スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
5. 利子の変わりにちゅーさせて (9)
2010.07.09 Fri
「どんだけ無理して働いてんの? 電話したら、バイト先の人、超心配してたぜ?」
心配、してくれんだ…。いい人だなぁ、やっぱ。
だったらなおさら、このくらいのことで休んでられないよね。
「…徳永さん、昨日の話、」
「あ、何? 受けてくれる気になった!?」
「ていうか、何で俺にそんなこと言うんですか? 俺の反応がおもしろいから? 500万も借金抱えてるし、言えば何でもするだろうって…」
「おい、そういうことじゃねぇだろ?」
「だったら何!? 俺、バカだし、よく分かんない…。利子チャラにするとか、借金を帳消しにするとか、そんなこと言っ……ヒック…」
そのたびに弄ばれる俺の心って…。
「俺はねぇ、直央くんのこと、好きなんだよ?」
「……え…?」
「最初は借金のかたに、どこかに売り飛ばしてやろうかとも思ったんだけど、ホラ、ソッチ系に受けそうな顔してるじゃん?」
そ…ソッチ系…………って、どっち系??
つーか、ホントに売り飛ばされちゃうとこだったの!? 俺!
「でも必死になって借金返そうとしてる姿見てたら、何かかわいいなぁって思って。でさ、どうやったら直央くんのこと、手に入れられるかなぁって考えたわけ」
「…本気で言ってるんですか?」
「もち」
「俺、男なのに」
「だからそれは知ってるって」
「そんな……俺は、500万の借金帳消しにしてまで手に入れたいようなモンじゃないよ」
「何でそこまで自分を卑下するの?」
「だってホントのことだし」
だって、バカで、お人よしで、借金押し付けられて逃げられちゃうような男だよ? どこにそんな惚れるような要素があるっていうの?
「…どうやったら、信じてくれるかな?」
「分かんない。そんな好きだなんて……どうせすぐに思い違いだって気付く。そんで結局俺はまた捨てられちゃうの。分かってる。いっつもそうだもん。だから俺は、自分で500万円返すことにする」
「直央くん…」
クシャって、徳永さんの手が、俺の頭を撫でた。
俺はどんな顔していいか分かんなくて、ふとんの中に潜り込む。
もう2度と、こんなふとんじゃ寝れないんだろうな。あぁ、俺の行く末は、やっぱりホームレスか…。
「……、」
徳永さんの離れていく気配がする。ドアの開く音。子供みたいな俺の言い分に、呆れて出てっちゃったのかな?
でもそれでいい。どうせ俺は、こんな奴なんだ。
明日からはもうふとんの中で寝れないんだから、今はここでしっかり体調を整えて、ちゃんとバイトに行こう。そんで、ちょっとずつお金も返して…………
心配、してくれんだ…。いい人だなぁ、やっぱ。
だったらなおさら、このくらいのことで休んでられないよね。
「…徳永さん、昨日の話、」
「あ、何? 受けてくれる気になった!?」
「ていうか、何で俺にそんなこと言うんですか? 俺の反応がおもしろいから? 500万も借金抱えてるし、言えば何でもするだろうって…」
「おい、そういうことじゃねぇだろ?」
「だったら何!? 俺、バカだし、よく分かんない…。利子チャラにするとか、借金を帳消しにするとか、そんなこと言っ……ヒック…」
そのたびに弄ばれる俺の心って…。
「俺はねぇ、直央くんのこと、好きなんだよ?」
「……え…?」
「最初は借金のかたに、どこかに売り飛ばしてやろうかとも思ったんだけど、ホラ、ソッチ系に受けそうな顔してるじゃん?」
そ…ソッチ系…………って、どっち系??
つーか、ホントに売り飛ばされちゃうとこだったの!? 俺!
「でも必死になって借金返そうとしてる姿見てたら、何かかわいいなぁって思って。でさ、どうやったら直央くんのこと、手に入れられるかなぁって考えたわけ」
「…本気で言ってるんですか?」
「もち」
「俺、男なのに」
「だからそれは知ってるって」
「そんな……俺は、500万の借金帳消しにしてまで手に入れたいようなモンじゃないよ」
「何でそこまで自分を卑下するの?」
「だってホントのことだし」
だって、バカで、お人よしで、借金押し付けられて逃げられちゃうような男だよ? どこにそんな惚れるような要素があるっていうの?
「…どうやったら、信じてくれるかな?」
「分かんない。そんな好きだなんて……どうせすぐに思い違いだって気付く。そんで結局俺はまた捨てられちゃうの。分かってる。いっつもそうだもん。だから俺は、自分で500万円返すことにする」
「直央くん…」
クシャって、徳永さんの手が、俺の頭を撫でた。
俺はどんな顔していいか分かんなくて、ふとんの中に潜り込む。
もう2度と、こんなふとんじゃ寝れないんだろうな。あぁ、俺の行く末は、やっぱりホームレスか…。
「……、」
徳永さんの離れていく気配がする。ドアの開く音。子供みたいな俺の言い分に、呆れて出てっちゃったのかな?
でもそれでいい。どうせ俺は、こんな奴なんだ。
明日からはもうふとんの中で寝れないんだから、今はここでしっかり体調を整えて、ちゃんとバイトに行こう。そんで、ちょっとずつお金も返して…………
- 関連記事
-
- 5. 利子の変わりにちゅーさせて (10) (2010/07/10)
- 5. 利子の変わりにちゅーさせて (9) (2010/07/09)
- 5. 利子の変わりにちゅーさせて (8) (2010/07/08)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:借金取りさん、こんにちは。
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学