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僕らの青春に明日はない (21)
2010.03.24 Wed
「いやまさか、お前と2人でメシ食うのを、気まずいとか思う日が来るとは、夢にも思わなかったわ、マジで」
大学のカフェテリアでロコモコ丼を頬張りながら、睦月はしみじみと、目の前に座っている祐介に言った。
祐介と睦月2人きりで食事をするのは実に久々のことで、けれど睦月が気まずさを感じているのは、単に久し振りだからという理由からではなく、祐介が醸し出している鬱々とした雰囲気のせいだった。
「つーかさ、気になるなら、カズちゃんとこ行ってくればいいじゃん」
「いや、それは…」
今日は、和衣の衣装合わせの日なのだ。
気乗りはしないが、出場を断らなかった以上、この日が来ることは避けられないわけで、しかし和衣が1人で愛菜と眞織のもと衣装合わせをするのは、とても精神力が持たないと、亮が付き添っていた。
睦月の言うように、祐介も和衣のところに行きたかったが、和衣が恥ずかしいと言ってそれを拒んだのだ。
ちなみに睦月は、来れば絶対に茶化すと思ったのか、絶対に来ちゃダメ! と念を押されていた(睦月にしても、行ったらノリで、『着てみたら~?』となるのが嫌なので、行く気もなかったが)。
「カズちゃんもさぁ、恥ずかしいったって、亮は見るじゃん。ゆっち、いいの? 亮なんかに、先にカズちゃんの女装見せちゃって」
「いいも何も」
「てかさ、ゆっち、ちゃんとカズちゃんの応援してる?」
何だかんだ言っても、睦月は和衣の味方だ。
和衣は女装コンテストに積極的ではないが、出るとなったからには応援もするし、ちょっと面倒臭いけど、愚痴だって聞いてあげる。
「いや、だって、何て言えばいいわけ?」
「は?」
何を今さら、そんなボンヤリしたことを聞いてくるのかと、睦月はスプーンを銜えたまま顔を上げた。
「女装した格好見て、かわいいとか、似合ってるって言っていいの? それって褒め言葉か?」
「……」
生真面目な性格の祐介は、どうやらずっとそんなことで悩んでいたらしい。
和衣はそんなに乗り気ではないし、『俺はかわいくない!』て言い張っているから、"かわいい"も"似合ってる"も褒め言葉にはならないだろうが、しかし、これだけがんばっているのに、"似合わない"と言うのも、どうかと思う。
「だから、何て言っていいか、分かんないんだってば!」
祐介には珍しく、混乱しているようだ。
ちょっとしたことでも深刻に受け止めがちな和衣のこと、誰よりも祐介の言動を気にするはずだから、迂闊なことは絶対に言えない。
「つーか、ゆっち的にはどうなの? カズちゃんの女装。してほしいの? してほしくないの?」
「そんなの、分かんねぇよ」
だって、恋人にぜひとも女装してほしいとか思うのは何だか品がないし、かといって、気乗り薄な女装をがんばっている和衣に、変だからやめろと言うのは、あまりにもかわいそうだ。
「そんなに嫌なら断れば、て和衣には言ったけど、やるって決めたからにはやる、て言うし」
「カズちゃんも、変なとこで頑固だしねー」
和衣は、かわいい純情乙女みたいなくせして、日本男児みたいな古風な部分もあって、きっと今回もそんな部分が強く出てしまったのだろう。
大学のカフェテリアでロコモコ丼を頬張りながら、睦月はしみじみと、目の前に座っている祐介に言った。
祐介と睦月2人きりで食事をするのは実に久々のことで、けれど睦月が気まずさを感じているのは、単に久し振りだからという理由からではなく、祐介が醸し出している鬱々とした雰囲気のせいだった。
「つーかさ、気になるなら、カズちゃんとこ行ってくればいいじゃん」
「いや、それは…」
今日は、和衣の衣装合わせの日なのだ。
気乗りはしないが、出場を断らなかった以上、この日が来ることは避けられないわけで、しかし和衣が1人で愛菜と眞織のもと衣装合わせをするのは、とても精神力が持たないと、亮が付き添っていた。
睦月の言うように、祐介も和衣のところに行きたかったが、和衣が恥ずかしいと言ってそれを拒んだのだ。
ちなみに睦月は、来れば絶対に茶化すと思ったのか、絶対に来ちゃダメ! と念を押されていた(睦月にしても、行ったらノリで、『着てみたら~?』となるのが嫌なので、行く気もなかったが)。
「カズちゃんもさぁ、恥ずかしいったって、亮は見るじゃん。ゆっち、いいの? 亮なんかに、先にカズちゃんの女装見せちゃって」
「いいも何も」
「てかさ、ゆっち、ちゃんとカズちゃんの応援してる?」
何だかんだ言っても、睦月は和衣の味方だ。
和衣は女装コンテストに積極的ではないが、出るとなったからには応援もするし、ちょっと面倒臭いけど、愚痴だって聞いてあげる。
「いや、だって、何て言えばいいわけ?」
「は?」
何を今さら、そんなボンヤリしたことを聞いてくるのかと、睦月はスプーンを銜えたまま顔を上げた。
「女装した格好見て、かわいいとか、似合ってるって言っていいの? それって褒め言葉か?」
「……」
生真面目な性格の祐介は、どうやらずっとそんなことで悩んでいたらしい。
和衣はそんなに乗り気ではないし、『俺はかわいくない!』て言い張っているから、"かわいい"も"似合ってる"も褒め言葉にはならないだろうが、しかし、これだけがんばっているのに、"似合わない"と言うのも、どうかと思う。
「だから、何て言っていいか、分かんないんだってば!」
祐介には珍しく、混乱しているようだ。
ちょっとしたことでも深刻に受け止めがちな和衣のこと、誰よりも祐介の言動を気にするはずだから、迂闊なことは絶対に言えない。
「つーか、ゆっち的にはどうなの? カズちゃんの女装。してほしいの? してほしくないの?」
「そんなの、分かんねぇよ」
だって、恋人にぜひとも女装してほしいとか思うのは何だか品がないし、かといって、気乗り薄な女装をがんばっている和衣に、変だからやめろと言うのは、あまりにもかわいそうだ。
「そんなに嫌なら断れば、て和衣には言ったけど、やるって決めたからにはやる、て言うし」
「カズちゃんも、変なとこで頑固だしねー」
和衣は、かわいい純情乙女みたいなくせして、日本男児みたいな古風な部分もあって、きっと今回もそんな部分が強く出てしまったのだろう。
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カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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りり ⇒
前回の、頭の上に手を乗せられた状態で固まってる二人を想像しておかしくてたまりませんでした。
ゆっちさん、自分の言葉の影響力を知っているから、滅多なこと言えないって分かってるんだ。褒めることもけなすこともできないジレンマ( *´艸)( 艸`*)ププッ
で、正直なところどう見えてるの? って問いただしたいです。
ゆっちさん、自分の言葉の影響力を知っているから、滅多なこと言えないって分かってるんだ。褒めることもけなすこともできないジレンマ( *´艸)( 艸`*)ププッ
で、正直なところどう見えてるの? って問いただしたいです。
如月久美子 ⇒ >りりさん
> 前回の、頭の上に手を乗せられた状態で固まってる二人を想像しておかしくてたまりませんでした。
むっちゃんにしたら、カズちゃんの頭を撫でるのなんて、大したことと思ってないんですけどね。
自分基準で、普通にゆっちさんにもやらせてしまってます(笑)
でもカズちゃんにしたら、ゆっちに頭を撫でてもらうなんて、恥ずかしくて緊張しちゃうんでしょうね~。
> ゆっちさん、自分の言葉の影響力を知っているから、滅多なこと言えないって分かってるんだ。褒めることもけなすこともできないジレンマ( *´艸)( 艸`*)ププッ
> で、正直なところどう見えてるの? って問いただしたいです。
むっちゃんは単に面白がってるだけなんですけど、ゆっちさん、盛大に悩んでます~。
カズちゃんもゆっちさんも、ノリでこういうことの出来る人じゃないんですよね。書いてて恥ずかしくなるくらいの、純情カップルです(笑)
コメントありがとうございました!
むっちゃんにしたら、カズちゃんの頭を撫でるのなんて、大したことと思ってないんですけどね。
自分基準で、普通にゆっちさんにもやらせてしまってます(笑)
でもカズちゃんにしたら、ゆっちに頭を撫でてもらうなんて、恥ずかしくて緊張しちゃうんでしょうね~。
> ゆっちさん、自分の言葉の影響力を知っているから、滅多なこと言えないって分かってるんだ。褒めることもけなすこともできないジレンマ( *´艸)( 艸`*)ププッ
> で、正直なところどう見えてるの? って問いただしたいです。
むっちゃんは単に面白がってるだけなんですけど、ゆっちさん、盛大に悩んでます~。
カズちゃんもゆっちさんも、ノリでこういうことの出来る人じゃないんですよね。書いてて恥ずかしくなるくらいの、純情カップルです(笑)
コメントありがとうございました!