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Pure Blue (10)
2010.06.21 Mon
どうか伝われ、この気持ち。
空気が止まるとは、まさにこのことを言うんだろう。
陽向の口から零れ落ちた、あまりに衝撃的な言葉。
冗談を言う雰囲気では決してなくて、陽向もそれを十分に分かっているはずだから、その言葉は、好きだと言ったその言葉は、紛れもなく本当で。
「朔也くん、には言ってなかった、けど……俺、ゲイなんです…」
「……マジで?」
続けての衝撃的な告白に、俺は何とか心拍数を落ち着けながら聞き返した。
「はい…。でも、だからって、朔也くんのこと、ずっとそんなふうに見てた、わけじゃなくて……ヒック…、だって朔也くんはノン気だし、メンバーだし、無理なの、分かってたから…」
肩を震わせながら、陽向は懸命に言葉を紡ぐ。
「だから、あの日、朔也くんが俺を抱こうとしたとき……抵抗しなかった。もうこんなこと、2度とないって、思ったから…。サイテーなのは、俺です…」
「………………」
「ゴメンなさい、こんなこと言って気持ち悪いですよね、すいません、でも言っとかなきゃ、ずっと朔也くんが自分を責めちゃうんじゃないかって思って、ホント、俺のせいです、全部」
俺に口を挟ませないつもりなのか、陽向は早口で一気にそう捲し立てた。
「…別に、気持ち悪いだなんて、思わないけど……ちょっとビックリしただけ」
「…、優しいですね、朔也くんは」
「そんなことないよ」
陽向が、ゲイ。
そんな雰囲気、今まで微塵も感じたこと、なかった(もちろんそんなこと感じさせないように、細心の注意を払ってただろうけど)。
……てことは、さっき寝惚けた陽向が間違えたのは、彼女じゃなくて、彼氏?
「セクフレ、です」
「、」
あまりにも似つかわしくない言葉が、陽向の口から零れ落ちて。
「あ…大丈夫です。相手もそれなりに立場とかあって、バレたらまずいのはお互い様なんで……大丈夫です」
「別に…」
「ね、朔也くんが自分のこと責めちゃうような、そんなヤツじゃないんです、俺は。だから、ホント……気にしないでください…」
そのまま俯いてしまった陽向。
どうしてそんなに、自分を傷つけるようなことばかり言うの?
「俺は…陽向のこと、嫌いじゃないよ?」
「…は? やめてください、そんなこと言うの。優しくされたら、余計に惨めだ…」
「そりゃ…陽向の言う"好き"とは意味が違うかもだけど、でも陽向がこのまま俺から離れていっちゃうの、ヤダ…」
「そんなの、勝手です! だって、これからだってずっとメンバーとして一緒にやってかなきゃいけないのに…、いっそ嫌いだとか、気持ち悪いとか言ってくれたほうがマシです!」
声を荒げて顔を上げた陽向の目からは、新しい涙が落ちていく。
俺は、それを拭うことも出来なくて。
「そんなこと、言えるわけない…」
「……ひどい人だ…。俺ばっかりこんなに好きにさせておいて、でも朔也くんはそんな中途半端な優しい感情だけで、俺を繋ぎ止めておこうとするなんて…」
「……ゴメン」
「謝らないでください…」
陽向は首を振りながら、手の甲で涙を拭った。
「俺は別に、同情とか友情が欲しいわけじゃないんです。それなら唯人で十分だ。そうじゃなくて、俺は心から愛してくれる人がそばにいてほしい。それが無理なら、体だけの関係で十分なんです」
「でも俺だって、陽向のこと、好きだ!」
「、ウソ…嘘だ…。やめてください、そんなこと言うの…うぅ…」
拭っても拭っても溢れてくる涙。
泣かせてるのは、俺だ。
「だって……あの日から、陽向のことが頭から離れない…。なかったことにしてくれって言ったくせに、俺のほうがなかったことになんか、出来なかった…」
「……」
「だいいちさ、いくら酔ってたって、ホントに気がないなら、男なんか抱くわけないよ、俺。酔っ払ったって、男と女の体の区別くらい、つくし」
「朔也く…」
「まだ、陽向の思いの深さまでは届かないかもだけど、でもやっぱ好きだよ…。陽向が、そのセクフレんトコ行くって思ったら、超ヤダし」
信じてくれ、なんてそんなこと、軽々しくは言えないけれど。
俺のことを好きだって思ってくれたその気持ち、なかったことになんかしてほしくない。
子どもみたいなこと言ってるって、分かってるけど。
「なら、今、抱いてください」
「陽向…」
「シラフでも、ホントに俺のこと抱ける? 気持ち悪いとか思わずに」
最後の賭けだとも取れる陽向の言葉と、何かしらの決意を秘めた顔。
俺は陽向を押し倒して、キスをした。
「陽向、」
……好き。
どうか、この思いが伝わるように。
信じてもらえるように。
*END*
こんなところでぶった切ってスミマセン~。続きも書きたいと思いつつ、このお話の書き方だと、エチシーンは書きにくかったんで。。。
またいつか、どこかで。
Sakuya
空気が止まるとは、まさにこのことを言うんだろう。
陽向の口から零れ落ちた、あまりに衝撃的な言葉。
冗談を言う雰囲気では決してなくて、陽向もそれを十分に分かっているはずだから、その言葉は、好きだと言ったその言葉は、紛れもなく本当で。
「朔也くん、には言ってなかった、けど……俺、ゲイなんです…」
「……マジで?」
続けての衝撃的な告白に、俺は何とか心拍数を落ち着けながら聞き返した。
「はい…。でも、だからって、朔也くんのこと、ずっとそんなふうに見てた、わけじゃなくて……ヒック…、だって朔也くんはノン気だし、メンバーだし、無理なの、分かってたから…」
肩を震わせながら、陽向は懸命に言葉を紡ぐ。
「だから、あの日、朔也くんが俺を抱こうとしたとき……抵抗しなかった。もうこんなこと、2度とないって、思ったから…。サイテーなのは、俺です…」
「………………」
「ゴメンなさい、こんなこと言って気持ち悪いですよね、すいません、でも言っとかなきゃ、ずっと朔也くんが自分を責めちゃうんじゃないかって思って、ホント、俺のせいです、全部」
俺に口を挟ませないつもりなのか、陽向は早口で一気にそう捲し立てた。
「…別に、気持ち悪いだなんて、思わないけど……ちょっとビックリしただけ」
「…、優しいですね、朔也くんは」
「そんなことないよ」
陽向が、ゲイ。
そんな雰囲気、今まで微塵も感じたこと、なかった(もちろんそんなこと感じさせないように、細心の注意を払ってただろうけど)。
……てことは、さっき寝惚けた陽向が間違えたのは、彼女じゃなくて、彼氏?
「セクフレ、です」
「、」
あまりにも似つかわしくない言葉が、陽向の口から零れ落ちて。
「あ…大丈夫です。相手もそれなりに立場とかあって、バレたらまずいのはお互い様なんで……大丈夫です」
「別に…」
「ね、朔也くんが自分のこと責めちゃうような、そんなヤツじゃないんです、俺は。だから、ホント……気にしないでください…」
そのまま俯いてしまった陽向。
どうしてそんなに、自分を傷つけるようなことばかり言うの?
「俺は…陽向のこと、嫌いじゃないよ?」
「…は? やめてください、そんなこと言うの。優しくされたら、余計に惨めだ…」
「そりゃ…陽向の言う"好き"とは意味が違うかもだけど、でも陽向がこのまま俺から離れていっちゃうの、ヤダ…」
「そんなの、勝手です! だって、これからだってずっとメンバーとして一緒にやってかなきゃいけないのに…、いっそ嫌いだとか、気持ち悪いとか言ってくれたほうがマシです!」
声を荒げて顔を上げた陽向の目からは、新しい涙が落ちていく。
俺は、それを拭うことも出来なくて。
「そんなこと、言えるわけない…」
「……ひどい人だ…。俺ばっかりこんなに好きにさせておいて、でも朔也くんはそんな中途半端な優しい感情だけで、俺を繋ぎ止めておこうとするなんて…」
「……ゴメン」
「謝らないでください…」
陽向は首を振りながら、手の甲で涙を拭った。
「俺は別に、同情とか友情が欲しいわけじゃないんです。それなら唯人で十分だ。そうじゃなくて、俺は心から愛してくれる人がそばにいてほしい。それが無理なら、体だけの関係で十分なんです」
「でも俺だって、陽向のこと、好きだ!」
「、ウソ…嘘だ…。やめてください、そんなこと言うの…うぅ…」
拭っても拭っても溢れてくる涙。
泣かせてるのは、俺だ。
「だって……あの日から、陽向のことが頭から離れない…。なかったことにしてくれって言ったくせに、俺のほうがなかったことになんか、出来なかった…」
「……」
「だいいちさ、いくら酔ってたって、ホントに気がないなら、男なんか抱くわけないよ、俺。酔っ払ったって、男と女の体の区別くらい、つくし」
「朔也く…」
「まだ、陽向の思いの深さまでは届かないかもだけど、でもやっぱ好きだよ…。陽向が、そのセクフレんトコ行くって思ったら、超ヤダし」
信じてくれ、なんてそんなこと、軽々しくは言えないけれど。
俺のことを好きだって思ってくれたその気持ち、なかったことになんかしてほしくない。
子どもみたいなこと言ってるって、分かってるけど。
「なら、今、抱いてください」
「陽向…」
「シラフでも、ホントに俺のこと抱ける? 気持ち悪いとか思わずに」
最後の賭けだとも取れる陽向の言葉と、何かしらの決意を秘めた顔。
俺は陽向を押し倒して、キスをした。
「陽向、」
……好き。
どうか、この思いが伝わるように。
信じてもらえるように。
*END*
こんなところでぶった切ってスミマセン~。続きも書きたいと思いつつ、このお話の書き方だと、エチシーンは書きにくかったんで。。。
またいつか、どこかで。
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COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒
うわーーーーこ、ここで終わるんすね(-ω-;;)
ヒナちゃんとサクくん、この先どうなるのかしら~?
とっても後を引くお話でした!
幸せカプになれるのかな?
なれるといいなぁ~。
ヒナちゃんとサクくん、この先どうなるのかしら~?
とっても後を引くお話でした!
幸せカプになれるのかな?
なれるといいなぁ~。
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> うわーーーーこ、ここで終わるんすね(-ω-;;)
> ヒナちゃんとサクくん、この先どうなるのかしら~?
こんなところでぶった切って……私も、何てことするんでしょうね、ホント。。。
当初は書こうと思ってたんですが、1話あたりがこの長さでエチシーンて……て思ったら、結局書けず。
10話で何かちょうどいいし! と、潔くここでエンドと言うことで。
> とっても後を引くお話でした!
> 幸せカプになれるのかな?
> なれるといいなぁ~。
ですよね。
この2人がどんな結末になるのか、やっぱ書かないわけにはいかないなぁ…と思ってます。
いつかお目に掛けれれば。
コメントありがとうございました!
> ヒナちゃんとサクくん、この先どうなるのかしら~?
こんなところでぶった切って……私も、何てことするんでしょうね、ホント。。。
当初は書こうと思ってたんですが、1話あたりがこの長さでエチシーンて……て思ったら、結局書けず。
10話で何かちょうどいいし! と、潔くここでエンドと言うことで。
> とっても後を引くお話でした!
> 幸せカプになれるのかな?
> なれるといいなぁ~。
ですよね。
この2人がどんな結末になるのか、やっぱ書かないわけにはいかないなぁ…と思ってます。
いつかお目に掛けれれば。
コメントありがとうございました!