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十二月 滲む涙も君との聖夜 (12)
2009.02.01 Sun
クリスマスデートは、やっぱりきれいなイルミネーションを見て、いいところでディナーをして、そしてプレゼント交換。
2人はまだ子どもだけれど、健全なままで終われるような年ごろでもないので、その後のことだって考えないばかりではない。
出掛けの翔真の言葉をつい意識してしまうが、別に焦るつもりはないし、そんなことを焦って軽い子だと思われたくない! と、和衣の乙女回路がストップを掛ける。
「ここからも、ツリー見えるね」
食事に入ったレストランで、通された席の窓からは、遠くのほうにクリスマスツリーが見えていた。
こんな日は、普段行かないような高級なところでディナーをするのが、きっとロマンチックなクリスマスの過ごし方なのだろうけど、悲しいかな2人は、そこで奮発できるほど金を持ち合わせていない、ただの大学生だ。
バイト代は日々の生活に充てられるのが大半で、それでも和衣はこの日のために遊びに使うお金を控えてがんばっていたが、それもクリスマスプレゼントを買って消えてしまった。
「あ、あのさ、祐介…」
最後に運ばれてきたデザートを食べ終えたところで、ずっとタイミングを見計らっていた和衣は、思い切って口を開いた。
「これ、あの…」
先日、睦月と一緒に考えた、祐介へのクリスマスプレゼント。
電子辞書と決めたはいいが、どれがいいか分からないと、家電量販店にまで睦月を連れて行き、何とか選び抜いた一品だ。
「え、俺に?」
「…うん。クリスマス、だから…」
恥ずかしくて、カバンから出した包みを渡す間中、和衣はずっと俯いていた。
「あ、あの…何か電子辞書、壊れちゃったんでしょ? だから、その…何か全然クリスマスぽくないけど、あの…」
祐介の様子をドキドキしながら窺っていた和衣は、祐介が包みを開けると同時に言い訳を始めた。
これぞと思うものを選びはしたけれど、和衣が夢見ていたようなロマンチックなプレゼントとは言い難いそれに、何となく言い訳が口をついて出てしまったのだ。
「ありがとう、和衣。欲しかったんだけど、ずっと買いに行けないでたんだ。すげぇ嬉しい」
「…ホント? クリスマスなのに?」
「クリスマスなのにって? 俺、和衣がくれるものなら何だって嬉しいよ」
「…、あ、ぁ…うん。あ、ツリー、見に行こっか」
サラリとそんなことを言う祐介に、和衣は頬が熱くなって、ごまかすように冷めたココアを飲み干して席を立とうとしたけれど、それを祐介に止められた。
「何…?」
「ちょっと座って?」
言われるがまま、戸惑いつつも和衣は元いた椅子にペタリと腰を下ろした。
2人はまだ子どもだけれど、健全なままで終われるような年ごろでもないので、その後のことだって考えないばかりではない。
出掛けの翔真の言葉をつい意識してしまうが、別に焦るつもりはないし、そんなことを焦って軽い子だと思われたくない! と、和衣の乙女回路がストップを掛ける。
「ここからも、ツリー見えるね」
食事に入ったレストランで、通された席の窓からは、遠くのほうにクリスマスツリーが見えていた。
こんな日は、普段行かないような高級なところでディナーをするのが、きっとロマンチックなクリスマスの過ごし方なのだろうけど、悲しいかな2人は、そこで奮発できるほど金を持ち合わせていない、ただの大学生だ。
バイト代は日々の生活に充てられるのが大半で、それでも和衣はこの日のために遊びに使うお金を控えてがんばっていたが、それもクリスマスプレゼントを買って消えてしまった。
「あ、あのさ、祐介…」
最後に運ばれてきたデザートを食べ終えたところで、ずっとタイミングを見計らっていた和衣は、思い切って口を開いた。
「これ、あの…」
先日、睦月と一緒に考えた、祐介へのクリスマスプレゼント。
電子辞書と決めたはいいが、どれがいいか分からないと、家電量販店にまで睦月を連れて行き、何とか選び抜いた一品だ。
「え、俺に?」
「…うん。クリスマス、だから…」
恥ずかしくて、カバンから出した包みを渡す間中、和衣はずっと俯いていた。
「あ、あの…何か電子辞書、壊れちゃったんでしょ? だから、その…何か全然クリスマスぽくないけど、あの…」
祐介の様子をドキドキしながら窺っていた和衣は、祐介が包みを開けると同時に言い訳を始めた。
これぞと思うものを選びはしたけれど、和衣が夢見ていたようなロマンチックなプレゼントとは言い難いそれに、何となく言い訳が口をついて出てしまったのだ。
「ありがとう、和衣。欲しかったんだけど、ずっと買いに行けないでたんだ。すげぇ嬉しい」
「…ホント? クリスマスなのに?」
「クリスマスなのにって? 俺、和衣がくれるものなら何だって嬉しいよ」
「…、あ、ぁ…うん。あ、ツリー、見に行こっか」
サラリとそんなことを言う祐介に、和衣は頬が熱くなって、ごまかすように冷めたココアを飲み干して席を立とうとしたけれど、それを祐介に止められた。
「何…?」
「ちょっと座って?」
言われるがまま、戸惑いつつも和衣は元いた椅子にペタリと腰を下ろした。
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りり ⇒ 何だかはじゅかし~~~!!
あぁ~もうテレテレ…って、わたしが照れる必要ないんですけど
ロマンチックがとまらない~~~~!
あーとかうーとか言ってしまいますよ。
ゆっちがとびきり優しいけど普通の男の子なのが実に萌え…。
何だか如月さまのお宅では、自分の知らない萌え点を続々と
開発されていくんですよね。
ML派のはずなのに可愛い物も好きだったんだなーと。
甘さも後味のよい爽やかな甘さで、それがとっても好きです。
ロマンチックがとまらない~~~~!
あーとかうーとか言ってしまいますよ。
ゆっちがとびきり優しいけど普通の男の子なのが実に萌え…。
何だか如月さまのお宅では、自分の知らない萌え点を続々と
開発されていくんですよね。
ML派のはずなのに可愛い物も好きだったんだなーと。
甘さも後味のよい爽やかな甘さで、それがとっても好きです。
柚子季杏 ⇒ クネクネしちゃいますねぇ♪
そうなのよね~学生は金がない!
いいのよ!
金がなくても楽しい事は沢山あるのさ!!
ゆっち、やっぱり喜んでくれましたね(*´∀`*)
カズちゃん良かったね~~♪
ちゃんとむっちゃんにお礼言わなきゃ駄目よ~ww
ゆっちが本当にカズちゃんのこと大事にしてる感じがして、何だか嬉しいな!
昨日の一旦お部屋に帰るとこといい・・・ぅぅ~~悶えます(///∇//)テレテレ☆
ゆっちからのプレゼント、なんだろな~?
カズちゃん嬉しくて泣いちゃうかも!!
いいのよ!
金がなくても楽しい事は沢山あるのさ!!
ゆっち、やっぱり喜んでくれましたね(*´∀`*)
カズちゃん良かったね~~♪
ちゃんとむっちゃんにお礼言わなきゃ駄目よ~ww
ゆっちが本当にカズちゃんのこと大事にしてる感じがして、何だか嬉しいな!
昨日の一旦お部屋に帰るとこといい・・・ぅぅ~~悶えます(///∇//)テレテレ☆
ゆっちからのプレゼント、なんだろな~?
カズちゃん嬉しくて泣いちゃうかも!!
如月久美子 ⇒ >りりさん
ホント、ロマンチックが止まらないですよね!?
何だ、このラブっぷり。
私も恥ずかしいです(照)
> ゆっちがとびきり優しいけど普通の男の子なのが実に萌え…。
ありがとうございます!
基本、それまで同性なんて意識してなかった男の子たちなんで、出来る限り普通な感じで書いてるんですが、それを萌とか言ってもらえるなんて、ホント嬉しいです。
> 何だか如月さまのお宅では、自分の知らない萌え点を続々と
> 開発されていくんですよね。
私もりりさんとこのお話を読んで、リーマンものも素敵…! て思うようになりましたよ。
開発されてます(笑)
コメントありがとうございました!
何だ、このラブっぷり。
私も恥ずかしいです(照)
> ゆっちがとびきり優しいけど普通の男の子なのが実に萌え…。
ありがとうございます!
基本、それまで同性なんて意識してなかった男の子たちなんで、出来る限り普通な感じで書いてるんですが、それを萌とか言ってもらえるなんて、ホント嬉しいです。
> 何だか如月さまのお宅では、自分の知らない萌え点を続々と
> 開発されていくんですよね。
私もりりさんとこのお話を読んで、リーマンものも素敵…! て思うようになりましたよ。
開発されてます(笑)
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> ちゃんとむっちゃんにお礼言わなきゃ駄目よ~ww
カズちゃん、喜びの余り、むっちゃんにあんなにお世話になったこと、きっと頭からすっかり抜けてると思われ…(爆)
> 昨日の一旦お部屋に帰るとこといい・・・ぅぅ~~悶えます(///∇//)テレテレ☆
ゆっちさん、ホントにいい男ですよね。
優しすぎる。
そりゃカズちゃんも、メロメロですよ、ホント。
そしてゆっちさんからのプレゼントは、次の更新で明らかに。
カズちゃん、照れたり感動したり、なかなか大変です。
コメントありがとうございました!
カズちゃん、喜びの余り、むっちゃんにあんなにお世話になったこと、きっと頭からすっかり抜けてると思われ…(爆)
> 昨日の一旦お部屋に帰るとこといい・・・ぅぅ~~悶えます(///∇//)テレテレ☆
ゆっちさん、ホントにいい男ですよね。
優しすぎる。
そりゃカズちゃんも、メロメロですよ、ホント。
そしてゆっちさんからのプレゼントは、次の更新で明らかに。
カズちゃん、照れたり感動したり、なかなか大変です。
コメントありがとうございました!