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一月 かじかむ指とそまる頬 (7)
2009.02.09 Mon
「は……くしゅっ! うー…」
「むっちゃん、大丈夫ー?」
朝から何度目になるか分からない睦月のくしゃみに、隣を歩いていた和衣が、心配そうに声を掛けた。
和衣の横の祐介も心配げな顔だが、あまり心配しすぎると、また過保護と言われ兼ねないので、口を出さない。
「風邪かなー? 鼻止まんない」
グジュグジュと鼻を啜りながら、睦月はカバンの中からボックスのティシューを取り出した。
「え、ここで鼻かむの?」
「だって」
まぁ別に、ここは大学構内の廊下で、特別お上品に過ごさなければならないような場所ではないけれど、わりと人も行き交う中、「ちょっとこれ持ってて」と、和衣にティシューのボックスを預けて鼻をかみ出した睦月は、大胆と言うほかない。
「大丈夫? もうすぐテストなのに、熱出さないでね?」
「んー…でももし熱出たら、カズちゃん、助けてね」
「えー、無理だよ! むっちゃん、早く風邪治して」
「じゃあ、ゆっち、助けて」
「ダメ!」
いつもの調子で祐介を頼ろうとする睦月に、間髪を入れず突っ込んだのは、和衣だ。
自分だってテスト前に祐介に助けてもらったくせに、睦月には「そういうのは自分でしなきゃダメだよ!」とか言ってくる。
祐介は苦笑いするばかりだ。
「ふぇ…くしゅっ!」
ギャーギャーと騒いでいる睦月たちの後ろ、亮が同じように派手なくしゃみをした。
「…りょーおくん」
さすがに歩きながら鼻をかむつもりはないのか、先ほどから鬱陶しそうに鼻をグズグズさせている亮の横に忍び寄ったのは翔真だった。
「…んだよ」
「亮"も"、風邪引いたの?」
「…まぁな」
"も"の部分を強調してくる翔真に亮は睨みを効かせるが、まるで堪える様子はない。
「そっかー、2人揃って風邪引いたんだー」
「…何が言いてぇんだよ、ショウ」
「…………」
飽く迄しらばっくれようとする亮に、翔真はヒクリと口の端を引き攣らせる。
「テメェ、人にさんざん愚痴ったり相談したりしたくせに、何の報告もなしたぁ、いい根性してんな!」
「イダダダ!」
前を歩く3人に気付かれないよう声を潜めつつ、翔真は亮の耳を引っ張って、その耳元で思い切り文句をぶちまけた。
「白状するか、このヤロ!」
「するする! だから痛ぇって!」
真夜中の告白劇を、亮も睦月も、実はまだ誰にも話してはいないが、どうやら翔真は何も言わなくても、どうやら"何か"に気付いてしまったようで。
悲しいかな、親友というのは、こういうときにごまかしが効かない。
どうせいつまでも隠しておけるわけではないと、亮は観念してみんなに白状した。
「むっちゃん、大丈夫ー?」
朝から何度目になるか分からない睦月のくしゃみに、隣を歩いていた和衣が、心配そうに声を掛けた。
和衣の横の祐介も心配げな顔だが、あまり心配しすぎると、また過保護と言われ兼ねないので、口を出さない。
「風邪かなー? 鼻止まんない」
グジュグジュと鼻を啜りながら、睦月はカバンの中からボックスのティシューを取り出した。
「え、ここで鼻かむの?」
「だって」
まぁ別に、ここは大学構内の廊下で、特別お上品に過ごさなければならないような場所ではないけれど、わりと人も行き交う中、「ちょっとこれ持ってて」と、和衣にティシューのボックスを預けて鼻をかみ出した睦月は、大胆と言うほかない。
「大丈夫? もうすぐテストなのに、熱出さないでね?」
「んー…でももし熱出たら、カズちゃん、助けてね」
「えー、無理だよ! むっちゃん、早く風邪治して」
「じゃあ、ゆっち、助けて」
「ダメ!」
いつもの調子で祐介を頼ろうとする睦月に、間髪を入れず突っ込んだのは、和衣だ。
自分だってテスト前に祐介に助けてもらったくせに、睦月には「そういうのは自分でしなきゃダメだよ!」とか言ってくる。
祐介は苦笑いするばかりだ。
「ふぇ…くしゅっ!」
ギャーギャーと騒いでいる睦月たちの後ろ、亮が同じように派手なくしゃみをした。
「…りょーおくん」
さすがに歩きながら鼻をかむつもりはないのか、先ほどから鬱陶しそうに鼻をグズグズさせている亮の横に忍び寄ったのは翔真だった。
「…んだよ」
「亮"も"、風邪引いたの?」
「…まぁな」
"も"の部分を強調してくる翔真に亮は睨みを効かせるが、まるで堪える様子はない。
「そっかー、2人揃って風邪引いたんだー」
「…何が言いてぇんだよ、ショウ」
「…………」
飽く迄しらばっくれようとする亮に、翔真はヒクリと口の端を引き攣らせる。
「テメェ、人にさんざん愚痴ったり相談したりしたくせに、何の報告もなしたぁ、いい根性してんな!」
「イダダダ!」
前を歩く3人に気付かれないよう声を潜めつつ、翔真は亮の耳を引っ張って、その耳元で思い切り文句をぶちまけた。
「白状するか、このヤロ!」
「するする! だから痛ぇって!」
真夜中の告白劇を、亮も睦月も、実はまだ誰にも話してはいないが、どうやら翔真は何も言わなくても、どうやら"何か"に気付いてしまったようで。
悲しいかな、親友というのは、こういうときにごまかしが効かない。
どうせいつまでも隠しておけるわけではないと、亮は観念してみんなに白状した。
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COMMENT-FORM
りり ⇒ うはぁ~
風邪うつされちゃってるという時点で翔ちゃんにはピーンときちゃうわけですね!
きゃ~~~!
良かったねぇ~。
でも亮たんと両思いになってもむっちゃんが人を頼るところはそのままなんだ(笑
亮たんがみんなに白状するというこのシチュエーションが何とも言えません(//▽//)
きゃ~~~!
良かったねぇ~。
でも亮たんと両思いになってもむっちゃんが人を頼るところはそのままなんだ(笑
亮たんがみんなに白状するというこのシチュエーションが何とも言えません(//▽//)
如月久美子 ⇒ >りりさん
翔ちゃんは、ホント聡い子ですよ~。
というか、亮タンの態度が分かりやす過ぎるのかも!?
> でも亮たんと両思いになってもむっちゃんが人を頼るところはそのままなんだ(笑
お姫は相変わらずマイペースです。
でも今度からは、カズちゃんが許さないかも(笑)
コメントありがとうございました!
というか、亮タンの態度が分かりやす過ぎるのかも!?
> でも亮たんと両思いになってもむっちゃんが人を頼るところはそのままなんだ(笑
お姫は相変わらずマイペースです。
でも今度からは、カズちゃんが許さないかも(笑)
コメントありがとうございました!