スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
04. どっちが似合う? (1)
2009.11.19 Thu
経営者としての手腕はある。
料理だって決してへたなわけでもない。手先だって、それなりに器用だし。
なのに。
「なーんで、そのセンスかなぁ…」
閉店後、後片づけも済んだカフェSpicaで、譲は大きな溜め息とともに、そうボヤいた。
祖父の経営していた小さなカフェバーを、規模はそのままながら、時々は雑誌で紹介してもらえるほどの流行りのカフェにまでした男のセンスとは思えない。
「小学生のお誕生日会かよ!」
譲は、単に突っ込むだけには飽き足りず、思い切り朋文の頭をど突いた。
「痛いなぁ…、譲、ひどいよぉ」
「ひどいのはお前のセンスだっつーの」
夏から秋へと移り変わる季節、このカフェSpicaでも、秋の新作メニューを出そうと譲が頭を捻っている中、それに併せて店内も秋らしい雰囲気にしようと言い出したのは、朋文だった。
そこまではよかった。
特別、名案と言うほどでもないが、悪いアイディアではない。
秋だし、在り来たりだけれどハロウィンかなぁ、カボチャを使ったメニューも考えたいなぁ、なんて思っていた譲は、その後に続いた朋文のセリフに、死ぬほど仰天する羽目になる。
何しろ朋文の提案というのが、『折り紙を細く切ってさ、リングにして繋げて飾るの。どう?』というものだったのだから。
さすがにこれにはど突かずにはいられない。
別にその飾り付け自体を否定はしないが、なぜあえてこのカフェで? 秋、関係なくね? てか、この年齢で、何でそんなの思い付いた!? と、様々な思いが譲の頭の中を駆け巡り、最初のボヤキと突っ込みに至ったのだ。
「つーか、今どき小学生だって、そんなの作んねぇだろ…」
「えー、でもウチのいとこの小学生、友だちの誕生日に、そういうの作ってたよ?」
「だったらお前、間違いなく思いっ切り小学生レベルじゃねぇかよ!」
「あ、そうだね」
「…………」
計算でなく、ここまで天然でボケられると、突っ込む気力も失せる。
譲はガジガジと坊主頭を掻いて、がっくりと項垂れた。
「もういいよ、お前に意見を求めた俺がバカだった…。やっぱ俺が考える」
「そんなぁ。譲にばっか色々やらせたら悪いと思って、俺も一生懸命考えてるのにぃ~…」
気持ちは有り難いが、はっきり言って、何もしないでくれるのが一番助かる。
そうは言っても、朋文はこのカフェの実質上のオーナーで、譲は雇われている身分だから、朋文に対して、あれこれ口答えの出来る立場ではない。
しかし朋文がこんなだから、やっぱり突っ込まずにはいられないことのほうが多いのだ。
「分かったよ。店内の装飾も、譲に任せる。でも何かあったら、言ってね。てか、俺にも手伝わせてね。1人で取り残されるの、寂しいから~…」
「分かった、分かったから! お前の店だろ、泣きそうになんなっ!」
泣き出しそうな顔で縋り付いてくるこの男に、本当にこの店を任せていいものなのかと、譲は一抹の不安を覚えながらも、秋の新作メニューと店内装飾のアイディアを考えるため、頭を捻ることになったのだった。
例の、カフェのお2人さんです。人類総ホ○化計画。
料理だって決してへたなわけでもない。手先だって、それなりに器用だし。
なのに。
「なーんで、そのセンスかなぁ…」
閉店後、後片づけも済んだカフェSpicaで、譲は大きな溜め息とともに、そうボヤいた。
祖父の経営していた小さなカフェバーを、規模はそのままながら、時々は雑誌で紹介してもらえるほどの流行りのカフェにまでした男のセンスとは思えない。
「小学生のお誕生日会かよ!」
譲は、単に突っ込むだけには飽き足りず、思い切り朋文の頭をど突いた。
「痛いなぁ…、譲、ひどいよぉ」
「ひどいのはお前のセンスだっつーの」
夏から秋へと移り変わる季節、このカフェSpicaでも、秋の新作メニューを出そうと譲が頭を捻っている中、それに併せて店内も秋らしい雰囲気にしようと言い出したのは、朋文だった。
そこまではよかった。
特別、名案と言うほどでもないが、悪いアイディアではない。
秋だし、在り来たりだけれどハロウィンかなぁ、カボチャを使ったメニューも考えたいなぁ、なんて思っていた譲は、その後に続いた朋文のセリフに、死ぬほど仰天する羽目になる。
何しろ朋文の提案というのが、『折り紙を細く切ってさ、リングにして繋げて飾るの。どう?』というものだったのだから。
さすがにこれにはど突かずにはいられない。
別にその飾り付け自体を否定はしないが、なぜあえてこのカフェで? 秋、関係なくね? てか、この年齢で、何でそんなの思い付いた!? と、様々な思いが譲の頭の中を駆け巡り、最初のボヤキと突っ込みに至ったのだ。
「つーか、今どき小学生だって、そんなの作んねぇだろ…」
「えー、でもウチのいとこの小学生、友だちの誕生日に、そういうの作ってたよ?」
「だったらお前、間違いなく思いっ切り小学生レベルじゃねぇかよ!」
「あ、そうだね」
「…………」
計算でなく、ここまで天然でボケられると、突っ込む気力も失せる。
譲はガジガジと坊主頭を掻いて、がっくりと項垂れた。
「もういいよ、お前に意見を求めた俺がバカだった…。やっぱ俺が考える」
「そんなぁ。譲にばっか色々やらせたら悪いと思って、俺も一生懸命考えてるのにぃ~…」
気持ちは有り難いが、はっきり言って、何もしないでくれるのが一番助かる。
そうは言っても、朋文はこのカフェの実質上のオーナーで、譲は雇われている身分だから、朋文に対して、あれこれ口答えの出来る立場ではない。
しかし朋文がこんなだから、やっぱり突っ込まずにはいられないことのほうが多いのだ。
「分かったよ。店内の装飾も、譲に任せる。でも何かあったら、言ってね。てか、俺にも手伝わせてね。1人で取り残されるの、寂しいから~…」
「分かった、分かったから! お前の店だろ、泣きそうになんなっ!」
泣き出しそうな顔で縋り付いてくるこの男に、本当にこの店を任せていいものなのかと、譲は一抹の不安を覚えながらも、秋の新作メニューと店内装飾のアイディアを考えるため、頭を捻ることになったのだった。
例の、カフェのお2人さんです。人類総ホ○化計画。
- 関連記事
-
- 04. どっちが似合う? (2) (2009/11/20)
- 04. どっちが似合う? (1) (2009/11/19)
- 03. プラチナ・リング (7) (2009/11/18)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
柚子季杏 ⇒ きゃー!
ずっとずっとずっと気になっていたこの2人!!!
嬉しいです!
続き楽しみにしてます~~♪
何か、面白くなりそうだわ~ワクワク(*´∀`*)
そしてやっぱり柚子季、攻めたん好きとしては、坊主頭の譲たんが攻めであって欲しい(笑)
嬉しいです!
続き楽しみにしてます~~♪
何か、面白くなりそうだわ~ワクワク(*´∀`*)
そしてやっぱり柚子季、攻めたん好きとしては、坊主頭の譲たんが攻めであって欲しい(笑)
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> ずっとずっとずっと気になっていたこの2人!!!
おぉ~気にしてくださっていましたか!
ありがとうございます!
いきなりこの2人が登場しても、誰だよ、てなりそうだったんで、カズちゃん&むっちゃんのデート編で、ちょっぴり伏線はってみました(全然、伏線になってないけど)。
> そしてやっぱり柚子季、攻めたん好きとしては、坊主頭の譲たんが攻めであって欲しい(笑)
むひひ。
どっちがどっちになるかは、まだ全然決めてませんが……どうなることやらの、2人です。
コメントありがとうございました!
おぉ~気にしてくださっていましたか!
ありがとうございます!
いきなりこの2人が登場しても、誰だよ、てなりそうだったんで、カズちゃん&むっちゃんのデート編で、ちょっぴり伏線はってみました(全然、伏線になってないけど)。
> そしてやっぱり柚子季、攻めたん好きとしては、坊主頭の譲たんが攻めであって欲しい(笑)
むひひ。
どっちがどっちになるかは、まだ全然決めてませんが……どうなることやらの、2人です。
コメントありがとうございました!