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04. どっちが似合う? (3)
2009.11.21 Sat
「あ、このカップかわいいね。そう思わない?」
「いや、かわいいけど…」
たぶん日本で一番有名なくまさんが描かれたマグカップ。
確かにかわいい。
かわいいけれど、それを20代半ばの男子が手に取って、同年代の男子に向かって、かわいくない? と聞いてくる姿は、間違ってもかわいくはない。
「黄色と黄緑、どっちがいいかな?」
「え、朋文、それ買う気?」
単に商品を冷やかしているだけかと思ったら、真剣に選び始めるから、譲は慌てた。
「ねぇ、黄色と黄緑、どっちが似合うと思う?」
「えー…どっちも似合わなくね?」
そのカップを使ってコーヒーを飲む朋文の姿は、お世辞にもカッコいいとか、かわいいとは言い難いし、もちろん似合うわけもない。
安物のジャージですら、どこかのモデルのようにカッコよく着こなせそうなほどのスタイルと美貌を備えた朋文であっても、やっぱり絶対似合わない。
「じゃあ、青? ピンクはちょっとかわいすぎると思うんだよね」
「いや、そういう問題じゃねぇだろ」
今さら、ピンクだからどうとかいう問題ではない。
というか、いつの間にそのカップは買うことになったんだ。
「お前が使うだけだろ? 店で出すわけじゃねぇんだし、お前の好きなのにすればいいじゃん」
もう付き合うのも面倒くさくなって、譲は適当に返事をする。
こんなことなら、さっさと会計を済ませてしまえばよかった。
「でもさぁ、譲だって使うでしょ? だから、譲の気に入ったヤツがいいと思ったんだけど」
「え、何で俺も使うことになってんの?」
とんでもないことを、サラリと何でもないように朋文が言うものだから、うっかり流しそうになったけれど、それは聞き捨てならない。
「え、使わないの? お揃いにしようよ~」
両手にそれぞれピンクと青のかわいらしいマグカップを持った朋文が、情けない顔で譲に詰め寄って来る。
身長180cmの男前の、この姿。
譲はその向こうに、ギョッとした顔で固まった女の子を見つけて、どうしようもないくらい途方に暮れてしまう。だって、バッチリ目も合った。
譲は口元を引き攣らせながら何とか笑顔を作ってごまかそうとしたけれど、女の子は隣りにいた彼氏のシャツをクイクイと引っ張って、耳元で何か囁きながら消えて行った。
「譲、どうしたの? ねぇ、どっちがいいか決まった?」
「~~~~~~ッッッッ、、、、、、」
あのカップルは朋文の背後にいて、死角になっていたから気付かなかったのだろうが、頼むから空気を読んでくれ。
というか、今俺がこれだけ項垂れている理由に気付いてくれ。
「いや、かわいいけど…」
たぶん日本で一番有名なくまさんが描かれたマグカップ。
確かにかわいい。
かわいいけれど、それを20代半ばの男子が手に取って、同年代の男子に向かって、かわいくない? と聞いてくる姿は、間違ってもかわいくはない。
「黄色と黄緑、どっちがいいかな?」
「え、朋文、それ買う気?」
単に商品を冷やかしているだけかと思ったら、真剣に選び始めるから、譲は慌てた。
「ねぇ、黄色と黄緑、どっちが似合うと思う?」
「えー…どっちも似合わなくね?」
そのカップを使ってコーヒーを飲む朋文の姿は、お世辞にもカッコいいとか、かわいいとは言い難いし、もちろん似合うわけもない。
安物のジャージですら、どこかのモデルのようにカッコよく着こなせそうなほどのスタイルと美貌を備えた朋文であっても、やっぱり絶対似合わない。
「じゃあ、青? ピンクはちょっとかわいすぎると思うんだよね」
「いや、そういう問題じゃねぇだろ」
今さら、ピンクだからどうとかいう問題ではない。
というか、いつの間にそのカップは買うことになったんだ。
「お前が使うだけだろ? 店で出すわけじゃねぇんだし、お前の好きなのにすればいいじゃん」
もう付き合うのも面倒くさくなって、譲は適当に返事をする。
こんなことなら、さっさと会計を済ませてしまえばよかった。
「でもさぁ、譲だって使うでしょ? だから、譲の気に入ったヤツがいいと思ったんだけど」
「え、何で俺も使うことになってんの?」
とんでもないことを、サラリと何でもないように朋文が言うものだから、うっかり流しそうになったけれど、それは聞き捨てならない。
「え、使わないの? お揃いにしようよ~」
両手にそれぞれピンクと青のかわいらしいマグカップを持った朋文が、情けない顔で譲に詰め寄って来る。
身長180cmの男前の、この姿。
譲はその向こうに、ギョッとした顔で固まった女の子を見つけて、どうしようもないくらい途方に暮れてしまう。だって、バッチリ目も合った。
譲は口元を引き攣らせながら何とか笑顔を作ってごまかそうとしたけれど、女の子は隣りにいた彼氏のシャツをクイクイと引っ張って、耳元で何か囁きながら消えて行った。
「譲、どうしたの? ねぇ、どっちがいいか決まった?」
「~~~~~~ッッッッ、、、、、、」
あのカップルは朋文の背後にいて、死角になっていたから気付かなかったのだろうが、頼むから空気を読んでくれ。
というか、今俺がこれだけ項垂れている理由に気付いてくれ。
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