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気付かせないで、恋心 (11)
2010.02.26 Fri
BLイラスト&お題配布サイト あまトロさまからお借りしました、イラストお題によるプチ連載です。素敵なイラストはこちら(第1話にリンクしています)。
「何で今さら、そんなこと言うんだよ…」
何でなんて、そんなこと。
聞かれたってそんなの、希尋だって分からない。
ずっと閉じ込めていた思い。今さら露わにするつもりなんかなかった。思い出すつもりなんかなかった。気付きたくなんかなかった。
でも、蘇ってしまった思いに、嘘はつけなくて。
加倉井のことを嫌っているだなんて、勘違いされていたくはなくて。
「何で…。……は…? そんな……いつから…?」
「え?」
「いつからお前、好きとか、そんな…」
呆然としたような加倉井の声に、希尋はゆっくりと顔を上げた。
加倉井は、希尋のことを見下ろしていた。愕然とした表情。撮影のときのような、あの強い眼差しは、そこにはなくて。
「聡…」
「だってお前、ずっと俺のこと避けて…」
「避けてたわけじゃ…、だって聡のこと好きで、好きだから、だってそんなの言えないし、写真とかテレビも、そんな顔で、お前のこと好きだってバレバレの顔で写ったら…」
ただ、叶わないだけの思いならいい。
自分がツライだけで済むなら。
けれど、この思いは加倉井にだけではない、他の誰にも気付かれたらいけない思いだから。
「だから、聡のこと嫌いとか……そんなの、ない…」
そんなこと絶対にない、と希尋は繰り返す。
嫌いだなんて思ったことは、1度だってないから。
「バカッ…、何で言わなかったんだよっ…」
「言えるわけ…」
言えるわけがない、と続けようとして、けれどあまりに加倉井の顔が悲愴に満ちていて、希尋は言葉を失った。
固く握り締めたこぶしが、震えている。
「お前が俺のこと、急に避けるようになったから、分かんねぇけど、何か嫌われたのかな、て…。だから…、……だから…」
「聡?」
「――――お前のこと好きでも、諦めなきゃ、て…」
はぁっ…と大きくついた息は、先ほどのような、諦めを含んだ溜め息ではなくて。
ずっとしまい込んでいた思いを、ようやく解放したような、
「……さと、る…?」
「俺だって、希尋のことが好きだよ…」
「…………え……」
希尋は緩く首を振った。
そんな。だって、
「嘘……そんな…」
信じられない、と言うように、希尋は首を振り続ける。
だって2人、同じ思いでいられるはずなんて。
「何で今さら、そんなこと言うんだよ…」
何でなんて、そんなこと。
聞かれたってそんなの、希尋だって分からない。
ずっと閉じ込めていた思い。今さら露わにするつもりなんかなかった。思い出すつもりなんかなかった。気付きたくなんかなかった。
でも、蘇ってしまった思いに、嘘はつけなくて。
加倉井のことを嫌っているだなんて、勘違いされていたくはなくて。
「何で…。……は…? そんな……いつから…?」
「え?」
「いつからお前、好きとか、そんな…」
呆然としたような加倉井の声に、希尋はゆっくりと顔を上げた。
加倉井は、希尋のことを見下ろしていた。愕然とした表情。撮影のときのような、あの強い眼差しは、そこにはなくて。
「聡…」
「だってお前、ずっと俺のこと避けて…」
「避けてたわけじゃ…、だって聡のこと好きで、好きだから、だってそんなの言えないし、写真とかテレビも、そんな顔で、お前のこと好きだってバレバレの顔で写ったら…」
ただ、叶わないだけの思いならいい。
自分がツライだけで済むなら。
けれど、この思いは加倉井にだけではない、他の誰にも気付かれたらいけない思いだから。
「だから、聡のこと嫌いとか……そんなの、ない…」
そんなこと絶対にない、と希尋は繰り返す。
嫌いだなんて思ったことは、1度だってないから。
「バカッ…、何で言わなかったんだよっ…」
「言えるわけ…」
言えるわけがない、と続けようとして、けれどあまりに加倉井の顔が悲愴に満ちていて、希尋は言葉を失った。
固く握り締めたこぶしが、震えている。
「お前が俺のこと、急に避けるようになったから、分かんねぇけど、何か嫌われたのかな、て…。だから…、……だから…」
「聡?」
「――――お前のこと好きでも、諦めなきゃ、て…」
はぁっ…と大きくついた息は、先ほどのような、諦めを含んだ溜め息ではなくて。
ずっとしまい込んでいた思いを、ようやく解放したような、
「……さと、る…?」
「俺だって、希尋のことが好きだよ…」
「…………え……」
希尋は緩く首を振った。
そんな。だって、
「嘘……そんな…」
信じられない、と言うように、希尋は首を振り続ける。
だって2人、同じ思いでいられるはずなんて。
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