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一月 かじかむ指とそまる頬 (5)
2009.02.07 Sat
「そんなの、知らない」
「…うん。でも好き」
「知らないってば」
「知らなくてもいい。でもやっぱ、ちゃんと言っておきたい。このまま有耶無耶にしたくない。睦月のことが好きだから」
亮は、好きって言って、冗談て言って、でも冗談なんかにしたくないって言う。
何て勝手な男。
どれがホントの気持ちなの?
それとも全部が嘘で、からかってるだけ?
「亮の嘘つき」
「嘘じゃない」
「だってそうじゃなきゃ、嘘じゃなきゃ、好きって言った後、冗談とかって言わないもん」
「…ゴメン」
亮の腕の中を抜け出したくて、その胸を押し返すけれど、離してくれない。
「ゴメン、……でも好き、睦月のこと」
「…ヤダ」
「…うん、知ってる」
「え、」
どうして「ヤダ」なんて言ってしまったのか、気持ちと裏腹の言葉を吐き出した自分に慌てたのも束の間、亮の言葉に、睦月はさらに焦る。
知ってる、て。
亮は確かにそう答えた。
ヤダ、て言葉に、知ってる、て。
「ど…ゆこと…?」
何を知ってるの?
俺の気持ちを知ってるの?
ヤダって言ったのに、それでも俺の気持ちを知ってるの?
「だって睦月、前に言ったじゃん。好きな子も、気になる子もいないって」
「あ…」
「うん、だからさ。告っても、ヤダって言われんの分かってたから…」
亮はそこで言葉を切って、そして睦月を抱き締める腕の力を緩めた。
この腕から逃げ出すなら、きっと今しかない。
けれど睦月は、その場から、その腕の中から、動くことが出来なかった。
「だから言えなかったし、言うつもりもなかったんだけど…、でもこの間は、何か言わずにはいれなかったっていうか…。……でも睦月が戸惑ってるのが分かって、思わずごまかしちゃって、…冗談とか、ひどいよな。ゴメン」
「…ん」
「でも、睦月のこと好きなのは、ホントだから。それだけは伝えさせて? 冗談とかじゃなくて、ホントだって」
亮にジッと見据えられ、その真摯な瞳に、ギュッと胸が痛くなる。
ずっと、好きだったの?
でも俺が、好きな人いないって言ったから、その気持ちに蓋をしていたの?
「困らせてゴメン。もう言わないから」
「え…」
思いがけない言葉に、睦月は固まった。
スルリと亮の腕が離れて、冷たさが突き刺さってくる。
もう、言わないの?
だって、本当に好きなんでしょう?
冗談なんかじゃないんでしょう?
「ヤダ…」
「…うん。でも好き」
「知らないってば」
「知らなくてもいい。でもやっぱ、ちゃんと言っておきたい。このまま有耶無耶にしたくない。睦月のことが好きだから」
亮は、好きって言って、冗談て言って、でも冗談なんかにしたくないって言う。
何て勝手な男。
どれがホントの気持ちなの?
それとも全部が嘘で、からかってるだけ?
「亮の嘘つき」
「嘘じゃない」
「だってそうじゃなきゃ、嘘じゃなきゃ、好きって言った後、冗談とかって言わないもん」
「…ゴメン」
亮の腕の中を抜け出したくて、その胸を押し返すけれど、離してくれない。
「ゴメン、……でも好き、睦月のこと」
「…ヤダ」
「…うん、知ってる」
「え、」
どうして「ヤダ」なんて言ってしまったのか、気持ちと裏腹の言葉を吐き出した自分に慌てたのも束の間、亮の言葉に、睦月はさらに焦る。
知ってる、て。
亮は確かにそう答えた。
ヤダ、て言葉に、知ってる、て。
「ど…ゆこと…?」
何を知ってるの?
俺の気持ちを知ってるの?
ヤダって言ったのに、それでも俺の気持ちを知ってるの?
「だって睦月、前に言ったじゃん。好きな子も、気になる子もいないって」
「あ…」
「うん、だからさ。告っても、ヤダって言われんの分かってたから…」
亮はそこで言葉を切って、そして睦月を抱き締める腕の力を緩めた。
この腕から逃げ出すなら、きっと今しかない。
けれど睦月は、その場から、その腕の中から、動くことが出来なかった。
「だから言えなかったし、言うつもりもなかったんだけど…、でもこの間は、何か言わずにはいれなかったっていうか…。……でも睦月が戸惑ってるのが分かって、思わずごまかしちゃって、…冗談とか、ひどいよな。ゴメン」
「…ん」
「でも、睦月のこと好きなのは、ホントだから。それだけは伝えさせて? 冗談とかじゃなくて、ホントだって」
亮にジッと見据えられ、その真摯な瞳に、ギュッと胸が痛くなる。
ずっと、好きだったの?
でも俺が、好きな人いないって言ったから、その気持ちに蓋をしていたの?
「困らせてゴメン。もう言わないから」
「え…」
思いがけない言葉に、睦月は固まった。
スルリと亮の腕が離れて、冷たさが突き刺さってくる。
もう、言わないの?
だって、本当に好きなんでしょう?
冗談なんかじゃないんでしょう?
「ヤダ…」
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柚子季杏 ⇒ よーし!!
亮ちゃん頑張った!!
ウン゚.+:。(*-ω-)(-ω-*)゚.+:。ウン
ちゃんと伝えられて良かったよ~~(ウルウル
男らしかったよ、格好良かった!(*´∀`*)
次はむっちゃんの番ですね!
亮ちゃんがどうして「冗談」にしてしまったのかも分かったし。
むっちゃんも頑張れ~p(^-^)q
ウン゚.+:。(*-ω-)(-ω-*)゚.+:。ウン
ちゃんと伝えられて良かったよ~~(ウルウル
男らしかったよ、格好良かった!(*´∀`*)
次はむっちゃんの番ですね!
亮ちゃんがどうして「冗談」にしてしまったのかも分かったし。
むっちゃんも頑張れ~p(^-^)q
りり ⇒ むっちゃ~ん!!
亮たんが男らしい!
一度目の「ヤダ」と二度目の「ヤダ」の違いにもう萌えてしまって
今日は何も出来ないかも知れない…。
むっちゃんも言えるかな?言えるのかな?
どうして傷ついちゃったか、どんな気持ちでいたのか。
想いを伝え合えるといいです。
一度目の「ヤダ」と二度目の「ヤダ」の違いにもう萌えてしまって
今日は何も出来ないかも知れない…。
むっちゃんも言えるかな?言えるのかな?
どうして傷ついちゃったか、どんな気持ちでいたのか。
想いを伝え合えるといいです。
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> 男らしかったよ、格好良かった!(*´∀`*)
ようやく亮タンに、ヘタレ以外の形容詞が…!!
男を見せましたね!
> むっちゃんも頑張れ~p(^-^)q
これだけ見せられたら、むっちゃんだって心が動かないはずないですよね。
応援ありがとうございます!
コメントありがとうございました!
ようやく亮タンに、ヘタレ以外の形容詞が…!!
男を見せましたね!
> むっちゃんも頑張れ~p(^-^)q
これだけ見せられたら、むっちゃんだって心が動かないはずないですよね。
応援ありがとうございます!
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >りりさん
> 亮たんが男らしい!
ようやく男らしい亮タンが登場しました!
もうヘタレなんて言わせない! ……と、ずっと思ってはいたんですが…(^_^;)
> 一度目の「ヤダ」と二度目の「ヤダ」の違いにもう萌えてしまって
あぁ、分かっていただけましたか!?
分かりづらいかな…て心配してたんですが。
つぎはむっちゃんの番です!
ちゃんと思いを伝えを合えるかです。
コメントありがとうございました!
ようやく男らしい亮タンが登場しました!
もうヘタレなんて言わせない! ……と、ずっと思ってはいたんですが…(^_^;)
> 一度目の「ヤダ」と二度目の「ヤダ」の違いにもう萌えてしまって
あぁ、分かっていただけましたか!?
分かりづらいかな…て心配してたんですが。
つぎはむっちゃんの番です!
ちゃんと思いを伝えを合えるかです。
コメントありがとうございました!