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3月 さよならまた明日、嫌いじゃないよ。 (3)
2009.07.12 Sun
部屋が片付いたと連絡を貰った翔真は、引っ越しの日に荷物運びに来て以来、久々に真大の新居にやって来た。
前は雑然と段ボール箱が積み上がっていただけの部屋も、キチンと片付けられている。
「うわっ、キレイに片付いてる!」
「だからそう言ったじゃん!」
翔真の、部屋に上がって最初の感想に、真大は思わず突っ込む。部屋が片付いたから遊びに来てと呼んだのに、それってないと思う。
けれど翔真にしたら、もしかしたら部屋の片付けを手伝わされるのかも…と、少なからず思っていたので、この状況はある意味予想外だった。
「はい、これ」
「え? 何、ケーキ?」
「一応、引っ越し祝い」
何を買ったらいいかなんて全然思い浮かばなくて、真大は甘いものが好きだしと、来る途中のケーキ屋で購入してきたケーキを、照れ隠しでぶっきら棒に手渡した。
「ウッソ、翔真くん、カッケー」
真大は無邪気に喜んで、さっそくケーキの入った箱を開けた。
「あ、翔真くん、そこ座ってよ。あーお茶とか出したいんだけどさ、まだ何にもなくて。…お湯でも飲む?」
「飲まねぇよ!」
何でお茶の代わりがお湯?
これならケーキだけでなく、ペットボトルでもいいから、何か飲み物を買ってくるべきだったと、来て早々に翔真は後悔し始める。
「だって昨日やっと片付け終わったばっかだもん。冷蔵庫の中も空っぽだし」
「マジで?」
「うん。ホントは全部ちゃんと終わらせてから呼ぼうと思ったんだけど、早く翔真くんに会いたかったから」
「、」
普段は嫌になるくらい(いや、ならないけれど)生意気なくせに、時々こんなふうに素直な一面を見せるから、真大は本当にタチが悪いと思う。
ズブズブと、深みにはまっていく気がする。
「後で一緒に買い物行こうよ」
「…まぁいいけど」
「んふふ、一緒に買い物とか、何か新婚さんみたい」
「アホか」
仕方なく近くの自販機で買ってきたペットボトルの紅茶を飲みながら、引っ越し祝いのケーキをつつく。
甘いものの苦手な翔真は、一体どんなケーキを買ったらいいか分からなくて、店員に選んでもらえば、どうやら女の子に上げるものだと勝手に勘違いされて、妙にかわいらしいケーキを買う羽目になってしまった。
真大は、甘ーい、おいしー、と喜んでいるようだから、まぁいいけれど。
「翔真くん、はい」
「え、いいって」
スポンジケーキの欠片と、たっぷりの生クリームが乗ったフォークを目の前に差し出され、翔真は思わず少し身を引いた。
気持ちはありがたいが、それだけの量でも、翔真には食べ切れない。
前は雑然と段ボール箱が積み上がっていただけの部屋も、キチンと片付けられている。
「うわっ、キレイに片付いてる!」
「だからそう言ったじゃん!」
翔真の、部屋に上がって最初の感想に、真大は思わず突っ込む。部屋が片付いたから遊びに来てと呼んだのに、それってないと思う。
けれど翔真にしたら、もしかしたら部屋の片付けを手伝わされるのかも…と、少なからず思っていたので、この状況はある意味予想外だった。
「はい、これ」
「え? 何、ケーキ?」
「一応、引っ越し祝い」
何を買ったらいいかなんて全然思い浮かばなくて、真大は甘いものが好きだしと、来る途中のケーキ屋で購入してきたケーキを、照れ隠しでぶっきら棒に手渡した。
「ウッソ、翔真くん、カッケー」
真大は無邪気に喜んで、さっそくケーキの入った箱を開けた。
「あ、翔真くん、そこ座ってよ。あーお茶とか出したいんだけどさ、まだ何にもなくて。…お湯でも飲む?」
「飲まねぇよ!」
何でお茶の代わりがお湯?
これならケーキだけでなく、ペットボトルでもいいから、何か飲み物を買ってくるべきだったと、来て早々に翔真は後悔し始める。
「だって昨日やっと片付け終わったばっかだもん。冷蔵庫の中も空っぽだし」
「マジで?」
「うん。ホントは全部ちゃんと終わらせてから呼ぼうと思ったんだけど、早く翔真くんに会いたかったから」
「、」
普段は嫌になるくらい(いや、ならないけれど)生意気なくせに、時々こんなふうに素直な一面を見せるから、真大は本当にタチが悪いと思う。
ズブズブと、深みにはまっていく気がする。
「後で一緒に買い物行こうよ」
「…まぁいいけど」
「んふふ、一緒に買い物とか、何か新婚さんみたい」
「アホか」
仕方なく近くの自販機で買ってきたペットボトルの紅茶を飲みながら、引っ越し祝いのケーキをつつく。
甘いものの苦手な翔真は、一体どんなケーキを買ったらいいか分からなくて、店員に選んでもらえば、どうやら女の子に上げるものだと勝手に勘違いされて、妙にかわいらしいケーキを買う羽目になってしまった。
真大は、甘ーい、おいしー、と喜んでいるようだから、まぁいいけれど。
「翔真くん、はい」
「え、いいって」
スポンジケーキの欠片と、たっぷりの生クリームが乗ったフォークを目の前に差し出され、翔真は思わず少し身を引いた。
気持ちはありがたいが、それだけの量でも、翔真には食べ切れない。
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