ったが、そこにいたのは、遥希の知らない人だった。
周囲には他に人がいないから、この人は遥希に声を掛けたのだろうが、……でも知らない。
「えっと、携帯電話…」
「え…?」
まだ困惑気味の遥希に、相手も少し戸惑いながら話し掛けてくる。
この場所で、『携帯電話』というキーワードを持ち出すのは、恐らく昨日ぶつかった人に違いなくて、今遥希が持っている携帯電話の持ち主……のはず。
遥希よりいくつか年上のように見えるこの人は、人当たりのよさそうな雰囲気を纏ってはいるが、しかし、昨日の人とは何かが違う気がする。
(だって、琉にも全然似てないし!)
ただぶつかって、落とした荷物を拾ってくれただけの人なら、遥希だってそんなに詳しく覚えていないだろうけど、何しろ昨日ぶつかったのは、テンションが上がり過ぎて寝付けなくなるくらい、FATEの琉に似ている人だったのだ。
だから、断言できる。
この人は、昨日ぶつかった人じゃない。
「これ、あなたのですよね?」
しかし遥希のそんな疑惑など気付くはずもなく、相手は遥希の携帯電話……と同じ機種、同じ色の携帯電話を差し出した。
それこそ、中を確認するまで分からない――――能天気なくせに、妙なところで慎重な遥希は、すぐにはその携帯電話を受け取らなかった。
「えっと……誰、ですか?」
「あ、すみません。あなたの携帯電話を間違えて持っていった者の代理で来たんです」
「代理…」
何か胡散臭い……とは、いくら遥希でも、面と向かって本人には言わないけれど、何となく怪しい。
携帯電話を、本人以外の人に返すのも気が引けるし。
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