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彼の愛情表現は分かりづらい (13)
2016.07.01 Fri
「でも、この人のほうが筋肉すごくない? すごいシックスパックじゃん」
「もぉ~! 大和くん全然分かってなぁい!」
「何が? 何で?」
千尋に褒めてもらえて嬉しいけれど、大和よりもこの芸人さんのほうが、見るからに胸板は厚いし、腕も太くてマッチョだ。
最近の千尋は、ボディビルの雑誌なんか読んだりして、どちらかというとガッツリマッチョが好きそうな感じなのに、意外な答えだ。
「らって大和くん、この筋肉見て、抱かれてぇ! て思う!?」
「えぇ!? いや俺、そういう基準で筋肉見たことないし!」
ボディビルダーだとか、鍛えている人の体を見て、純粋にすごいとは思うけれど、そもそも大和は、男に抱かれたいという欲求がないから、そこに筋肉量がまったく係わって来ないんだけれど。
というか、千尋は自分が鍛えるのも好きで、他人の筋肉を見るのは、そうした性的な目線でなく、自分の目標とするためのものだと思っていたのに。
「え、ちょっと待って。ちーちゃん、筋肉好きとか言ってんの、いっつも抱かれたいとか抱かれたくないとか、そんな感じで見てるわけ!?」
「別にそういうつもりで見てるわけじゃないけど…、見たらやっぱ、どっちかな、て判定しちゃうじゃん。大和くんだって、女の子見たら、好みか好みじゃないか、考えるでしょ? 無意識に判定しちゃってるでしょ!?」
「いや、別に…」
そんなことはない、と否定しようと思ったけれど、確かに、『あ、かわいい』くらいのことは、何となく思っているかもしれないと思って、大和は言葉を詰まらせた。
ただ、それと『抱かれたい、抱かれたくない』を同じレベルで考えていいかは、考え物だが。
しかし、『じゃあ、俺以外に、抱かれたい! て思う筋肉の人がいたら、抱かれちゃうわけ?』なんて言おうものなら、『じゃあ大和くんは、かわいいと思った女の子がいたら、付き合うわけ?』と言い返されているのが目に見えている…。
「大和くんは脱がないんだね、これ」
「まぁ…、振られてないしね」
千尋は残念そうにテレビを指差している。
この辺りが、千尋と遥希の思考の違いだろうか。遥希だったら、琉がテレビで服なんか脱いだ日には、みんなが琉の裸を見てるんだ…! と口には出さないものの、嫉妬心を心の中に渦巻かせるに違いない。そして千尋が、その捌け口になるのだ。
「…脱いだほうがよかった?」
千尋の反応が気になって、何となくそう尋ねたら、チラリと視線を向けられただけで、千尋は何も言わなかった。『どっちだと思う?』と問われたような気分だったが、どっちなのかは分からなかったので、大和も何も答えなかった。
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「もぉ~! 大和くん全然分かってなぁい!」
「何が? 何で?」
千尋に褒めてもらえて嬉しいけれど、大和よりもこの芸人さんのほうが、見るからに胸板は厚いし、腕も太くてマッチョだ。
最近の千尋は、ボディビルの雑誌なんか読んだりして、どちらかというとガッツリマッチョが好きそうな感じなのに、意外な答えだ。
「らって大和くん、この筋肉見て、抱かれてぇ! て思う!?」
「えぇ!? いや俺、そういう基準で筋肉見たことないし!」
ボディビルダーだとか、鍛えている人の体を見て、純粋にすごいとは思うけれど、そもそも大和は、男に抱かれたいという欲求がないから、そこに筋肉量がまったく係わって来ないんだけれど。
というか、千尋は自分が鍛えるのも好きで、他人の筋肉を見るのは、そうした性的な目線でなく、自分の目標とするためのものだと思っていたのに。
「え、ちょっと待って。ちーちゃん、筋肉好きとか言ってんの、いっつも抱かれたいとか抱かれたくないとか、そんな感じで見てるわけ!?」
「別にそういうつもりで見てるわけじゃないけど…、見たらやっぱ、どっちかな、て判定しちゃうじゃん。大和くんだって、女の子見たら、好みか好みじゃないか、考えるでしょ? 無意識に判定しちゃってるでしょ!?」
「いや、別に…」
そんなことはない、と否定しようと思ったけれど、確かに、『あ、かわいい』くらいのことは、何となく思っているかもしれないと思って、大和は言葉を詰まらせた。
ただ、それと『抱かれたい、抱かれたくない』を同じレベルで考えていいかは、考え物だが。
しかし、『じゃあ、俺以外に、抱かれたい! て思う筋肉の人がいたら、抱かれちゃうわけ?』なんて言おうものなら、『じゃあ大和くんは、かわいいと思った女の子がいたら、付き合うわけ?』と言い返されているのが目に見えている…。
「大和くんは脱がないんだね、これ」
「まぁ…、振られてないしね」
千尋は残念そうにテレビを指差している。
この辺りが、千尋と遥希の思考の違いだろうか。遥希だったら、琉がテレビで服なんか脱いだ日には、みんなが琉の裸を見てるんだ…! と口には出さないものの、嫉妬心を心の中に渦巻かせるに違いない。そして千尋が、その捌け口になるのだ。
「…脱いだほうがよかった?」
千尋の反応が気になって、何となくそう尋ねたら、チラリと視線を向けられただけで、千尋は何も言わなかった。『どっちだと思う?』と問われたような気分だったが、どっちなのかは分からなかったので、大和も何も答えなかった。
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