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四月 きっとなにかがはじまる (5)
2008.12.02 Tue
桜舞う4月。
大学の入学式を明日に控えたその日、大半の生徒が引っ越しを終えて一段落したはずの学生寮の3階廊下が、なぜかまたバタバタと騒がしかった。
「普通、入学式の前日に引っ越しなんてするー?」
段ボール箱を抱えながら、呆れたように言い放ったのは、和衣。
「俺、3月中に荷物だけは運んだけど?」
それに答えたのは、同じく段ボール箱を持った翔真。
「しかも、これから遊びに行こうって友だち捕まえて、引っ越しの手伝いなんかさせる?」
「その報酬がマックだけなんて、あり得るー?」
「だから悪かったってば!」
そしてそれに半ばキレ気味に言っているのは、2人よりも多い量の荷物を抱えた亮。
引っ越し準備の段取りの悪さから、亮だけ寮への引っ越しが何と入学式の前日となってしまったのである。
寮といっても、別に全寮制の大学というわけではない。
もちろん厳しい規則などがあるわけでもなく、大学からそこそこ近い位置にある建物を、大学側は安価で学生に提供しているだけのこと。
家賃の安さが魅力だが、その代わり、それほど広いともいえない部屋は、男2人の相部屋で、風呂とトイレは共同。1人暮らしを満喫するには至らない。
彼女を自由に連れ込むわけにもいかないし、寮を希望する学生はそれほど多くもない。
そんな中、亮たち3人は揃って寮を希望した。
とりあえず家賃は安いし、家具もある程度備わっている。1年住んでどうにもならなかったら、アパート暮らしを始めようという程度の軽い気持ちからだ。
「亮の部屋、何号室?」
「301だろ?」
「何でショウちゃん、知ってんの?」
和衣の問いに答えたのは、亮ではなく、なぜか翔真だ。
「1年生の部屋割り、入寮希望者の中で50音順なんだって」
「へぇ。だからショウちゃんの部屋番、後ろのほうなんだ」
「そゆこと」
301号室の前に辿り着き、一応部屋の主になる亮に、ドアを開けさせようと、和衣と翔真は両サイドによけた。両手いっぱいに荷物を抱えていた亮は、ヨタヨタしながらドアを開ける。
「失礼しまー……おわっ!!」
おそらく先に同室者が来ているだろうからと、亮は挨拶しながら中に入ろうとしたが、荷物の多さにバランスを崩し、そのまま持っていた荷物を部屋の中にぶちまけてしまった。
もちろん本人も前につんのめっている。
「亮、何やってんだよ、だいじょぶ?」
たいして心配したふうもない声で、和衣が声を掛ける。
「平気、平気、へー……」
言いながら立ち上がろうとした亮の動きが止まる。
「亮? どうし…」
固まってしまった亮を不審に思って声を掛けた翔真も、そのままフリーズ。え? って感じで覗き込んだ和衣も、思わず言葉をなくした。
「「「あぁ~~~~!!!!!」」」
3人同時の叫び声。寮の廊下中に響き渡る。
「な、な、何で!?」
「何でここにいるの!?」
「まさか、この部屋!?」
3人から一気に質問攻めにあったのは、部屋に備え付けのデスクに向かっていたその人物。
数日前にファーストフード店で亮たちの隣のテーブルに着いた、あの『睦月』だったのだ。
大学の入学式を明日に控えたその日、大半の生徒が引っ越しを終えて一段落したはずの学生寮の3階廊下が、なぜかまたバタバタと騒がしかった。
「普通、入学式の前日に引っ越しなんてするー?」
段ボール箱を抱えながら、呆れたように言い放ったのは、和衣。
「俺、3月中に荷物だけは運んだけど?」
それに答えたのは、同じく段ボール箱を持った翔真。
「しかも、これから遊びに行こうって友だち捕まえて、引っ越しの手伝いなんかさせる?」
「その報酬がマックだけなんて、あり得るー?」
「だから悪かったってば!」
そしてそれに半ばキレ気味に言っているのは、2人よりも多い量の荷物を抱えた亮。
引っ越し準備の段取りの悪さから、亮だけ寮への引っ越しが何と入学式の前日となってしまったのである。
寮といっても、別に全寮制の大学というわけではない。
もちろん厳しい規則などがあるわけでもなく、大学からそこそこ近い位置にある建物を、大学側は安価で学生に提供しているだけのこと。
家賃の安さが魅力だが、その代わり、それほど広いともいえない部屋は、男2人の相部屋で、風呂とトイレは共同。1人暮らしを満喫するには至らない。
彼女を自由に連れ込むわけにもいかないし、寮を希望する学生はそれほど多くもない。
そんな中、亮たち3人は揃って寮を希望した。
とりあえず家賃は安いし、家具もある程度備わっている。1年住んでどうにもならなかったら、アパート暮らしを始めようという程度の軽い気持ちからだ。
「亮の部屋、何号室?」
「301だろ?」
「何でショウちゃん、知ってんの?」
和衣の問いに答えたのは、亮ではなく、なぜか翔真だ。
「1年生の部屋割り、入寮希望者の中で50音順なんだって」
「へぇ。だからショウちゃんの部屋番、後ろのほうなんだ」
「そゆこと」
301号室の前に辿り着き、一応部屋の主になる亮に、ドアを開けさせようと、和衣と翔真は両サイドによけた。両手いっぱいに荷物を抱えていた亮は、ヨタヨタしながらドアを開ける。
「失礼しまー……おわっ!!」
おそらく先に同室者が来ているだろうからと、亮は挨拶しながら中に入ろうとしたが、荷物の多さにバランスを崩し、そのまま持っていた荷物を部屋の中にぶちまけてしまった。
もちろん本人も前につんのめっている。
「亮、何やってんだよ、だいじょぶ?」
たいして心配したふうもない声で、和衣が声を掛ける。
「平気、平気、へー……」
言いながら立ち上がろうとした亮の動きが止まる。
「亮? どうし…」
固まってしまった亮を不審に思って声を掛けた翔真も、そのままフリーズ。え? って感じで覗き込んだ和衣も、思わず言葉をなくした。
「「「あぁ~~~~!!!!!」」」
3人同時の叫び声。寮の廊下中に響き渡る。
「な、な、何で!?」
「何でここにいるの!?」
「まさか、この部屋!?」
3人から一気に質問攻めにあったのは、部屋に備え付けのデスクに向かっていたその人物。
数日前にファーストフード店で亮たちの隣のテーブルに着いた、あの『睦月』だったのだ。
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柚子季杏 ⇒ ぅわ~~ぉ!Σ(`・ω・屮)屮
ま、まさかの寮暮らし!
そしてまさかの2人部屋!!
そしてそして驚愕の同部屋!!!
もう既に萌え要素満載じゃないですか~♪
そして風呂も共同ですか・・・・・せめてシャワールーム位付いてればイイのにねぇ~www
今後、色々大変そうですな( ´艸`)ムププ♪
この3人組ホント好きっす♪
ずっと仲良しで居て欲しいなぁ~(*´∀`*)
そしてまさかの2人部屋!!
そしてそして驚愕の同部屋!!!
もう既に萌え要素満載じゃないですか~♪
そして風呂も共同ですか・・・・・せめてシャワールーム位付いてればイイのにねぇ~www
今後、色々大変そうですな( ´艸`)ムププ♪
この3人組ホント好きっす♪
ずっと仲良しで居て欲しいなぁ~(*´∀`*)
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
私の大好きな、「大学生」の入りたい人だけが入る「自由」な「寮生活」!!!
相部屋とか、これまた私の大好きなベタ展開…。
もしかしたら私の萌だけを凝縮したお話になるかも…(いつものこと)
仲良し3人組を書くのは楽しいので、私もノリノリです!
コメントありがとうございました!
相部屋とか、これまた私の大好きなベタ展開…。
もしかしたら私の萌だけを凝縮したお話になるかも…(いつものこと)
仲良し3人組を書くのは楽しいので、私もノリノリです!
コメントありがとうございました!
りり ⇒ 何ですって?寮?!
ほえ~~~。
もうこの設定だけで萌が爆発しそうです。
もう。もうもうもう!!だって寮生活、しかも
睦月ちゃんまで…!!
好物過ぎてどうしたら。
続き読みに行ってきます。
もうこの設定だけで萌が爆発しそうです。
もう。もうもうもう!!だって寮生活、しかも
睦月ちゃんまで…!!
好物過ぎてどうしたら。
続き読みに行ってきます。
如月久美子 ⇒ >りりさん
禁断の寮生活です。
しかも私の大好きな、「自由」満載!!
私だけが楽しかったらどうしよう…とか思ってたんだですけど、いかがでしょう!?
好物とか、言ってもらえただけで、嬉しすぎです~!!
コメントありがとうございました!
しかも私の大好きな、「自由」満載!!
私だけが楽しかったらどうしよう…とか思ってたんだですけど、いかがでしょう!?
好物とか、言ってもらえただけで、嬉しすぎです~!!
コメントありがとうございました!